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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332249950/ 咲「どうしたの?京ちゃん」 京太郎「二人きりで話したいんだ。ちょっと放課後残ってくれないか?」 咲「うん、いいけど・・・」 優希「ちょっ、何事だじぇ!?・・・これってまさか」 和「そんなオカルトありえませんっ!」ドンッ 優希「和ちゃん、ちょっと怖いじぇ・・・大丈夫だじぇ、あの犬にそんな度胸は無いはずだじぇ」 久「・・・まこ」ヒソヒソ まこ「わかっとる。さぁさぁ、お邪魔虫は退散退散じゃー」ガッシ 和「染谷先輩、話して下さい!私は宮永さんとIPS細胞と将来の展望について話し合わないとーー」ジタバタ 優希「京太郎は私の犬だじぇー!」ジタバタ 久「じゃ、今日の部活はここまで。・・・宮永さんと須賀君、後片づけよろしくね」 京太郎「りょーかいっす。お疲れ様でーす」 咲「分かりました」 久(それにしても・・・随分突然ね) 優希「むがー!」 和「ふぬー!」 まこ「ハイハイ帰れー」ポイッ 久「それじゃあねー」ヒラヒラ バタン 京太郎「・・・」 咲「・・・」 京太郎「・・・」 咲「京ちゃん?話って」 京太郎「咲、俺と麻雀してくれないか」 咲「麻雀?いいけど・・・皆が一緒にいちゃダメだったの?」 京太郎「・・・ああ」 咲「それじゃあ、二人打ち用のルールでいいよね。ツモは減点される側は一人分、加点される側は三人分で」ピッピッ 京太郎「それでいいよ。・・・咲、本気で来てくれ」 咲「うん、分かった・・・」 東一局 京太郎「じゃ、俺が親だな」 パチッ 咲「京ちゃんが私を麻雀に誘うのって、なんだか久しぶりだね」 パチッ 京太郎「そうだな、最近はずっと雑用ばっかりだったから」 パチッ 咲「宅も4人掛けだしね。女子部員だけでも入りきらないし」 パチッ 京太郎「咲、麻雀楽しいか?」 パチッ 咲「うん、今はとっても楽しいよ」 パチッ 京太郎「そうか、そりゃ何よりだ」 パチッ 咲「京ちゃん、それロン」 パタタタタ・・・ 京太郎「くっ・・・」 咲「三色ドラ3。子の満貫で8000点だね」 京太郎「・・・じゃ、次は咲が親だな」 咲「うん。それじゃ、行くよ京ちゃん!」 東二局 咲「京ちゃん、今日はホントに突然だったね」 パチッ 京太郎「悪い。もしかして予定とかあったか?」 パチッ 咲「まぁ、無い事はないけど・・・そんなに大事な用でもないし」 パチッ 京太郎「こんなことは今日限りだからさ、勘弁してくれ」 パチッ 咲「・・・京ちゃん、何か嫌な事あったの?」 パチッ 京太郎「・・・っ」 咲「やっぱり。今日の京ちゃん、何だかおかしいもん」 バチッ! 京太郎「・・・さぁ、リーチだぜ咲。どうする?」 咲「京ちゃん・・・」 パチッ 京太郎「・・・」 パチッ 咲「・・・カン」 パチッ 京太郎「来たか・・・」 パチッ 咲「もいっこ、カン」 バシッ! 京太郎「・・・」ゾクッ パチッ 咲「もいっこ、カン!」 バシィッ! パタタタタ・・・ 咲「--ツモ。嶺上開花、三暗刻、三槓子、ドラ1。6000オールで、連荘だよ」 京太郎「・・・一本場か」 咲「それじゃ、また私からだね」 東二局一本場 咲「・・・」 パチッ 京太郎「強えなぁ、咲は」 パチッ 咲「そうかな?私よりも強い、例えば天江さんみたいな人。全国にはゾロゾロいると思うよ」 パチッ 京太郎「・・・そっか。頑張れよ、お前はもう一人じゃないんだ」 パチッ 咲「うん、頑張る」 パチッ 京太郎「・・・」 パチッ 咲「リーチだよ」 ピシッ! 京太郎「・・・」 パシッ 咲「それ、ロン!」 パタタタタ・・・ 咲「リーチ一発、一本場で平和と一盃口。ドラはないけど、裏ドラがーー乗った。これで満貫、12300点」 咲「これで合計26300点のマイナス。私の勝ちだね、京ちゃん」 京太郎「・・・」 咲「京ちゃん?」 京太郎「続行、させてくれないか」 咲「 え?うん、いいけど・・・」 東二局二本場 咲「京ちゃん、何があったの?私でよければ相談に乗るよ?」 パチッ 京太郎「何がって、何がだよ」 パチッ 咲「もう、それじゃ分かんないよ」 パチッ 京太郎「分かんなくていいんだよ。俺は、ただ咲と麻雀したいだけだ」 パチッ 咲「・・・嘘」 パチッ 京太郎「嘘なわけないだろ、現にこうして打ってるんだから」 パチッ 咲「だって京ちゃんの牌、勝つ気が無いもん」 パチッ 京太郎「何でそんなこと分かんだよっ」 パチッ 咲「染谷先輩とか原村さんみたいに分析はできないけど・・・牌に気持ちが乗ってるか乗ってないかくらいは私にもわかるよ」 パチッ 京太郎「なんだそりゃ。俺にはちっとも分かんねー世界だな」 パチッ 咲「ううん、京ちゃんが一番分かってるはずだよ。だって、京ちゃんの牌だもん」 パチッ 京太郎「俺はただ、麻雀をーー」 パチッ 咲「・・・麻雀を、やめる理由が欲しいの?」 ビシッ 京太郎「・・・んなこと言ってねーだろ!リーチだ!」 バンッ 咲「言ってるよ!京ちゃんの牌、自棄になってるもん!私もリーチ!」 バンッ 京太郎「うるせえ!お前に俺の何が分かるってんだ!」 バシッ! 咲「そんなこと分かんないよ!」 バシッ! 京太郎「だったら黙って打ってろ!」 バシッ! 咲「黙ってたら和了れないもん!」 バシッ! 京太郎「減らず口を・・・!」 バシッ! 咲「京ちゃんこそ、私を麻雀部を辞める言い訳にするつもりの癖に!」 バシッ! 京太郎「ああそうだよ!悪いかよ!大体強過ぎんだよ、お前ら!何がオカルトだ!・・・俺だって、練習してんのに!」 バシッ! 咲「悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪い!」 バシッ! 京太郎「だから今戦ってるじゃねえか!俺が、どうあがいても勝てない事の証明のために!」 バシンッ! 咲「こんなの戦いじゃない!こんな、楽しくないのは、絶対に麻雀じゃない!」 バシンッ! 京太郎「麻雀なんて、才能のゲームだ!結局牌に愛されてない奴は、負けるしかねえんだよ!」 バシンッ! 咲「そんなことない!絶対、絶対そんなことない!そんな事言う京ちゃん、私嫌いだよ!」 バシンッ! 京太郎「だったら早く和了れよ!このど真ん中の牌で、お得意のオカルトで、嫌いな俺にトドメを刺してくれよ!宮永咲ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 バシンッ! 咲「っ・・・!」 パシッ 京太郎「なっ・・・」 咲「・・・京ちゃんの番だよ」 京太郎「・・・」 咲「・・・引かないの?」 京太郎「和了れ、なかったのか・・・?」 咲「うん。だから次は、京ちゃんがツモる番」 京太郎「・・・っ」 咲「京ちゃん、引いて」 京太郎「俺、は・・・」 咲「・・・引かないんなら、私もう帰るよ?」ガタッ 京太郎「待てっ!」 ピッ 京太郎「・・・ツモだ」 パタタタタ・・・ 京太郎「二本場、メンタンピンドラ2。ハネ満で3200点オールだ」 咲「うん。この局は、京ちゃんの勝ちだね」 京太郎「咲、手牌見せてくれ!」ガタッ 咲「はい、こうだよ」 パタタタタ・・・ 京太郎「ホントに・・・和了れねぇのか」 咲「まだ、やるよね?」 京太郎「・・・ああ」 東三局 京太郎「じゃ、行くぜ・・・」 パシッ 咲「ねぇ、京ちゃん」 パシッ 京太郎「なんだよ?」 パシッ 咲「さっき和了った時、嬉しかった?」 パシッ 京太郎「そりゃ、嬉しかったよ。でもあれは・・・」 パシッ 咲「私は、手を抜いてないよ?」 パシッ 京太郎「・・・そりゃそうか。涙目で顔真っ赤にして牌打ちつけてたもんな。あれで手を抜けたら手品師だ」 パシッ 咲「むー。それはお互い様だし、そもそも京ちゃんが嫌な事言うから悪いんだよ」 パシッ 京太郎「悪かったよ。なんか奢るから、許してくれ」 パシッ 咲「それプラス麻雀部辞めないでくれたら、許したげる」 パシッ 京太郎「・・・随分と手厳しいお姫様だな」 パシッ 咲「京ちゃんが悪いんだもんっ」 パシッ 京太郎「分かってるよ、俺だってもう辞めたくなくなっちまった」 パシッ 咲「・・・京ちゃんならそう言ってくれると思ってたよ。だって、麻雀って」 パシッ 京太郎「楽しいんだもん、か?」 パシッ 咲「人のセリフを取らないでくださいー」 パシッ 京太郎「そうぶすくれなさんなって」 パシッ 咲「もう、京ちゃんのバカっ!・・・ロンだよっ」 パタタタタ 咲「一盃口のみドラ無し。1300点」 京太郎「おお、珍しく小さい和了りじゃないか」 咲「京ちゃんのがうつっちゃったかも?」 京太郎「なんだとこのー!」グリグリ 咲「いひゃいよきょうひゃん!ほっふぇはやめふぇー!」 京太郎「ありがとな、咲」 咲「ううん、私は何もしてないよ。京ちゃん自身が麻雀を辞めたくないって、心の底で思ってくれてたからこうなったんだと思う」 京太郎「かも、な」 咲「絶対そうだよ。京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん」 京太郎「なぁ、咲」 咲「なぁに?」 京太郎「俺さ、今よりもっと頑張って、いつか絶対お前を倒す!何年、何十年かかったって絶対倒すから!」 咲「ーーうん、待ってる。・・・だから、早く駅前のクレープ屋さんに行こっ」 京太郎「げっ、忘れてなかったのか」 咲「ちょっといい話になったからって奢りの約束を忘れるほど、私はロマンチストじゃないですよー?」 京太郎「こりゃ一本とられたな。・・・あんまり高いのはよしてくれよ?」 咲「キングクレープかなー、クイーンクレープかなー♪いっそ両方とか!」 京太郎「よせってば!」 咲「やーだもーんっ。ほらほら、早く来ないとどんどん注文増やしちゃうよ?」タタタ 京太郎「うおおおおおおおおおおお!?」ダダダダダ 駅前のクレープ屋さん 店員「ただ今カップル割というサービスを行っておりましてー」 咲「え、でも私達むぐっ!?」ジタバタ 京太郎「はい!じゃあそのカップル割でお願いします!」 店員「かしこまりましたー」 咲「ぷはっ。もう、嘘ついちゃ駄目だよ京ちゃん」 京太郎「バカ言え。カップルって言うだけで安くなるなら利用しない手は無いだろ」 咲「私は別に困らないけどなー」 京太郎「そりゃ奢られる立場だからな、気楽だよなぁ!?」 咲「へへーんだ」ベー 京太郎「ちなみに、何頼んだんだ?」 咲「二人用のキングクレープ。一度食べてみたかったんだー」 京太郎「ふっ、デブるぞ?」 咲「むっ!・・・ひ、否定しきれない」 京太郎「仕方ない、太らないように咲の分も俺が食べてやろう」 咲「それはダメーっ!」 遠巻きのグラサン「・・・こちらコードネームタコス。コードネームIPS、応答するじぇ」 『こちらIPSです。二人の様子はどうですか?』 遠巻きのグラサン「二人で一つのクレープを、恋人割で頼んだようだじぇ」 『殺して下さい、いえ殺しましょう』 遠巻きのグラサン「賛成だじぇ」ジャキッ 『待ちんさい!流石に性急すぎじゃて!』 『離して!離して下さい!』 『あー、こちら部長。君の行動は監視されている、変な気は起こさないよーに。とりあえず、引き続き尾行を続けてもらえるかしら』 遠巻きのグラサン「・・・了解だじぇ」ピッ 店員「お待たせいたしましたー」ドンッ 咲「うわ、おっきい・・・!」 京太郎「これは・・・マジでキングサイズだな」 咲「ここまで来ると最早クレープとしての原型がないね・・・」 京太郎「とりあえず、値段分はキッチリ食べるぞ!」 咲「おー!」 パクパクパクパク・・・ 咲「も、もうムリ」ゲプー 京太郎「デカ過ぎんだろこれ・・・」 咲「入りきらなくて残しちゃった・・・ごめんね、京ちゃん」 京太郎「いいって。お前が満足したんならそれで」 咲「うん、満足はしたよ。十分過ぎるほど」 京太郎「じゃ、帰るか」 遠巻きのグラサン「IPS,IPS応答するじぇ」 『あー、IPSならさっき体の穴という穴から細胞を飛び散らせて憤死したわ』 遠巻きのグラサン「なっ・・・同士IPS、お前のことは忘れないじぇ」 『死んでません!』 『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』 『だから死んでません!宮永さん!?宮永さーん!?』 遠巻きのグラサン「『うわ、おっきい・・・』『入りきらなくて・・・』等の発言が確認されたじぇ」 『?!?!??!?!?!!??!!??』ボフー 『あ、また憤死した』 『惜しい奴を亡くしたもんじゃ・・・』 遠巻きのグラサン「二人はもう帰るみたいだから、これで通信を終了するじぇ」 『はい、お疲れー』 遠巻きのグラサン「・・・」ピッ 遠巻きのグラサン「京太郎・・・」グスッ 咲「家まで送ってくれなくてもよかったのに」 京太郎「もう結構遅いからな、狼が潜んでないともいえないし」 咲「京ちゃんは心配性だなぁ。・・・大体、送り狼って言葉だってあるでしょ?」 京太郎「だったらどうする?」 咲「え?」 京太郎「俺が送り狼だったら、どうするんだ?」 咲「ど、どうするって・・・」アセアセ 京太郎「・・・ま、そんなことは100%あり得ないけどな」 咲「・・・だと思った。京ちゃんヘタレだもん」 京太郎「その割にはさっきマジで焦ってなかったかー?」ニヤニヤ 咲「違いますー、焦ってないですー!」プンスカ 京太郎「ま、咲は今の俺にとっちゃ目標でありライバルだ。夜道で襲うもんじゃねえわな」 咲「京ちゃんとまともに勝負できるのは何年後かなー」 京太郎「うるせえ、首洗って待ってろよー!じゃあなー!」ダダダダダ 咲「あ、京ちゃんまたねー!」 咲「ーー私、待ってるからね。何年だって・・・」 一ヶ月後 久「おいーっす」 優希「お、部長のご登場だじぇー」 京太郎「あ、部長。掃除終わりました!」 久「ん、御苦労。・・・最近妙に精力的ね」 まこ「守るべきもんでも出来たんかのう」 和「っ!?」ギリギリギリギリ まこ「じ、冗談じゃ!冗談じゃって!」 咲「こんにちはー」 優希「お、咲ちゃんも!これで清澄高校麻雀部勢ぞろいだじぇー!」 京太郎「おお咲、丁度良かった。昨日のネット対戦であったこの局面なんだけどよ・・・」ポチポチ 咲「んー?多分だけど、これはここをね・・・」ポチポチ 京太郎「おお、良い待ちになった!」 優希「・・・」ギリッ 和「・・・」ブチブチッ 咲「やっぱり京ちゃん、まだまだだね」 京太郎「うるせえ、いつかはカモにしてやるからな」 咲「ハイハイ。期待してますよー」 優希「・・・犬!タコス買ってくるじぇ!」 京太郎「うぇっ!?ちょっと今手が離せな」 優希「うるさいじぇ!いいから買ってくるじぇ!」 京太郎「・・・分かったよ」 咲「あ、なら私も」 和「宮永さんはこっちで私達と麻雀です。大会も近いんですから」 咲「そ、そうだね。・・・ごめんね京ちゃん」 京太郎「いいって、元々パシリは俺の役目なんだし。それより咲は大将なんだから、清澄のためにもしっかり勝ってくれないと困るぜ?」 咲「むー、京ちゃんってばまたそうやってプレッシャーかけるんだからー」 優希「・・・」メリッ 和「・・・」バキバキバキバキ 京太郎「部長、タコス以外に買ってくるものありますか?」 久「私は特にないけど・・・他の人は?」 まこ「ワシも特にないな」 優希「大理石100kg!」 和「拷問器具!」 京太郎「売ってねーよっ!」 咲「じゃあ私紅茶お願いしていいかな?アイスで」 京太郎「あいよっと」タタタ 咲「あ、廊下は走っちゃだめだってばー!・・・もう、京ちゃんたら」 久「部室暑いわね、なんか」 まこ「ああ、あっつあつじゃな」 優希「暑さの元はたった今追いだしたはずだじぇー」 和「暑さの元が永遠に冷たくなれば部室の温度が上がらずに済む可能性が微粒子レベルで存在している気がします・・・」 久「それじゃ、私達は練習しましょうか」 咲「はいっ!」 咲「よし、ロンっ!これで私の最終得点は33400点、一位ですね!」 まこ「あちゃー、振り込んでしもうた」 優希「あ、危なかったじぇ・・・9800点のマコがいなかったらドベだったじぇ」 久「宮永さんの仕上がりは上々みたいね」 咲「部の皆のお陰です!」 京太郎「お待たせしましたー・・・ほい、ホット」ピトッ 咲「熱ぅっ!?・・・くないし。もー、悪戯はダメだってば」 京太郎「咲はからかいがいがあるからな」 咲「むー」 京太郎「タコスのお客様ーっと。はいよ」 優希「・・・」ムスーッ 京太郎「な、なんだよ?」 優希「なんでもないじぇ。ふーんだ」ムシャムシャ 京太郎「・・・?」ポリポリ 咲「見て見て京ちゃん!嶺上開花和了ったよ!」 京太郎「おおー、やりますな姫様」 咲「ふふん、崇めるがよい」 京太郎「ははーっ。・・・じゃ、今日も部活終わった後頼んでいいか?」 和「あの、宮永さんは大会前で」 咲「うん、いいよ。部長、部活外ですしいいですよね?」 久「いいけど、お願いだから部活外でやってね」 優希「・・・」ミギミギミギミギ 和「・・・」ガガガガガガガ まこ「ま、お前らの気持ちもわからんでもないけどな」ヒョイヒョイッ 優希「うがー!大体ロンで嶺上開花が和了れるはずないじぇ!嘘はいけないじぇ!」 和「そうです、そんなオカルトあり得ません!それより宮永さんは私と素敵なIPS-!」 京太郎「・・・咲、虚偽申告はいけないなぁ?罰符ものだぞ?」 咲「あ、これは違っ・・・ついいつもの癖で嶺上開花って言っちゃったんであって」 咲「決して京ちゃんの前で格好付けようとかそういうのは・・・」 京太郎「・・・」ニヤニヤ 咲「き、京ちゃんだって大して確認もせずに崇めたんだから同罪だよ、同罪!」 京太郎「なんじゃそら!?」 まこ「仲がいいのう・・・」 久「ホントにね」 まこ「ワシらもそろそろ帰るか」 久「そうね。なーんかこの終わり方が板についてきちゃったなぁ・・・まぁいっか」 久「んじゃ、掃除戸締りその他はよろしくー」 バタン 京太郎「さて、それじゃあよろしくお願いします」ペコリ 咲「うん、今日も頑張ろうね京ちゃん!」 京太郎「よーし、今日の目標は狙って満貫!」 咲「じゃあ、私の目標は狙って役満かなー」 京太郎「言ってろ!」 パチッ 咲「ふふっ」 パチッ 京太郎「・・・なんだよ?」 パチッ 咲「京ちゃんとこうやって二人きりで麻雀出来るのが、嬉しいなあって」 パチッ 京太郎「おいおい、気を緩ませてたら俺勝っちまうぞ?」 パチッ 咲「やれるものならやってみなさーい」 パチッ 京太郎「言ったな・・・?そら、リーチ!」 バチィッ 咲「む、そのリーチは読みにくいかも」 パチッ 京太郎「とか言いつつ咲さん、ノータイムで打ってきますね」 パチッ 咲「まぁ、まだまだだねー」 パチッ 京太郎「どこぞのテニヌプレイヤーかよっ」 パチッ 咲「・・・でも、ちゃんと成長してるよ、京ちゃん」 パチッ 京太郎「そりゃ・・・」 パチッ 咲「それロン」 パタタタタ・・・ 咲「混老頭、トイトイドラ3。ハネ満で12000点頂戴しまーすっ」 京太郎「・・・こんな鬼教官がいりゃあな、嫌でも強くなるさ」 咲「えへへ・・・でも、前よりずっと牌に気持ちが乗ってるよ」 京太郎「そりゃ、いつでも寝首掻く気でいるからな!」 咲「うむ、その意気やよし!存分にかかってくるがいい!」 京太郎「咲、そのキャラ似合ってねーぞ」 咲「や、やっぱり?」 京太郎「どっちかってーとお姉さんの方がそんなキャラだな」 咲「かもねー」 アハハハハ・・・・・・ 京太郎「教官、今日もお疲れ様でしたっ!お家までお送りいたします」 咲「ん。よろしくね、しっかり満貫和了って役満和了られた京ちゃん」 京太郎「ぐ・・・さ、流石にあれは偶然だよな?」 咲「どうだろうねー」 京太郎「ぐおおおおお!自分の打ち筋によるものかもしれないと思うと猛烈に悔しくなってくる!」 咲「ふふ、まだまだだねー」 京太郎「お、覚えてろよおおおおおおおおおお!」ダダダダダ 咲「京ちゃん、またねー!」 京太郎の家 京太郎「ん、メール?」 【差出人:宮永咲 件名:きょうのまーじゃんについて】 京太郎「いい加減変換くらい覚えろよ・・・っと」ポチポチ 京太郎「お、もう一件」 【差出人:片岡優希 件名:明日の部活が終わったら、ちょっと残ってるじぇ】 京太郎「本文は空・・・なんだってんだ?」 翌日 久「おっすー・・・須賀君、精が出るわね」 京太郎「そりゃもう、雑用係ですから」 久「最近の牌譜見たけど・・・良くなってるよ。宮永さんの指導の賜物?」 京太郎「げ、バレてたんスか・・・いやぁ、ホント咲には頭が上がらないですよ」 久「その調子で、清澄高校男子麻雀部のために頑張ってね。期待してるわよ」ポンッ 京太郎「はい!」 久「雑用もね」クスッ 京太郎「ですよねー・・・」 まこ「・・・優希、どうしたんじゃその大量のタコス」 和「今日はまた一段と多いですね・・・」 優希「今日は決戦だじぇ、物資は多いに越したことはないじぇ」 まこ「・・・?」 咲「あ、京ちゃーん!」 京太郎「おう、咲。・・・今日は部活後に別の用事が入っちゃったから、先に帰っててくれるか?」 咲「うん、分かった。私も用事あったとこだから丁度よかったね」 京太郎「まさに息ピッタリ!」 咲「京ちゃんのツモ運まで移さないでね、負けちゃうから」 京太郎「なんだとー!」グリグリ 咲「ひひゃいひひゃいー!」 和「・・・」ゴゴゴゴゴ 優希「・・・」 和「・・・優希?」 優希「今日は決戦だじぇ・・・」ムシャムシャ 久「よし、それじゃ練習始めるわよー」 「「「「「おー!」」」」」 久「よし、今日はここまで。それじゃ須賀君、いつも通り掃除戸締り・・・って言わなくてもやってるわね」 京太郎「オラー!」フキフキ まこ「雑用の鏡じゃな」 久「いいえ、部員の鏡よ」 まこ「随分と奴さんを持ち上げるのう」 久「別に持ちあげてる訳じゃないわ。ただ、頑張ってる奴は相応に評価されて然るべき。これ、私の持論ね」 まこ「ほう・・・」 咲「部長さん、染谷さん、お疲れ様でしたー」 久「お、今日は特別特訓やらないんだ」 咲「はい、京ちゃん用事があるらしくて」 和「宮永さん、途中まで一緒に帰りましょう」 咲「うん!」 久「それじゃ、私達も帰りましょうか」 まこ「じゃな」 京太郎「ふいー、終わった終わった」 京太郎「・・・で、話ってなんだよ。優希?」 優希「・・・最近、部活が終わった後。咲ちゃんとずっと一緒にいるじょ」ムシャムシャ 京太郎「ああ、麻雀の特訓だよ。お前も知ってるだろ?」 優希「ちょーしのんな」ボリボリ 京太郎「は?」 優希「高々雑用係程度が、調子に乗るなって言ってるんだじぇ」 京太郎「・・・雑用係が強くなりたいと思っちゃいけねえのかよ」 優希「ダメだじぇ。雑用係は雑用係らしく、雑用だけやってればいいじぇ」 京太郎「言うじゃねえか、嫌な事でもあったか?」 優希「最近の犬は、見ててイラつくって言ってるんだじょ。だから・・・」 優希「今!ここで!!もう一度主従関係を一から叩きなおしてやるじぇ!!!」ドカッ 京太郎「上等だ、やってやるよ!」ドカッ 優希「・・・東場だけだじぇ」 京太郎「ああ、好きにしやがれ」 優希「・・・それじゃ、サイコロを振るじぇ」 コロコロコロ・・・ 京太郎「出たか・・・親はお前だ」 東一局 優希「・・・」バリボリ バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 優希「・・・」 バシッ 京太郎「それにしても、今日はまた随分と買い込んでるじゃねえか」 ピシッ 優希「・・・お前を、二度とこの卓に上がらせないためだじぇ」 バシッ 京太郎「上等、やれるもんならやってみやがれ」 ピシッ 優希「言われなくても、へし折ってやるじょ」 バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 優希「それ、ロンだじぇ」 京太郎「なっ・・・」 パタタタタ・・・ 優希「清一色、ドラ2。倍満で24000点だじょ」 優希「ヌル過ぎるじぇ・・・やっぱり、犬は犬だじぇ」 京太郎「クソッ、言ってろ!」 東一局一本場 優希「ロンだじぇ。平和のみ」 東一局二本場 優希「ロンだじぇ。一盃口のみ」 東一局三本場 優希「ツモだじょ。撥のみドラ1」 東一局四本場 京太郎「・・・っ」 ピシッ 優希「それも、ロンだじぇ。七対子」 京太郎「よお、点数がマイナスになっても続けてくれんのはハンデかい?」 優希「違うじぇ。お前がもう二度とこの卓に着けないように、徹底的に壊してるだけだじぇ」 京太郎「・・・そりゃ、ありがたい話だ」 優希「さ、五本場だじぇ」 東一局五本場 京太郎「通らばリーチ!」 優希「それ、ロンだじょ。」 東一局六本場 京太郎「リーチだ!」 ピシッ 咲「そういうことだよ、京ちゃん。天狗になるのは私を半荘でのしてからにした方がいいんじゃないかな?」 京太郎「畜生、いつか絶対ブッ倒してやるからなああああああああああああああああ!」メラメラ 咲「べーだ!後30年は絶対倒されてあげないもんね!」 優希「まだ!まだ足りないじぇ!もっともっと火力上げて強くなってやるじぇええええええええええ!」ゴウゴウ まこ「・・・なんか、また部室の気温が上がった気がするんじゃが」 久「熱源が一個増えちゃったからねー。部としてはいい事なんだけど」 久「よし、今日の部活はここまで!」 まこ「お疲れ様、じゃなー」 優希「まだだじぇ、まだやれるじぇ・・・」 和「でももう部活の時間終わりですし、帰りましょう?」 京太郎「優希、まだやれるんなら家でネット麻雀の○和って奴やってみたらどうだ?俺もやってるけど中々勉強になるぞ」 優希「ネト麻・・・その手があったじぇ!い・・・京太郎!お前ログインは何時くらいにやってるんだじょ!?」 京太郎「俺か?俺は22時くらいに南家サーバーに居るけど」 優希「よーし分かった!そうと決まればさっさと帰って麻雀だじぇ!お疲れ様だじぇえええええええええ!」ダダダダダ 和「優希、凄いやる気ですね・・・私も負けてられません」 まこ「あー、ワシはああいうのキツイなぁ、年齢的に」 久「アンタまだあの子らと一個違いでしょうが。須賀君達、今日も秘密特訓は」 咲・京太郎「「やります!」」 まこ「おーおー、燃えとる燃えとる」 久「・・・言うと思った。それじゃ、後よろしくー」 バタン 京太郎「さぁ、咲・・・やろうぜ!」 咲「うん、いつでもいいよ京ちゃん」 東一局 京太郎「それじゃ、俺の親からだ!」 ピシッ 咲「ね、京ちゃん」 ピシッ 京太郎「なんだよ?」 ピシッ 咲「・・・優希ちゃんと、何かあったの?」 ピシッ 京太郎「麻雀で泣かせちまった。んで、タコス貰った」 ピシッ 咲「全く脈絡がないよ・・・でも、なんとなく分かった」 ピシッ 京太郎「アイツ最近めちゃくちゃ頑張ってるからな、俺ももっと頑張らないと!」 ピシッ 咲「・・・私も、頑張らなきゃ」 ピシッ 京太郎「おいおい、清澄のキャプテンが部員に遅れをとってどうすんだよ?そら、リーチだ!」 バシッ! 咲「そう・・・だねっ!」 ピシッ 京太郎「流石に一発じゃ振り込んでくれないか・・・!」 ピシッ 咲「今日は私、京ちゃんに一回たりとも振り込む気はないよ!」 ピシッ 京太郎「ああそうかよ!だったら自分でツモるだけだ!」 ピシッ 咲「京ちゃんに出来るかな?」 ピシッ 京太郎「出来なくってもやるんだよ!」 ピシッ 咲「それ、ロンっ!」 京太郎「げっ!?」 パタタタタ・・・ 咲「三暗刻、ドラ2・・・満貫、8000点だよ!」 京太郎「うお、予想と全然違う?」 咲「まだまだだねー♪」 京太郎「くっ、咲の剛運を舐めてはいけないということか」 咲「さ、次は私が親だよ!」 京太郎「っしゃこい!」 東二局 咲「~♪」 ピシッ 京太郎「えらくご機嫌だな」 ピシッ 咲「あのね、今日駅前のクレープ屋さんに新しいメニューが出たんだよ!」 ピシッ 京太郎「ほうほう、それでこれが終わったら食べに行こうと胸を躍らせてる訳ですか」 ピシッ 咲「うん!とっても美味しそうだから、ホントは皆も誘いたかったんだけど・・・忙しそうだったし。リーチ!」 パシッ 京太郎「俺でよければお伴致しますよ、姫」 ピシッ 咲「うむ、苦しゅうない!・・・なんて、京ちゃんならそう言ってくれると思ってたんだけどね」テヘ ピシッ 京太郎「じゃあ俺は咲にまんまと振り込んじまった訳だ」 ピシッ 咲「ふっ、まだまだだねー」 ピシッ 京太郎「じゃあそろそろ俺も反撃かな・・・ツモ!」ピッ パタタタタ・・・ 京太郎「門前ツモ、平和タンヤオドラ1で親から2600、子から1300点だ!」 咲「むー、京ちゃんが私のリーチをかわすなんて」 京太郎「侮り過ぎだぜ、このまま寝首を掻き切ってやる!」 咲「・・・じゃあ、これで勝った方が新クレープ奢りってことで」 京太郎「ちょっ、それお前超有利じゃ」 咲「さ、次は京ちゃんの親だよっ!」 東三局 京太郎「・・・なぁ咲」 ピシッ 咲「んー?」 ピシッ 京太郎「その新クレープっての、どんな奴なんだ?」 ピシッ 咲「『サンクチュアリ大車輪クレープ』だよ。普通のよりちょっと大きめで、色んなクリームが43種類以上入ってるの」 ピシッ 京太郎「へー・・・体脂肪」ボソッ ピシッ 咲「う゛・・・」 パチッ 京太郎「糖分、脂質、炭水化物」ボソッ ピシッ 咲「は、原村さんみたいになる可能性だって」 パチッ 京太郎「無いな。まず無い」 ピシッ 咲「京ちゃんひどーい!」 ピシッ 京太郎「大体咲は元々インドア派なんだから、あんま喰い過ぎるもんじゃねーぞ?」 ピシッ 咲「私だって甘いものくらい好きに食べたいよー」 ピシッ 京太郎「慢性的運動不足・・・リーチだ!」 バシッ 咲「その分頭使ってるからいいの!」 ピシッ 京太郎「どうだかな!」 ピシッ 咲「もう、京ちゃんの意地悪!」 ピシッ 京太郎「そこ、ロン!」 咲「えー!?」 パタタタタ・・・ 京太郎「リーチ、タンヤオのみで3900点だ!」 咲「・・・って、ドヤ顔で言う役じゃないよそれ」 京太郎「うるせえ、咲から初めて2局連続で取ったんだ。今はこれが精一杯なんだよ!」 咲「む、確かに2局連続で和了られてるね・・・」 京太郎「さぁ、連荘だ・・・このまま抉り切ってやる!」 東場三局一本場 咲「それ、ロンだよ!」 京太郎「ぐぇ!?」 パタタタタ・・・ 咲「リーチ一発三色同順ドラ1、裏ドラまでーー乗ってハネ満!12300点!」 京太郎「ぐおお、俺のリードが一瞬にして消えた・・・!?」 咲「さ、次は私の親だよ京ちゃん」 京太郎「くそ、次で倍返しだ!」 東場四局 咲「・・・っ」 ピシッ 京太郎「・・・これか!」 ピシッ 咲「んー、半分当たりかな。リーチ!」 バシンッ 京太郎「このっ!」 ピシッ 咲「京ちゃん、甘い!」 ピシッ 京太郎「じゃあ・・・これならどうだ!通らばリーチ!」 バシンッ 咲「・・・残念!それ、ロンだよ」 パタタタタ・・・ 咲「メンタンピンドラ1。満貫で11600点頂戴しますっ!」 京太郎「クソっ・・・!当たりって言ったじゃねーかよ、ハメやがったなー!」 咲「当たり牌って意味だよ、まだまだだね、京ちゃん。満貫御馳走様ですー♪」 京太郎「く、ムカつく・・・!次で三倍返しだ!」 咲「さ、連荘だよ・・・麻雀って、楽しいよね!」 京太郎「ああ、最高だ!」 その頃、部長宅 『・・・本気か?』 久「うん、本気も本気よ」 『そんなことをすれば奴さんがどうなるか・・・』 久「あの子は強いよ、多分なんとかなるわ」 『それにしたって分が悪いじゃろう』 久「分の悪い賭けはお嫌いかしら?」 『好きじゃないのう・・・そもそも、実行するのはワシなんじゃし』 久「私は好き。・・・じゃ、そういう事でよろしく」 『へいへい・・・全く、とんだ横暴部長じゃ』 駅前のクレープ屋 咲「さて京ちゃん。辞世の句は読まなくていい?」 京太郎「四局目 どうしてあれが 当たり牌」ガックリ 咲「それ川柳だよー。あ、このサンクチュアリ大車輪クレープ2人分下さい!・・・恋人割で」 店員「かしこまりましたー」 京太郎「恋人割にしてくれるのは優しさでしょうか」 咲「勝者の余裕、だよっ」 店員「お会計はお連れの彼氏様でよろしいんですか?」 京太郎「・・・はい、そうです」 店員「はい。ではお釣りを・・・」 京太郎「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ・・・予想外の出費だ」 咲「悔しいでしょう、そうでしょう」フフン 京太郎「ちなみに、あの手牌。咲だったらどうする?」 咲「今からじゃ何言っても結果論だけど・・・あの2手前にイーピン切ったので大体分かったかな」 京太郎「あー、そこか・・・くそっ」 咲「まぁまぁ、ミスをミスだと気付けることが上達への第一歩だよ」 京太郎「次は、次こそは勝ち越してやる!」 咲「京ちゃんはまずトバされないようにしないとねー」 京太郎「・・・ですねー」 店員「お待たせしましたー」 咲「あ、きたきた」 京太郎「oh、これまたジャイアントな・・・」 咲「それじゃ、いただきまーす」 京太郎「ん。ちゃんとスプーン使って、良く噛んで食えよ」 咲「そこまで子供じゃないよー・・・はい京ちゃん、あーん」スッ 京太郎「なっ!?」 咲「どうする?当たり牌だよー?」フリフリ 京太郎「ここは攻めるっ!」グワッ 咲「なんちゃって」パクッ 京太郎「ぐ・・・半分分かってたのに釣られてしまった・・・悔しい・・!」 咲「あまーい♪・・・やーい、京ちゃんのチョンボー責任払いー」ベー 京太郎「くそっ、それでも俺は自分のクレープを背筋伸ばして食べるだけだっ!」ガツガツ 咲「ちょ、行儀悪いよ」 京太郎「うるせぇ!男の期待を裏切られるより幾分マシだ!」ゲフッ 咲「あーもう、ほっぺにクリームついてるってば」フキフキ 京太郎「そこで普通に備え付けのペーパーナプキン使っちゃうあたりこの子分かってねぇなーと思います」 咲「京ちゃんの歪んだ常識なんて知りませんー」パクパク 京太郎「今日は完敗だな・・・」 咲「そうでもないよ、京ちゃん初めて2連続で和了ったんでしょ?」 京太郎「俺が完敗だと思ったら完敗なんだよ。・・・次は勝つ!」 咲「うん、その意気だよ京ちゃん!」グッ 京太郎「応援してくれる気持ちは嬉しいからクレープ持ったままガッツポーズはやめような、ちょっと飛んだぞ」ベチャ 咲「ごめんなさい」フキフキ 京太郎の家 京太郎「くそー、相変わらず強いなぁ咲の奴」 ヴーッ、ヴーッ 京太郎「メールか・・・」 【差出人:染谷まこ 件名:麻雀しようや】 【本文:自分が清澄のお荷物でないと思うなら、土曜日に駅前に来んさい・・・】 【別に逃げても責めんけんのう、安心せえよ(注:長丁場になるけぇ、親御さんには言っときんさい)】 京太郎「これは・・・・・・喧嘩売られたってことでいいんだよな?」 京太郎「長丁場?上等じゃねぇか・・・その喧嘩買ってやる!」 京太郎「よっし、グダってる暇なんかねぇ!麻雀だ!」 カチカチ 京太郎「○和、○和っと・・・ん?この【タコタコス】って・・・」 kyou おい、お前タコスか? タコタコス 見ればわかるじぇ。只今武者修行中だじぇ kyou だよな。ちょっとやろうぜ タコタコス かかってこいだじぇ 京太郎「よし、そんじゃいっちょやるか優希!」ギュッ 土曜日 京太郎「さて、駅前に来てみたはいいものの・・・」 まこ「おー来た来た。京太郎、こっちじゃぞー!」 京太郎「あ、染谷先輩。何ですかあのメール」 まこ「そりゃ、お前さんに喧嘩売っとるんじゃよ」 京太郎「・・・いいですよ、やりましょう」 まこ「ハッ、その意気やよし。さ、着いてきんさい」 京太郎「電車に乗るんですか?」 ゴォォォォォォォー 雀荘 支配人「・・・電子機器と貴重品はお預かりします」 まこ「ん」ポイッ 京太郎「は、はぁ」 まこ「さ、この奥じゃ」 ギィィィィィィィィ・・・ まこ「・・・ここじゃ」 京太郎「薄暗いとこですね」 まこ「まぁ、座れや」ドカッ 京太郎「・・・はい」ドカッ まこ「今からやる麻雀はちょいと特殊でな、先に説明しておかなきゃいかん事があるんじゃ」 京太郎「特殊?」 まこ「そう・・・耐久麻雀じゃ。簡単に言えば・・・サドンデスじゃな」 京太郎「てことは・・・」 まこ「そう、トぶまで続けるッちゅうことじゃな。場は東固定。流局は4人打ちの時と同じ、親が18枚ツモった時点で流局じゃ」 京太郎「いいですね、分かりやすいです」 まこ「4人用の卓を二人で使うからのう、ルールは基本二人のそれじゃが・・・ツモは禁止じゃ」 京太郎「・・・ツモでトぶのを防ぐ戦法を防止するためですか」 まこ「そういうこっちゃ。ま、要はワシとお前さんで25000点の奪い合いをするっちゅーわけじゃな」 京太郎「ノーガードで殴り合いッスか・・・面白そうですね!」 まこ「じゃ、始めよか」チャッ 京太郎「メガネ、外すんですか」 まこ「当然、最初からトップギアじゃ。・・・怖いか?」 京太郎「誰が!」 まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「うん、よく鍛えられとる。咲ちゃんに感謝せんとな」 ピシッ 京太郎「・・・ありがとうございます」 ピシッ まこ「それじゃ、そろそろ行くけ・・・リーチ!」 バシンッ 京太郎(来たか・・・でも、絞れないリーチじゃない!) ピシッ まこ「・・・ほぉ」 ピシッ 京太郎「どうかしました?」 ピシッ まこ「随分とまぁ・・・怯えが無いのう」 ピシッ 京太郎「そりゃ、鍛えられてますから」 ピシッ まこ「だが、その勢いがどこまで続くかのう?」 ピシッ 京太郎「勝つまでですよ!・・・俺もリーチ!」 バシンッ まこ「ええ面構えじゃ!」 ピシッ 京太郎「染谷先輩こそ!こんな雀荘に入れるなんて知りませんでしたよ!」 ピシッ まこ「まぁな!」 ピシッ 京太郎「貰った!それロン!」 パタタタタ・・・ 京太郎「メンタンピン!3900点だ!」 まこ「おお、先手を取られてしもうた」 京太郎「このまま・・・一気に抉り取る!」 まこ「怖いのう・・・じゃが、お前さんにも存分にワシを怖がってもらうき・・・」ニタァ 京太郎「・・・・・・っ」ゾクッ 東二局 ピシッ 京太郎「くっ、違ったか」 ピシッ まこ「それ、ロンじゃ」 パタタタタ・・・ まこ「ピンフのみドラ1で2900点・・・ま、クソ役じゃな」 京太郎「それじゃ俺は倒せませんよ、染谷先輩!」 まこ「さて、どうかのう?」 東三局 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・くっ、リーチ!」 ピシッ まこ「ああ、言い忘れとったがワシはこの耐久麻雀、負けたことないんじゃ」 ピシッ 京太郎「じゃあ俺が一人目ですね・・・光栄です!」 ピシッ まこ「だといいがのう・・・さて、これは?」 ピシッ 京太郎「・・・」 ピシッ まこ「そうよなぁ、和了れんよなぁ・・・そして今打った牌、ロンじゃ」 京太郎「ぐっ!」 パタタタタ・・・ まこ「一盃口、ドラ1で3900。連荘じゃ」 京太郎「あの、染谷先輩」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「ちょっと喉乾いたんで飲み物買って来たいんですけど・・・」ガタッ まこ「何を腕の皮の生っ白いこと言っとるんじゃ?」 京太郎「え?」 まこ「言ったろ、『この麻雀はどちらかがトぶまで終わらん』って」 京太郎「耐久麻雀って、まさか・・・」 まこ「そう。終わるまでは飯も外の空気を吸う事も喉を潤す事も寝る事も許されん麻雀じゃ!」 京太郎「・・・っ!」 まこ「ただ一つ、逃げる方法はある。・・・部屋の両隅にあるボタンの、自分側のを押せばええ。押した方の負けじゃ・・・」 まこ「尻尾巻いて無様に逃げればええ」 京太郎「誰が押すんですか、そんなボタン!」ドカッ まこ「言うと思ったわ・・・後悔するなよ?」 京太郎「しません!」 「ロンだ!」 「ロンじゃな」 「ロン!」 「それ、ロンじゃ」 「それロン!」 「ロンじゃ!」 ・ ・ ・ 10時間経過・・・東百十六局 京太郎「ハーッ、ハーッ・・・!」 まこ「・・・お前の親番じゃぞ」 京太郎(くそ、喉が渇いて死にそうだ!頭もクラクラする!しかも・・・染谷先輩が段々強くなってる!) 京太郎「俺の・・・ツモ、ですね?」 まこ「そうじゃ」 京太郎「・・・」 パシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「っ・・・」フラッ パシッ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パシッ まこ「ロンじゃ」 京太郎「ぐぅっ・・・!」 まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パシッ まこ「ロンじゃ」 京太郎「ぐぅっ・・・!」 まこ「ピンフドラ1、2900点・・・これで、またほぼ振り出しに戻ったのう」 京太郎「畜生っ・・・!負けてたまるか・・・!」 まこ「最初の威勢はどうした、京太郎?」 京太郎「今からお見せしますよ、染谷先輩・・・!」 まこ「おお好きなだけ見せとくれ、お前さんの虚勢を!」 「ロン!」 「ロンじゃ」 「・・・ロン!」 「そこもロンじゃ」 「・・・・・・っロン!」 「おいおい、勝手にバテんでくれよ・・・?ロン」 ・ ・ ・ 18時間経過:東二百十六局 京太郎(ヤバい、意識が・・・!) 京太郎「・・・」カクン まこ「京太郎、お前のツモ番じゃぞ?ふむ、寝とるな・・・むしろ今まで持っただけ褒めるべきかのう」 まこ(実力は完全に伯仲・・・いや、若干奴さんのが上とさえいえるかの) まこ「・・・支配人、目覚まし持ってこい」 『ハッ・・・』 京太郎「Zzz・・・」 支配人「・・・」スッ バシャァァァァァァァァァァァァァァァッ! 京太郎「ぐああああああああああああああああああああああああっ!?」ビクッ まこ「いい目覚ましじゃろ?バケツ大盛り一杯、55℃の熱湯じゃ・・・さ、続けるぞ」 まこ「あぁそう、これを5回浴びても起きなかった場合は強制的に負けじゃ、精々気を付けぇよ」ニタァ 京太郎(熱い!クソッ、一体何がどうなって・・・あ、そうか、俺、まーじゃんしてたんだ) 京太郎「染谷・・・まこっ・・・!」ギリッ まこ「ハッ、まるで獣の目じゃな。それじゃあワシには勝てん」 京太郎「この野郎っ!」 「ロ、ン・・・」 「ロンじゃ」 「そこもロンじゃ!」 「甘いのう、それもロンじゃ!」 「ぐがっ・・・!ロン!」 「それもロンじゃなぁ!」 ・ ・ ・ 22時間経過:東二百五十九局 京太郎「・・・」フラフラ パタッ・・・ まこ「・・・」 ピシッ 京太郎「・・・」 パタッ・・・ まこ「京太郎、聞け。返事はせんでええ」 ピシッ 京太郎「・・・?」 パタッ・・・ まこ「今、大勢がワシにあるのは理解できるな?・・・そこで、提案じゃ」 まこ「今、あのボタンを押せばここから出してやる。あったかい飯も、冷たい水も、ふかふかの布団も好きなだけ使わせてやる」 ピシッ まこ「・・・どうじゃ?ワシとしても清澄高校唯一の男子麻雀部員のお前をこれ以上追い詰めたくない」 まこ「ここはひとつ、次に生かすための負けとして受け入れるのは」 京太郎(飯・・・水・・・布団・・・くそ、眠ぃ・・・あの、ボタンを押せば・・・) まこ「ここまでよく頑張った。お前は十分強い、もう頑張らんでもええ」 京太郎(頑張らなくても、いい・・・?)フラッ まこ(奴さん、ここまでじゃな・・・) 京太郎(ボタン・・・これを押せば、ああ、眠ぃ・・・)フラフラ 『京ちゃん!』 『悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪いよ!』 『京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん!』 京太郎「ふっーーーーーー」 『麻雀って……楽しいよね!』 京太郎「っっっっざけんなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ガァンッ まこ「!?」ビクッ 京太郎「あ゛ー、やっとスッキリした・・・染谷先輩、お待たせしました。続けましょう」フラフラ まこ「おまっ、壁に思いっきり頭打ち付けるなんて何考えとるんじゃ!血がドバドバ出とるぞ!?」 京太郎「目覚ましです・・・続けましょう」 まこ「お前さん・・・最悪死ぬぞ?」 京太郎「死んだっていい、構うもんか・・・座れよ、染谷まこ。俺は、俺はまだこの勝負を降りる訳にはいかねぇんだ!」 まこ(フッ、乗り越えたか・・・久の言った通りじゃのう) まこ「あー、お前さんの覚悟はよーく分かった。じゃから勝負はここでーー」 京太郎「怖いのか?」 まこ「・・・あ゛?」 京太郎「急に喋り出したから降参すんのかと思ったら、さっきからちっとも自分のボタンに手をつけようとしねぇじゃねぇか・・・」 京太郎「それってつまり、俺が押せってこったろ?」 京太郎「俺に負けるのが、不敗伝説を破られるのがそんなに怖いのかよ・・・染谷先輩!」 まこ「人の老婆心も知らんと、随分とズケズケ言ってくれるのぉ、若造が・・・!」ゴウッ 京太郎「口つぐむのは老人だけで十分だ!」 まこ「・・・もう本気で怒った。どうなっても知らんぞこんくそガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 京太郎「そのくらいなきゃ勝負にならねぇよ!」 「ロンッ!」 「ロンじゃっ!」 「甘ぇよ!そこロン!」 「それもロン!」 「ロン!」 「ロン!」 「ロンだっ!・・・さぁ、連荘だぜ!」 ・ ・ ・ 24時間経過:東二百七十六局 京太郎「あ゛ー・・・クソッ」フラフラ まこ「くぅ・・・」フラッ 京太郎「・・・染谷先輩の、親だな」 まこ「ワシの分析麻雀を掻い潜った上で更に攻め込み、ここまで追い込んだ・・・認めちゃる。お前さん、大した奴じゃ」 ピシッ 京太郎「だからどうした。まだ勝負はついてねーぞ・・・!」 バシッ まこ「だがな、人間心よりも体の支配が強いんじゃ」 ピシッ 京太郎「・・・」 バシッ まこ「血を流し過ぎたのう。早くワシにトドメをささにゃ、お前さんもうじき確実にぶっ倒れるぞ」 ピシッ 京太郎「だったらっ・・・この局で和了るだけだ!」 バシンッ まこ「ああそうじゃな、今のお前さんならその力もある。実力はワシより上じゃからな、まともに打ち合えば間違いなく和了れるじゃろう」 ピシッ 京太郎「まさか、アンタ・・・!」 バシッ まこ「あぁ、お前さんの想像どおりじゃ・・・悪いが、この局はベタ降りさせてもらうき」 まこ「この耐久麻雀、如何に点数で下回っていようと最後に立っていたほうの勝ちじゃからな」 ピシッ 京太郎「ぐっ・・・!」 バシッ まこ「勝つための手段じゃ・・・卑怯とは、言わんよな?」 ピシッ 京太郎「ったりめーだろ・・・それがアンタの戦法なら、俺は喜んで挑戦する!」 バシッ まこ「須賀、京太郎か・・・お前さんと打てて楽しかったよ」 ピシッ 京太郎「その言葉は俺が勝つまでとっといた方が良いですよ、先輩・・・!」 バシッ まこ「・・・さ、次はお前さんじゃ」 ピシッ 京太郎「・・・っ」 バシッ まこ「苦しそうじゃのう」 ピシッ 京太郎「リー・・・チッ!」 バシンッ! まこ「ハッ、予言してやる。そのリーチは不発に終わるけぇ」 ピシッ 京太郎「言ってろ・・・!」フラフラ バシッ まこ「本当に・・・アホじゃのう」 ピシッ 京太郎「俺は、和了る・・・!そこ、ポン頂き!」 バシッ まこ「いーや、和了らせん!」 ピシッ 京太郎「和了る!」 バシッ まこ「絶対に和了らせん!」 ピシッ 京太郎「絶対に、和了ってみせる!それポンだ!」 バシッ まこ「ワシの誇りにかけて、この局は流す!」 まこ(和了る和了ると急に元気を取り戻しおって・・・相当和了りやすい手を持ってると見たき) ピシッ 京太郎「っ・・・!」フラッ パタッ・・・ まこ「・・・!」 ピシッ 京太郎「くっ・・・!」 パタッ・・・ まこ「そろそろ、じゃな。せめてリーチせんどけばよかったものを」 ピシッ 京太郎「うるせぇ、俺の麻雀だ・・・!」 パタッ・・・ まこ「おー、今のうちに吠えろ吠えろ。後3分もせん内にお前さんは倒れ、ワシの不敗記録は更新されるからのう」 ピシッ 京太郎「させる、かっ・・・!」 パタッ・・・ 京太郎「ぐぅっ!?・・・ぁ・・・」ドサッ まこ「・・・ついに座っても居られんくなったか。後腐れないように、早めに引導渡しちゃるけーのお」 まこ「これで・・・死にさらせやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 バシィィィィィン! 京太郎「・・・」 まこ「これで流局・・・終わりじゃな。京太郎、お前さんの負けじゃ」 ガシッ まこ「なっ!?」 京太郎「いいや・・・」 ズルッ・・・ まこ「馬鹿なっ、そんな事があるのけ!?」 京太郎「俺の・・・」 京太郎「俺の・・・勝ちだ・・・!」 バンッ 京太郎「ーーロン。混老頭、トイトイ・・・ドラ2、河底撈魚で・・・12000点、ハネ満」 京太郎「アンタの、トビ、だ・・・」ドシャッ まこ「・・・ハァ。もう呆れたわ・・・分かった分かったワシの負けじゃ」 まこ「しかしここに来て一番危なっかしい混老頭とは読めんかったな・・・」 まこ「深読みし過ぎたか、いや今回が偶然で元から読める手じゃなかったか・・・京太郎?」 京太郎「・・・・・・」ゲー まこ「うわ、こいつ寝ゲロしとる」 京太郎「・・・・・・」 まこ「ったく、締まらんなぁ・・・よいしょ」グィッ まこ「重っ・・・くそ、完全に気絶しとるなこれ」 まこ(ボタン・・・負けを認めた方が押すんじゃったな) カチッ ブーーーーーーーーーーーーーッ まこ(あ、これ、アイツとの勝負に夢中で気付かんかったけど、ワシもそろそろ・・・げん、か・・・)ドサッ ギィィィィィィィッ 支配人「・・・・・・終了いたしましたか」 支配人(ほとんど使ってない部屋とはいえ、出来れば店は汚してほしくなかったですね) 支配人(男のゲロとか一番嫌な類です) 支配人(いやマジで) とある公園 京太郎「・・・ぅおっ!?」ガバッ まこ「やーっと起きたか」 京太郎「し、勝負は!?ていうか今何時だ!?」 まこ「今は日曜の夜9時・・・勝負はお前さんの勝ちじゃ。本気で死ぬまで打つ気だったんか貴様」 京太郎「そう、か・・・俺、勝ったのか・・・ハハ」 まこ「ああ。店の中で寝ゲロした上で、かよわい女の子にゲロぶっかけよってな」 京太郎「あれ、頭の傷・・・」サスサス まこ「あれは切り傷。血が多く出ただけで、きちんと消毒すれば前髪で隠れる程度のもんじゃ」 まこ「まったく訳のわからん自傷行為に走りおって・・・」 京太郎「し、仕方ないでしょう!」 まこ「ああ、全く負けた方が何言っても遠吠えじゃあ。それじゃ、負け犬はそろそろ帰るとするけぇ」 京太郎「・・・」 まこ「・・・次は負けん」 京太郎「俺も、負ける気ないです」 まこ「勝手に言っとき。この麻雀狂いめ・・・それじゃーの」スタスタ 京太郎「ハハハ・・・って、日曜の夜9時ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」 まこ「・・・チッ」ビュンッ 京太郎「ちょっ、俺家からとんでもない数の電話とメールが来てるんですけど!?染谷先輩!?染谷まこ先輩ー!?」 京太郎の家 京太郎「あ゛ー、超絞られた・・・ただでさえ疲れてんのに」フラフラ ボフッ 京太郎「やべ、布団超気持ちいいー・・・ん?」 ピリリリリリリリリッ!ピリリリリリリリリッ! 京太郎「そうですか、後1イベント残ってましたか」 ピッ 『京ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!』 京太郎「ハーイ、こちら須賀京太郎。聞こえてるからなるべく小さな声で喋ってくれると嬉しいな」 『ふざけてる場合じゃないでしょ!』 『京ちゃんのお母さん「遅くなるとは言ってたけど、ここまで遅いなんて・・・」って本気で心配してたんだよ!?』 京太郎「あー、それについてはまた今度・・・てか普通にウチの親と会ってるんだな」 『また今度じゃないのっ!私だって・・・とっても、心配で・・・』グスッ 京太郎「・・・悪かったよ、だから泣くなって」 『・・・・・・だって、京ちゃんにメールしても全然返って来ないのなんて初めてだから、どうしたらいいかわかんなくて・・・』 京太郎「・・・咲、お前ひょっとして「京ちゃんからメールが返ってこないんです!」」 京太郎「とか言って涙目でド○モショップに駆けこんだりしてないよな?」 『・・・・・・』 京太郎「で、受付のお姉さんに苦笑されながら「ちゃんと届いてますから、安心してください」」 京太郎「とか言われて急に恥ずかしくなって赤面したりしてないよな?」 『・・・・・・京ちゃんの馬鹿っ!』 京太郎「なんだビンゴか・・・機械不信もここまで来ると特殊能力だな」 『う゛ー、人が折角心配してるのに・・・』 京太郎「咲・・・ありがとな」 『私にお礼言う前に自制心を持ってくれた方が私は嬉しいなー』 京太郎「ハイハイ、善処します。それじゃ、俺疲れてるから切るけど・・・暖かくして早めに寝ろよ」 『だから私そんなに子供じゃないってばー』 京太郎「へっ・・・それじゃー、また学校で」 『うん、また明日、学校でね!』 ピッ 京太郎「あー、疲れた」グッタリ 京太郎「・・・へっくし!」 京太郎「うわー、これ風邪引いちゃったかもなー」 京太郎「明日までに、直さねーと・・・部活に・・・」 京太郎「Zzz・・・」 翌日 ガチャッ 久「おいーっす」 京太郎「こんちはーっす」フキフキ 久「いやー、ホント須賀君が居てくれて助かるわ」 京太郎「雑用的な意味でですか?」 久「ううん。清澄高校麻雀部員的な意味よ・・・早く公式試合やってみたいでしょ?」 京太郎「そりゃそうですよ!」 久「うん、今の須賀君なら結構やれると思うわ・・・でも、一つ気になるのよねぇ」 京太郎「何ですか?」 久「いや、まだ推測の域を出ないんだけどね・・・」 咲「こんにちはー」 京太郎「お、来たなお姫様」 咲「京ちゃんこそ、今日もお掃除大義である!」 京太郎「へへーっ!」 優希「麻雀だじぇー!麻雀をさせるじぇー!」ガルルル 和「あら、今日は染谷先輩は?」 久「・・・体調不良で欠席。まぁ私の責任も多少あるけど・・・」チラッ 京太郎「!?」ドキッ 咲「?」 久「それじゃ、今日も部活始めましょうか!」 「「「「はいっ!」」」」 京太郎「今日だけ出れば、今週は明日から連休だなー」 ピシッ 咲「京ちゃん、連休中も部活来るよね?」 ピシッ 京太郎「おいおい、俺が来ないはずないだろ」 優希「・・・私も来るじぇ。京太郎だけには負けられんじぇ」 ピシッ 和「私も、というか麻雀部の皆さんは何も言わずとも全員来ると思いますが」 ピシッ 京太郎「だよなー。最近麻雀より楽しい事が見当たんねぇし」 ピシッ 咲「そうだね・・・ね、京ちゃん。『あの』アイスって言って分かる?」 ピシッ 京太郎「あのアイス?なんじゃそら」 優希「・・・!咲ちゃん、その事をどこで聞いたんだじぇ?」ピキーン パシッ 咲「噂話なんだけど、優希ちゃんも知ってるんだ?」 和「何のことです?」 ピシッ 久「ああ、アレね・・・都市伝説じゃないの?」 優希「いーや、そうとも言い切れないじぇ。手に入れるチャンスはきっとあるじぇ」 咲「あー、一回でいいから食べてみたいなぁ。ショフトクリーム」 ピシッ 京太郎「ソフトクリーム?その辺に売ってあるのを買えば・・・」 ピシッ 優希「ソフトクリームじゃないじぇ!ショフトクリームだじょ!」ドンッ バシッ 咲「それロン!三暗刻、嶺上開花、ドラ2!」 優希「ぬわーっ!京太郎のせいだじぇ!」 和「どうしてあんな低確率のものがこうポンポンと」 京太郎「ふぃー、危なかったぜ。振り込むところだった・・・そんで、そのソフトクリームは何が凄いんだ?」 優希・咲「「ショ・フ・ト!」」 京太郎「な、なんだよ・・・大して変わんねーだろ、ソフトだろうとショフトだろうと」 和「そこ、重要なとこなんですね?」 咲「うん、とっても重要だよ」 優希「ショフトクリームとソフトクリームは月とスッポン、天と地ほどの差があるじぇ」 京太郎「・・・で、そのショフトクリームは何が凄いんだ?」 久「ショフトクリームって言うのはここら辺一体で噂になってるソフトクリームでね・・・」 久「なんでもあらゆる味覚をカバー出来る極ウマアイスらしいわ」 京太郎「へー・・・」 和「まぁ、単なる噂ですね」 京太郎「だろうな。さ、次は俺の親だぜ!」 ピシッ 咲「京ちゃんには絶対振り込まないよ!」 ピシッ 優希「京太郎にだけは負けんじぇ・・・!」メラメラ ピシッ 和「全部搾り取った上でトバしてあげます・・・!」ガロロロロロ バシンッ 京太郎「お前ら・・・上等じゃねえかあああああああああああああああああああああっ!」 ・ ・ ・ 京太郎「ぶはーっ!やっと半荘終わりか」 優希「大激戦だったじぇ・・・」 和「宮永さん、流石です」 咲「えへへ・・・京ちゃんも頑張ってたと思うよ?」 京太郎「ま、タコスには勝ったからな!」 優希「ぐぅ・・・南場さえなければっ!マジで悔しいじぇ、京太郎め!・・・もう半荘やるじぇ!焼き鳥にしてやるじょ!」 京太郎「おう、上等だ!」 咲「二人とも、もう部活の時間終わりだよー」 久「んー・・・」 和「部長、どうかしました?」 久「須賀君、ちょっといい?」 京太郎「はい?」 久「例えば・・・」カチャカチャ 久「この局面だったら、どれ切る?」 京太郎「えーと、これですかね?」 ピシッ 久「・・・こりゃ重傷ね」 京太郎「へ?」 久「鴛鴦症候群とでも名付けるべきかしら・・・」 優希「重傷?京太郎の腕がアレなのは元からだじぇ、不治の病だじぇ」 京太郎「負けた奴に言われたくねーよ!」 優希「最後咲ちゃんに振り込まなけりゃ勝ってたじぇ!タイマンの成績なら私が上だじぇ!」 京太郎「あーそうかよ!なら次は文句のつけようがないようにトバしてやるよ!」 優希「こっちのセリフだじぇ!」ガルルルル 久「あー、そういうんじゃなくてね・・・須賀君、打ち方が対宮永さんに偏り過ぎなのよ」 咲「私に?」 久「ほら、部活後に宮永さんと二人っきりで麻雀の勉強してたでしょ?」 京太郎「そうですけど・・・」 和「・・・・・・」ギョリリリリリリリリ 優希「和、歯軋りでその音はヤバいじぇ、何かに目覚めてるじぇ」 久「確かに腕自体は格段に上がってるけど・・・癖がついちゃってるのよ」 咲「・・・あっ」 久「例えばさっきの局面、真っ先に槍槓狙いにいったでしょ?」 久「普通はあり得ないわ。あそこならもっと有効な手に出来たはず。でもそれをしなかったのは槍槓が一番有効だと思っているから」 優希「なんか納得できるような、出来ないようなだじぇ・・・」 久「つまり、宮永さんの相手をし過ぎたのが原因よ」 久「牌譜を見ても、ある程度宮永さんの打ち筋に似たような状況の時は全部同じような待ちをしてるわ」 咲「で、でも腕は上がってますし」 久「須賀君。これが原因で実戦に通用しなくても良いのかしら?」 京太郎「・・・っ!」 久「嫌よね。・・・でも、この癖はその可能性も考慮せざるをえないほど重度のものよ。ちょっと研究されたらすぐにバレるわ」 京太郎「どうすれば、いいんですか?」 久「簡単。癖が治るまで宮永さんと麻雀しなければいい」 京太郎「!?」 咲「そんなっ!」 優希「でも、その二人が一緒に居て麻雀をしてない場面が想像できないじぇ」 和「確かに・・・暇さえあれば、麻雀してますもんね」ギリッ 久「そこなのよねー・・・よし!重大発表!」 「「「「!?」」」」 久「須賀京太郎君。連休期間中の部停&宮永さんとの面会禁止を言い渡します!」 咲「京ちゃんが」 京太郎「俺が」 咲・京太郎「「部停の上に面会禁止!?」」 和「部長、ナイス判断です!」グッ 咲「ぶ、部長!いくらなんでも・・・」 久「私としても二人を引き裂きたくは無いんだけどねー」ニヤニヤ 咲「そ、そういうのとは違います!でもやりすぎじゃないですか!?」 久「じゃあ宮永さんに聞くけど、一日中須賀君と一緒に居て麻雀しないでいる自信ある?」 咲「う゛・・・」 久「須賀君は?」 京太郎「・・・無いッス」 久「と、言うわけよ。少しの間宮永さんと離れて強くなる方を選ぶか、それとも宮永さんとずっとやり続けて強くなれない方を選ぶか」 久「どうする?」 京太郎「・・・・・・俺は、強くなる方を選びます」 久「よく言った、それでこそ清澄麻雀部よ。宮永さんも、須賀君が覚悟決めたんだから。妻として付き合ってやりなさい」 咲「京ちゃん・・・」 京太郎「咲・・・俺、強くなりたいんだ」 咲「うん、分かってる。だから、癖が治ったらーーまた、私と麻雀してくれる?」 京太郎「ーーああ、約束する」 久「・・・いや、何も今生の別れって訳じゃないのよ?」 和(ぁぁぁイライラする・・・!)ワギャンワギャン 優希「誰か!今すぐ私の相手するじぇ!早く!早く!」メラメラメラメラ 京太郎「それじゃあ部長。俺は部停期間の間はここに来ちゃいけないんですよね?」 久「ま、そうね。・・・ちょっと耳貸してくれるかしら」 京太郎「・・・?」スッ 久「・・・龍門渕に行きなさい。話は通しといてあげるわ」ヒソヒソ 京太郎「マジですか!?」 久「それが、癖を直しつつあなたを手っ取り早く強くするには最適の手段だからね」 久「・・・前にも言ったけど、私あなたには期待してるのよ?」 京太郎「ありがとうございますっ!」 久「お礼は強くなってから言ってくれた方が嬉しいわ。・・・頑張ってきなさい」 京太郎「はいっ!」 咲「京ちゃん、なんて言われたの?」 京太郎「秘密の特訓だとさ!帰ってくる頃には咲が相手にならないレベルになってるかもしれねぇぜ?」 優希「ないじぇ」 和「そんなオカルトあり得ません」 久「それは厳しいわね」 京太郎「なんか妙に辛辣ですね皆さん」 咲「うーん、期待薄かな」 京太郎「咲まで!そこは嘘でも期待してるって言ってくれよ!」ガーン 咲「アハハ、冗談冗談。・・・それじゃあ期待してるよ?京ちゃん」 京太郎「おう、任せとけ!」 久「では、話もまとまったところで今日の部活はここまで!・・・須賀君、今日は念入りに掃除してってね」 京太郎「了解しましたっ!」 久「それじゃ、私は帰るわねー」ヒラヒラ 優希「帰ってネト麻だじぇ!休んでる暇なんかないじぇ!」 和「宮永さん、一緒に帰りません?」 咲「あ、ごめん原村さん。私京ちゃんともうちょっと話したいから」 和「・・・」イラァ 和「まぁ、連休中はずっと私のターンですし・・・別にいいか」ボソッ 咲「?」 和「いえ。それじゃあ私、先に帰ってますねー」 ガチャッ 京太郎「・・・」ウズウズ 咲「・・・」ウズウズ 京太郎「あー、駄目だ!咲と二人で居ると麻雀したくて体がウズウズする!」 咲「私もー。早く京ちゃんと麻雀したい麻雀したいっ!・・・ってなっちゃうよー」 京太郎「こりゃ部長の言ってた癖もマジっぽいな」 咲「部長さんは、ちゃんと京ちゃんの事考えてくれてるんだよね」 京太郎「ああ、まさか俺の牌譜をずっと見ててくれたとは思わなかったよ」 咲「部長さんもとっても頑張り屋さんだよね」 京太郎「ああ。あの人、表には出さねーけどな」 咲「恥ずかしいのかも?」クスッ 京太郎「かもな!」 咲「・・・明日から、しばらく京ちゃんに会えないのかぁ」 京太郎「ま、そうなるな」 咲「仕方ないけど・・・ちょっと、寂しいかも」 京太郎「ん、寂しい?」 咲「え、京ちゃんは寂しくないの?」 京太郎「だって、咲の声はいつでも聞けるし」 咲「えええええっ!?それって、どうやって」 京太郎「ヒント。お前が身につけてる唯一の電子機器ってなーんだ」 咲「あ、携帯・・・」 京太郎「そーいう事だ。会えなくても、声は聞けんだろ?」 咲「・・・うんっ!」 咲「京ちゃん、私毎日電話するからね!」 京太郎「友達が転校するかのような言い方だな」 咲「やっぱり迷惑、かな・・・?」 京太郎「・・・んなわきゃねーだろ、嬉しいよ」 咲「よかった・・・私が寂しんぼなだけかなって、ちょっと心配になっちゃったよ」 京太郎「俺は俺が居ない間に咲が機械を壊さないかが心配だよ」 咲「む・・・京ちゃんそれは失礼だよー!」 京太郎「どうだかな、俺が電話に出ないからってド○モショップに駆けこんでる絵面が目に浮かぶぜ」 咲「あれはっ・・・初めてだったから混乱しただけで、もう二度としないもん!」 咲「京ちゃん。連休中に絶対、癖治してきてね」 京太郎「あったりめーよ。任せとけって!」 咲「うーん、京ちゃんの任せとけはあんまり信用できないんだよねー」 京太郎「なにおう!?」 咲「・・・頑張れ、京ちゃん!」 京太郎「おう、頑張るぜ・・・そろそろ帰るか。送っていきますよ、咲お姫様」 咲「うむ、苦しゅうない。それじゃ、今日もエスコートよろしくね京ちゃん!」 咲宅前 京太郎「・・・じゃあな、咲」 咲「うん。また、連休明けに・・・」 京太郎「ーーーー」 咲「ーーーーっ・・・」 咲「連休明けに、絶対、麻雀しようね・・・!」 京太郎「・・・よっし!んじゃその時には咲をちょちょいっとのしてやるとするか!」 咲「ほほー、いつもちょちょいっとのされてる京ちゃんが何か言ってますなぁ♪」 京太郎「うるせぇ!絶対倒してやるからなあああああああああああああああああああああ!」ダダダダダ 咲「頑張れ、京ちゃん。・・・・・・・・・頑張れ」 部長宅 ピッ 『けほっ、けほっ・・・』 久「おー、まこ。大丈夫?」 『う゛ー・・・まぁな、ただの風邪じゃから一日休めばなんとか治るき』 久「それは重畳。で、病み上がりのとこ悪いけどまこに聞きたいことがあるのよ」 『・・・なんじゃ?』 久「龍門渕に話を通す時って、どうすればいいのかしら?」 『んなもんワシが知るかっ!』 ガチャッ 久「あー・・・うん、まぁそうなるわよね」 久「須賀君なら多分なんとかなるでしょ!・・・多分」 『なっ、何故ですの!?龍門渕にアポ無し単独の無謀な挑戦者が現れるなど前代未聞』 『それを泊めたとなれば後世に語り継がれるレベルに目立てましてよ!?』 『お前は目立つ事ばかり考え過ぎだ!もう少し自重、警戒せんか!』 京太郎「親父さん、正論だな」 一「ていうか、普通の意見だよね」 『お父様!目立ってナンボ!目立ってナンボですのよ!?』 『どうしても泊めたいのなら厄介者同士、アイツのところにでも泊めておけ!』 『~~~~っお父様は衣の事をまだ・・・話になりませんわ!勝手にそうさせて頂きます!』 『勝手にしろ!・・・まったく、どうしてこう目立ちたがるのか』 バタンッ! 透華「まったく、これだから古い人間は困るのですわ!」 京太郎「いや、親父さん至極まっとうな意見だと思うぞ」 透華「目立てない意見がまっとうな意見な訳ありませんわー!」 一「それは透華がおかしいだけだと思うな・・・僕もコイツが泊まるのは反対だし」 透華「もう、一まで!・・・着いてらっしゃい、こちらなら使っていいと『許可』が出ましたわ!」プンプン 京太郎「あれでいいのか、龍門渕家」 一「まぁ、あれでいいんだよ。・・・多分」 龍門渕邸・別館 ギィィィィィィィィッ・・・ 透華「さ、ここでしてよ」 京太郎「ここも、でけぇな・・・」 一「んー、ここはちょっとあっちとは違う理由で大きいんだよね」 京太郎「違う理由・・・?」 ???「あ、とーかー!」タタタタッ 京太郎(アイツ・・・まさかっ!) 透華「衣・・・この男が少しの間ここで暮らしますのよ」 衣「・・・コイツが?衣と一緒に暮らすのか?」 透華「ええ、そうなりますわ」 京太郎「おい、あれってーー」ヒソヒソ 一「うん、龍門渕女子麻雀部が誇る我らが大将。天江衣だよ」 京太郎「やっぱりか・・・!」 衣「ふん・・・」スンスン 京太郎「な、なんでしょうか?」 衣「あの女の匂いがするな・・・面白い。透華、この男をここに泊めることを許すぞ!」 透華「・・・でしょうね」 衣「あぁ。今夜は久しぶりに・・・楽しめそうだ」ニタァ 京太郎「っ!?」ゾクッ 衣「清澄の。・・・衣の部屋は3階の北だ、待っているぞ」スタスタ 一「あーあ、衣に気に入られちゃったね」ニヤ 透華「さて、清澄の。あなたは今晩ここに泊まってもらいますわ・・・本当は、あまりしたくないのですが」 京太郎「だったら今からでも家に」 透華「そ・れ・は・わたくしのプライドが許さないと言ってますでしょうが!」 透華「・・・それともなんですか、あなたはウチに遊びに来たんですの?」 京太郎「・・・・・・そいつは聞き捨てならねぇな。俺は、強くならなきゃいけないんだ。俺は・・・ここに麻雀しに来てんだよ!」 透華「でしたら、相手の挑発には乗るものではなくって?」 京太郎「ああ上等だ!乗ってやる、乗ってやるともよ!」 一(沸点低いなー) 透華「ふっ、あなたならそういうと思ってましたわ。・・・人が本気かどうかは、目を見れば分かりますもの」 京太郎「俺ァ決めたよ。男子麻雀部を全員倒してーー龍門渕透華!アンタに直接麻雀を申し込む!」 透華「・・・くっ、くくくっ!最高ですわ!一!聞きました!?」 透華「ここを龍門渕と知って尚!わたくしを龍門渕透華だと知って尚!闘志を滾らせて挑んでくる男がまだいましたわ!」 京太郎「あぁ、最高だ!アンタ程さっぱりとした人間は見たことねぇ!・・・この手で抉り取ってやりてぇ位にな!」 透華「その勇気、蛮勇だったと思い知らせてあげますわ!オーッホッホッホッ!」 京太郎「蛮勇が空回りするとは限らねえぜ、龍門渕の女王様ぁ!」 透華「おっと、肝心な事を忘れてましたわ。ーーあなたの名前を聞いておきましょうか」 京太郎「須賀、京太郎だ!」 透華「須賀京太郎・・・気に入りましたわ。あなた、そういう目もできるんですわね」 京太郎「アンタもな、ただの目立ちたがり屋じゃないって訳だ!」 透華「では、京太郎。・・・ここには、牌に愛された者が住んでいます」 京太郎「天江、衣か」 透華「ええ。彼女の実力は知ってますわね?」 京太郎「県大会であれだけ暴れられりゃあな」 透華「・・・彼女と麻雀するもしないも、あなたの自由ですわ」 透華「ーーただ付け加えるなら、衣は決して挑まれた勝負を拒んだりしませんわ」 京太郎「へっ、流石に良い度胸じゃねえか・・・!燃えてきたぜ!」 透華「明日の朝日が昇るまでに、あなたが麻雀を嫌いになっていない事を祈ってますわ」 京太郎「そりゃ、世界が終わるまでありえねーから安心しやがれ」 透華「ふっ・・・では明日、この場所で」 京太郎「ああ、首洗って待ってろよ!」 一(なーんか、息ぴったりだなこの二人・・・一応『人体切断マジック』用の剣研いでおくかな) 龍門渕邸・別館内 バタン 京太郎「さて、まずは」 ハギヨシ「ハギヨシと申します。須賀京太郎様、以後よろしくお願いします」 京太郎「うおっ!?」 ハギヨシ「お風呂場と食堂は一階、寝室は2階~4階のお好きな部屋をどうぞ」 ハギヨシ「分からないことがあれば、いつでもお呼び下さい。では・・・」シュッ 京太郎「今のが、執事って奴か・・・すげー」 京太郎「んじゃ、まずは飯にすっか!」 龍門渕邸・別館 食堂 京太郎「でっか・・・!」 京太郎(毎度のことながらスケールが違い過ぎんだろ、龍門渕) ハギヨシ「こちらがメニューです。鈴を鳴らして給仕係をお呼び下さい」 京太郎「あ、あぁ。どうも」 ハギヨシ「それでは」シュッ 京太郎「あの人、どこにでも来んのか・・・?」ペラペラ 京太郎(それにしても・・・) 『はんばーぐ&えびふらい(たるたるおおもり、ころもあつめ)』『おむらいす』『かれー(あまくち)』 京太郎「どうにも子供向け過ぎるメニューだなおい!」 京太郎「えーと、この鈴鳴らせばいいのか?」チリンチリン 給仕係「はい、お呼びでしょうか」 京太郎「えーと、じゃあこのカレー下さい」 給仕係「承りました」パタタタタ 京太郎「うーん・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「やっぱりこう、広すぎると手に余るっつーか、間が持たねえな。この食堂、一人用ってことはねえよな?」 ハギヨシ「この食堂は基本的に衣様一人でご利用なされます」 京太郎「っ!・・・ってまたアンタか。ホントどこにでも現れるな」 ハギヨシ「執事ですから」 京太郎「てか、一人用でこれかよ・・・」 ハギヨシ「この館は衣様の館ですから」 給仕係「お待たせしましたー」 ハギヨシ「料理が到着したようですので、私はこれで」シュッ 京太郎「消えた・・・んじゃ、食べますか」 京太郎「あー、なんつーかこれアレだわ。ファミレスの味だ」パクパク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「・・・」パクパク 京太郎「・・・」モグモグ 京太郎「・・・」パクパク 京太郎「あれ、なんか泣けてきたぞ」モグモグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京太郎「ごちそうさまでした」パンッ 京太郎「よし、次は風呂だ!」 龍門渕邸・別館 風呂 カポーン 京太郎「ふぃー・・・」 京太郎「良い湯だ・・・」 京太郎「とてつもなく良い湯だ・・・」 京太郎「・・・」 カポーン 京太郎「だあああああもう!広過ぎんだろ!こんな広い風呂に一人で居られるか!俺は天江の部屋に行くぞ!」ザパッ そのころ、龍門渕邸 透華の部屋 一「ねぇ透華」 透華「なんですの?」 一「アイツさ、どうなると思う?」 透華「・・・さぁ、分かりかねますわね」 一「だって、相手はあの衣だよ?」 透華「そうですわね」 一「明日の朝になる頃には、どうなっちゃってるのかなぁ・・・」ニタァ 透華「一。そういう事を考えるならまだしも、口に出すのはおよしなさいな」 一「はーい」 透華(でも、確かに一の言う通り・・・まぁ潰れたらそこまでですけど) 龍門渕邸・別館 3F北側の部屋前 京太郎「この扉の先に・・・」 京太郎(あの、天江衣がいるのか) 衣『そこに居るんだろう、清澄の。・・・入らないのか?』 京太郎「っ!」ブルッ 京太郎「・・・それじゃあお言葉に甘えて、入らせてもらうぞ!」 ガチャッ 衣「ようこそ、衣の部屋へーー楽しませてくれよ?」 京太郎「言われなくても!」 衣「・・・ん?」 京太郎「何だよ、俺の顔に何か付いてるか?」 衣「いや、なんでもない。さぁ始めよう、清澄の・・・サイコロ回れ―!」 コロコロ・・・ 衣「わーい、衣の親番だぁ!」キャッキャッ 京太郎(こうして見ると子供にしか見えねえな・・・) 東一局 衣「~~♪」 パシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 衣「時に清澄の。衣と相対した彼奴は息災か?」 バシッ 京太郎「咲か?ああ、元気だよ」 ピシッ 衣「そうか、それは良い。・・・まだ飽きずに遊べそうだ」 バシッ 京太郎「おいおい、今の遊び相手は俺だぜ?」 ピシッ 衣「・・・・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 ピシッ 衣「なぁ、清澄の」 バシッ 京太郎「何だよ?」 ピシッ 衣「選べ。二度と麻雀出来なくなる方か、それともここで何も言わずに部屋から出るか」 バシッ 京太郎「お前に勝つ方を選ぶ!」 ピシッ 衣「・・・斎斎し。お前はあまりにも乏し過ぎる、凡夫にも劣る下臈だーー今までの打牌で、衣には分かる」 バシッ 京太郎「勝手に人をランク付けしてんじゃねえ!」 バシッ 衣「三流は三流。衣が決めているんじゃない、最初から決まってるんだ」 バシッ 京太郎「っ・・・!」 バシッ 衣「現にお前は和了れていない。今までも、そしてこれからも」 バシッ 京太郎「それは、どうかなっ!」 ピシッ 衣「己の力さえ見えずか・・・見下げ果てた。最早貴様に用は無い」ギラッ バシッ 京太郎(リーチさえできないのは、初めてだなっ!)ゾクッ ピシッ 衣「この世には二種類の人間がいる。牌に愛されたものとそうでないもの」 バシッ 京太郎「ああそうかよ、それでアンタの見立てなら俺はどっち側なんだ!?」 ピシッ 衣「言わなければわからないのか?下臈・・・リーチだ」 バシッ 京太郎「分からねえな!俺は俺の力で引き当てる!」 ピシッ 衣「ここまで分からぬ凡夫が居るとはーー片腹大激痛!」ピッ バンッ 衣「ーーツモ。リーチ一発、メンゼン清一色ドラ2!・・・12000オールだ」 京太郎「んなっ・・・!?」 衣「何をしている、連荘だぞ・・・早く用意しろ」 京太郎(何だ、天江の体が、大きく・・・!?) 東一局一本場 衣「宣言してやる、下臈。お前の親番は久遠に来ず」 バシッ 京太郎「そんな麻雀があってたまるかってんだ!」 ピシッ 衣「そう、これは麻雀じゃない、だから衣も楽しくない。・・・できれば早く終わらせたい」 バシッ 京太郎「そうツレない事言うなよ、なぁ!」 ピシッ 衣「牌に最低限の愛さえ貰えぬ輩になど、少しでも期待した衣が愚かだったか・・・」 バシッ 京太郎「それは俺が決めることだっ!」 ピシッ 衣「いいや、牌が決めることだ。・・・哀れだな」 バシッ 京太郎「憐憫の情でも寄せたいってか!?」 ピシッ 衣「最早その域にすらない。お前は虫だ。・・・リーチ」 バシッ 京太郎「虫は虫で色々怖いらしいぜ、気をつけろよ!」 バシッ 衣「お前の体に微かに薫る友の匂いに賭けてみたが・・・どうやらハズレだったらしい」 パタタタタ・・・ 衣「ロン。九連宝燈、役満。48300点だ」 京太郎「役満だとっ!?」 衣「・・・牌に愛されない者とやると、こうなる。だから衣は三流が嫌いなんだ」 京太郎「くっそ・・・!」 衣「お前は月に唾を吐いた。・・・この程度で済むと思うなよ?」 京太郎「そりゃ、こっちのセリフだ・・・!」 京太郎(大丈夫、こういうのは経験済みだ。ーーだから、だから怯えないでくれ・・・俺!) 衣「・・・」ゴオッ 京太郎「っ・・・!?」 京太郎(天江の体が、なんだよ、これ・・・そんな訳ねえだろ) 京太郎(俺の体が、天江の指一本より小さいなんて・・・) 衣「さぁ、二本場だ・・・微塵も残さん」 東一局二本場 衣「・・・」 バシッ 京太郎「・・・っ」 パシッ 衣「清澄の。もうお前は終わりだーー黄泉に眠れ」 バシッ 京太郎「んなこと、俺が・・・!」 パシッ 衣「ロンッッッッッッッッッ!」ゴオッ パタタタタ・・・ 衣「一気通貫、ドラ3ーー満貫、12600点だ」 京太郎「ぐぅっ・・・!?」 衣「早く次の局の準備をしろ、衣は待つのが嫌いなんだ」 衣「・・・特に、雑魚相手にはな」 京太郎「・・・ぁ・・・!」 京太郎(クソ、クソックソックソックソックソッ!) 東一局三本場 衣「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「人には、向き不向きというものがある」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「清澄の、お前に麻雀は無理だ」 バシッ 京太郎「・・・」 パシッ 衣「最早、話す事も能わずかーー失望したよ」 バシッ 京太郎「負けて、たまるか・・・!」 パシッ 衣「・・・」 バシッ 『連休中に絶対、癖治してきてね』 『頑張れ、京ちゃん!』 『連休明けに、絶対、麻雀しようね・・・!』 京太郎「ここで、お前に負けてたら、俺は・・・アイツに、咲に会えないんだあああああああああああああああああああ!」 バシンッッッ 京太郎(通るっ!) 衣「・・・ロン」 パタタタタ・・・ 京太郎「ーーーーぅっ!?」 衣「ダブ東三暗刻、ドラ2。ハネ満で18900だ」 京太郎「・・・・・・」 衣「無駄だよ。どれだけ猛ろうとお前は牌に愛されることは無い。果敢無い下臈は、ここで風塵と帰すがいい」 京太郎「俺、は・・・」 衣「さ、続きをしよう。ーーお前が、壊れるまで」 東一局四本場 ・ ・ ・ 衣「ーーツモだ。満貫4300オール」 東一局五本場 ・ ・ ・ 衣「ロンだ。ハネ満で19500」 東一局六本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・」 パタッ 衣「ほとほと呆れかえるな・・・ロンだ。7600」 東一局七本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・・・・・」 パタッ 京太郎(これも、また) 衣「ロンだ。11500」 東一局八本場 ・ ・ ・ 京太郎「・・・」 パタッ・・・ 衣「・・・」ピッ 衣「ツモ。5100オールだが、八連荘ーー役満。よって16800オールだ」 京太郎「ハ、ハハ・・・ハハハハハ」 衣「これでお前はー126500点・・・もう、聞こえていないか」 京太郎「ハッハハハハハハハ!ありえねえ!ありえねえよこんなの!何が牌に愛されているだよ!アイツだって、こんな、こんなっ!」 衣「・・・ハギヨシ!」 ハギヨシ「ハッ」シュッ 衣「そこの塵芥を、部屋から追い出せ。ーーとんだ時間の無駄だった」 ハギヨシ「では、失礼します」ガシッ 京太郎「クソ、離せ!離してくれ!俺は、俺はあああああああああああああああああああああああああああ!」 衣「・・・二度と衣の前に姿を見せるな、屑」 京太郎「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だあああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 龍門渕邸・別館 2F南の部屋 ハギヨシ「・・・落ち着かれましたか」 京太郎「・・・」 ハギヨシ「では、私はこれで」シュッ 京太郎(何をしても、駄目だった) 京太郎(技術とか、運とか、そういう奴の外の・・・もっと遠くの) 京太郎(アレはまるでどうしようもなく大きい月みたいな、そんな) 京太郎(絶望的過ぎる、存在そのものの違い・・・) 『お前は虫だ』 京太郎「俺は、虫なのか・・・?」 『どれだけ猛ろうと、お前は牌に愛されることは無い』 京太郎「・・・」 『お前に麻雀は無理だ』 京太郎「そう、なのか・・・」 京太郎「俺、もう、麻雀・・・しない方が、いいのか・・・?」 ピリリリリリリッ 『着信:宮永咲』 京太郎「さ、き・・・」 ピッ 『あ、京ちゃん!そっちはどう?こっちは原村さんがとってもやる気でね、いつもチラチラ私の方見てくるんだ。ライバル意識なのかな?』 京太郎「・・・」 『・・・京ちゃん?聞こえてないの?』 京太郎(何話せばいいってんだ・・・俺なんかが) 『京ちゃん!京ちゃんってば!』 京太郎「月が、大きくてさ・・・」 『・・・?』 京太郎「大きすぎて、俺、もう・・・・・・・・・駄目だ」 『月っ、て・・・京ちゃん急にどうしたの?』 京太郎「ごめんな、咲。・・・これからは、和と一緒に頑張ってくれ」 『ちょっと、きょ』 ブチッ 京太郎(・・・帰ろう。俺は、ここに居る資格なんてない) 京太郎「・・・」 龍門渕邸・別館 2F廊下 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 龍門渕邸・別館 1Fホール 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ 京太郎「・・・」 ピリリリリリリッ ピリリリリリリッ 京太郎(なんだよ、咲の奴・・・) 龍門渕邸・別館 玄関 ガチャッ 京太郎(ここから出て、清澄に帰って・・・それで、終わり) 京太郎「・・・っ」 ピリリリリリリッ ピリリリリリリッ 京太郎「クソッ、うるせえんだよ!電源切るぞ!」バッ 『着信:宮永咲』 京太郎(何で・・・!) ピッ 『・・・』 京太郎「何だよ、何か用か!?」 『・・・』 京太郎「用が無いんならかけてこないでくれよ!頼むから、もう俺に構わないでくれ!」 『・・・京ちゃんの、真似だもん』グスッ 京太郎「は?」 『京ちゃんだって、私が最初に電話した時にずっと無視したんじゃない!』 京太郎「・・・だから、俺は」 『京ちゃんの、バカあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!』 京太郎「!?」ビクッ 『いいから、私の言う事を聞きなさい!!!』 京太郎(あの咲が、こんなに怒って・・・!?)バックンバックン 『返事っ!』 京太郎「は、はいっ!」 『まず、外に出て!』 京太郎「で、出ましたっ!」ダダッ 『月は出てる!?』 京太郎「そ、そりゃ満月だけど」 『月に向かって手を伸ばして!』 京太郎「・・・は?」 『いいから!早く月に向かって手を伸ばしてって言ってるんだよ!』 京太郎「何で俺が、俺はもう」 『須賀京太郎!手をっ、伸ばせーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!』 京太郎「わ、分かったよ!」ピシッ 『ハァーッ、ハァーッ・・・伸ばしたら、そのまま手を握って!』 京太郎「こ、こうか?」グッ 『ほら、掴んだ!』 京太郎「・・・?」 『京ちゃん。今、月はどこにある?』 京太郎「・・・」 京太郎「あ・・・」 『ーー京ちゃんの、手の中にあるでしょ?』 京太郎「・・・・・・」 『京ちゃん。月はとっても大きいけど、手の中に掴めるんだよ。ううん、月だけじゃない』 『この世の、どんなものだって。手を伸ばせばきっと掴める』 『大きさなんて関係ない。大事なのは掴みたいって思う心、手を伸ばす心だよ』 京太郎「・・・っ・・・」 『だからね、京ちゃん。手を伸ばす前に諦めちゃダメ。手を伸ばして届かなくても諦めちゃダメ』 『何かを掴もうとするときに、距離なんて関係ないよ』 『私が、私が好きなのはっ・・・・・・・・・・・・・・・・諦めないで手を伸ばす京ちゃんだよ!』 京太郎「・・・・・・・・!」 京太郎(俺、何やってんだ・・・!) 京太郎「咲っ・・・俺っ」 京太郎「ごめんっ・・・!ごめんな・・・!」ボロボロ 『・・・・・・ばか』 京太郎「・・・」 『京ちゃんの、ばかっ。勝手に、構わないでくれとか言わないでよ・・・!』 京太郎「・・・ごめん」 『私、ホントにつらかったんだからね・・・?』グスッ 京太郎「もう、二度としねぇ」グイッ 『・・・それだけじゃ許さない』 京太郎「癖、絶対治すーーそんで、俺が帰ったら。一番に麻雀しよう」 『それでも許さないもんっ』 京太郎「それと・・・お前に、ショフトクリーム奢ってやる」 『・・・え?』 京太郎「味は何が良い?44種類のフレーバーと豊富なトッピングが魅力。らしいぜ」 『で、でもショフトクリームって誰も手に入れたことが無いって』 京太郎「・・・絶対奢るからさ、教えてくれよ。何味が良いのか」 『じゃあ、バニラかいちご・・・?』 京太郎「了解、特訓が終わったら最速で届けさせてもらうぜ。舌洗って待ってろよ」 『もう、京ちゃんってば・・・』クスッ 京太郎「ごめんな、咲。ありがとう。ーーありがとう・・・!」 『うん。・・・京ちゃん』 京太郎「何だ?」 『ーーーー麻雀、好き?』 京太郎「ーー大好きさ」 『じゃ、そんな麻雀大好き京ちゃんは私くらいちょちょいっとのしてくれるんだよね?』 京太郎「当然だろ、抉り取ってやるよ」 『どうかなー♪・・・だって京ちゃん、誰かに麻雀でボコボコにされて落ち込んでたんでしょ?』 京太郎「な、何でお前がそれを」 『だって京ちゃんだもん。そんなことだろうと思った』ハァ 京太郎「京ちゃんだもんとは何だ京ちゃんだもんとは!?」 『・・・でも、もう大丈夫だよね?』 京太郎「ああ、もう大丈夫だ・・・咲のお陰だよ」 『おやおや、将来倒す相手に助けられてるようじゃまだまだだねー♪』 京太郎「ぐぬぬ・・・見てろよ、俺はこの特訓で絶対強くなってやる!」 『その意気だよ京ちゃん。・・・頑張れっ!』 京太郎「おう、頑張るぜ!・・・首洗って待ってやがれよ、宮永咲!」 『うん!・・・それじゃ、私もう寝るね。ふぁぁ・・・』 京太郎「おやすみ、咲」 『お休み、京ちゃん』 ピッ 京太郎「ありがとな、咲・・・」パタン 京太郎「・・・」スゥーッ 京太郎「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」 ビリビリビリビリッ・・・ 京太郎「よしっ、やるぞ!」パンッ ハギヨシ「・・・須賀京太郎様。もう夜ですので、あまり大声を出されると」シュッ 京太郎「あ、スンマセン・・・ハギヨシさん、でしたっけ。天江は・・・」 ハギヨシ「もうお休みになられています。須賀様ももう休まれた方がよろしいかと」 京太郎「だよな・・・ホントスンマセンでした」 ハギヨシ「いえ、では私はこれで」シュッ 京太郎「・・・よし、寝るかっ!」 京太郎(まずは、体力の回復。んでもって力付けて・・・アイツに、借りを返す!) 京太郎「待ってろよ、天江衣・・・!」 『フッ、そうか・・・ギリギリで踏みとどまったか』 ハギヨシ「はい。まだ衣様と麻雀したそうにしておりました」 『ようやく、遊び相手くらいにはなってくれるかな?』クスッ ハギヨシ「衣様、もしや」 『ああ。本当に歯牙に賭ける程の奴でもなければ、衣はあそこまで壊したりしないよ』 ハギヨシ「・・・悪い癖ですよ」 『自覚はあるよ。だが、そのおかげでようやくあの下臈・・・いや、やっと凡夫か。楽しめそうになってきたじゃないか』 ハギヨシ「衣様のお気に召す事を期待しております」 『男児三日会わざれば刮目して見よと言うしな。・・・衣もそうであってほしいと願う。さて、衣はもう寝る。切るぞ~』 ハギヨシ「はい、お休みなさいませ。衣様」 『うん、お休みハギヨシ』 翌日 龍門渕邸・別館 玄関 バンッ 透華「おはようございますわっ!」 京太郎「おう、おはよう!」 一「・・・?」 京太郎「なんだよ、俺の顔になんかついてるか?」 一「衣とやらなかったの?」 京太郎「やったよ。負けも負け、ー126500点の大負けだ!」 一(衣とやって、大負けして・・・まだ麻雀ができるだって?) 透華「あらあら、よくそこまでボコボコにされて麻雀が出来ますわね!」 京太郎「あったりめぇだろ、麻雀は楽しいんだからよ!」 京太郎「んでもってもう一つ目標が出来た。・・・俺は、天江衣に借りを返す!」ギラッ 京太郎「だからよ、龍門渕透華。アンタに頼む。もう少し・・・アイツに借りを返すまで。俺をここに泊めてくれないか!」 透華「クックククク・・・オーッホッホッホッ!その不遜!その傲慢!気に入りましたわ」 透華「やはりあなたはわたくしが見込んだ通りの人物ですわ!好きなだけ泊まっていきなさいな!」 京太郎「そりゃ何よりだ!そんじゃ、改めてよろしく頼むぜ・・・龍門渕の女王様!」スッ 透華「ええ、こちらこそよろしくお願いしますわ。須賀京太郎!」ガシッ 一「・・・」ムスーッ 透華「一?気分でも悪いのですか?」 一「ま、気分は悪いかな。・・・とーか、僕はちょっと野暮用があるから離れてるね」 透華「・・・?分かりましたわ。それでは、須賀京太郎。行きましょうか!」 京太郎「おうよ!」 男子麻雀部部室 バァンッ!! 男子部員「「「「「「「!?」」」」」」」 透華「道場破りでしてよっ!丁重におもてなしして差し上げなさい!」 京太郎「よろしくお願いしますっ!」 男子部員1「龍門渕さん!?」 透華「オーッホッホッホッ!この龍門渕に単騎で挑んできた愚か者に、洗礼をくれてやるのですわ!」 男子部員2「道場破りって・・・そこの清澄の奴がですか?」 透華「そうですわ!」 男子部員3「あの、勘弁してもらえませんか。俺らも暇じゃないんですよ」 透華「・・・は?」ピキッ 部長「そうです。男子の方もそろそろ大会が近いんです」 部長「清澄には悪いけど、弱小の、それも部員一人のところとやって得るものがあるとは思えません」 透華「・・・」ピキピキッ 京太郎「いや、ちょっ」 副部長「君。こんな無謀な事は止めた方がいい。実力の差は君自身が一番よく分かっているはずだ」 京太郎「はぁ!?」ビキッ 副部長「実力が開き過ぎている者同士がやったって、得るものは何もないよ」 透華「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー見損ないましたわっ!」 京太郎「あぁ全くだ!天下の龍門渕男子がこの程度とはな!」 部長「・・・何が言いたい」イラッ 京太郎「調子くれてんじゃねえって言ってんだよ、名門校さんよ!」 透華「争いに意味を求めるなど・・・愚かにも程がありますわ!」 京太郎「やりたいからやる!売られた喧嘩は買う!」 京太郎「それ以上何かいるのかよ、なぁオイ!」 副部長「・・・帰ってくれ、不愉快だ」 透華「挑戦者を無傷で返す王者がどこに居ますかっっ!!!!!!!!」 部長「龍門渕さん、ですから」 透華「あなた方は強者で、ここに挑む者が居る!それ以外に戦う理由が必要でして!?」 部長「・・・・・・」 透華「あぁもう!埒が開きませんわ!・・・部長と副部長、卓に着きなさい!」 部長「・・・本気ですか?」 副部長「なぜこんなことを・・・」 透華「京太郎!わたくしの隣に座りなさい!」 京太郎「オッケー、任せとけ女王様!」ドスッ 透華「2対2ですわ。二人の点数の合計で勝負をつけましょう」 部長「ですが、それをやるメリットが」 透華「わたくしが負けたら、麻雀部に関する権限を全て譲渡いたしますわ」 透華「・・・これでよろしいかしら、理由がなければ戦えない現実主義者さん?」フッ 副部長「・・・舐めやがって!」ピキッ 部長「・・・この勝負、受けるぞ」 副部長「ええ!ここまで言われちゃ黙ってられませんよ!」 部長(点数の合計なら、間違いなくこちらに分がある) 副部長(あの清澄を集中的に狙えば良いだけだ!) 京太郎「ヘっ、やっとやる気になってくれたか!こっちはとっくの昔に暖まってんだよ!」ギュッ 副部長「・・・潰す!」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 透華「それじゃ、始めますわよ!」 コロコロコロ・・・ 透華「オーッホッホッホッ!親番、頂きましたわ!」 東一局 透華「まずは、これですわね!」 ピシッ 京太郎「それじゃ、俺はこれだ!」 ピシッ 副部長「・・・」 ピシッ 部長(アイツさえ潰せば・・・!) ピシッ ・ ・ ・ 部長「そこ、ロンだ!」 パタタタタ・・・ 部長(やはり、大した事は) 京太郎「クッソ・・・さぁ、次の局だ!」 透華「ちょっと!わたくしの親番を勝手に流さないで貰えませんこと!?」 京太郎「振り込んだものは振り込んだんだ、しょうがねーだろ!」 透華「キーッ、何ですのその横暴さは!」 京太郎「まぁ、見てろって。・・・負けねえからさ!」 東二局 ・ ・ ・ 京太郎「・・・よっし、これだ!」ピッ バンッッ! 京太郎「ツモ!3200オール!」 部長(おいおい、お前は和了っちゃダメだろ) 副部長(やはり素人・・・龍門渕さんはどうしてこんな奴に?) 透華「ふっ、見事ですわね」 京太郎「だから言ったろ、負けねぇって」 透華「・・・勝負の相手には私も含まれているのですよね?」 京太郎「ったりめーだろ。俺は麻雀しに来たんだ」 京太郎「ーーーーーーーーーーここに居る全員ブッ倒して、俺が勝つ!」 透華「その心意気、上等でしてよ!私もまったく同感ですわ!」 部長「り、龍門渕さん!?これはコンビ麻雀ですよ!?」 透華「だからどうしたというのです?」 副部長「なっ・・・」 透華「コンビかどうかなど関係ありませんわ!」 京太郎「この卓に居る奴で誰が一番強いのか・・・それを決める為に打ってるんだろうが!」 透華「目立つためには!」 京太郎「強くなるためには!」 透華・京太郎「「俺(わたくし)がトップになる以外ねーだろ(ですわっ)!」」 副部長「馬鹿だ・・・どうしようもない、大バカだ」 部長「ああ。だが、何故か羨ましい・・・」 副部長「部長!?」 部長「俺達に、あの真似が出来るか?・・・俺達は今、あんなに楽しそうに麻雀を打ってるか?」 副部長「ですが、これはコンビ戦で」 部長「悪いな、副部長。・・・俺もあんなふうに麻雀を、やってみたくなった」メラッ 副部長「・・・」 部長「清澄の。さっきは侮って悪かったよ。・・・全力で叩き潰させてもらおう!」 京太郎「やっと火が付きやがったか!そうこなくっちゃなぁ、龍門渕!」 副部長「・・・クソッ、俺ばっかりのけものにすんなってんだよおおおおおおおおおお!」メラッ 透華「ふっ、今さら燃え始めてトップまでいけるのかしら、さらさら疑問ですわ!」 「ロンだ!」 「ロンでしてよ!」 「悪いな清澄、ツモだ!」 「龍門渕さん、甘いっ!」 「っっっしゃぁ!ツモ!」 「全員私より目立つんじゃありませんわー!」 南三局 透華「ゼーッ、ゼーッ・・・」 京太郎「ハーッ、ハーッ・・・」 副部長「まさか、こんな・・・」 部長「フハハハハ!俺とお前が、南三局で3位4位に甘んじることになるとはな!」 透華「京太郎!わたくしの一位は譲りませんわ!」 京太郎「譲ってもらう気なんざさらさらねぇよ!・・・真っ向から挑んで、奪い取ってやる!」 透華(なぜかしら、この男と麻雀をやっていると心が躍りますわ) 透華(純粋に、どこまでも純粋に勝利を追い求める。・・・前しか向かない獣のように) 透華(そんな相手が今、わたくしの前に立ちはだかろうとしている・・・なんて、幸せな事でしょう!) 京太郎(龍門渕の女王様か・・・いいな、コイツ) 京太郎(誇りと美しさを兼ね備えた上で最上の勝利を目指す、か・・・気に入ったよ) 京太郎(だからこの手でアンタを叩き潰して、俺がトップになる!) 透華「まるで・・・夢の中で打ってるようですわ!」 京太郎「ああ、終わってほしくねぇな、この時間!」 部長「勝手に俺達をフェードアウトさせるなよ、清澄!」 副部長「そうだ!まだ役満がある!」 京太郎「上等だ・・・いっくぜえええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」 透華「わたくしがトップですわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 部長「これならっ!」 バシィィィィィィンッ! 京太郎・透華「「ロンっ!!」」 京太郎「リーチタンヤオドラ2ーー満貫だ!」 透華「一盃口、清一色ーーハネ満ですわ!」 副部長「ダブロン!?マジかよ・・・!」 部長「クッソ・・・まだだ、まだ終わらせない!」 少し離れたところ 一「ね、衣」 衣「なんだ?」 一「あの清澄と麻雀したんでしょ?」 衣「ああ。これ以上ないくらいには壊したつもりだ」 一「じゃあ、アイツなんで今打てるのさ?」 衣「それは衣にも分からない。ただ・・・」 衣「彼奴、少しはマシな匂いになった」ニヤッ 衣(次は"麻雀"が出来る事を期待しているよ、凡夫) 一「ていうか、アイツあんなに強かったっけ?」 衣「いーや。彼奴は凡夫だ。ただ・・・」 一「ただ?」 衣「透華との生まれついての相性が良すぎる」 衣「お互いに争い、貪り合う事でアイツは透華のツキを引き出し、透華はアイツのツキを引き出している状態」 一「それって・・・」 衣「切磋琢磨とも言うな。最早伴侶に等しいとさえ言える」 衣(あの凡夫・・・さて、これでどこまで伸びるか) 一(僕としては、その結論には至って欲しくなかったな。・・・・・とーか、僕は) 一(僕は、透華を・・・) 透華「オーッホッホッホッ!」 京太郎「これでぇっ、トドメだあああああああああああああああああっ!」 翌日 龍門渕邸・別館 1階ホール 京太郎「さて、飯も食ったし・・・そろそろだな!」 京太郎(女王様ともやりてぇが、まずはアイツに借りを返さねえとな) 京太郎(アポを取るには・・・ハギヨシさんを呼べばいいのか?) 一「・・・待った」 京太郎「ん?あぁ、お前か」 一「国広一だってば。・・・衣のところに行く気?」 京太郎「おうよ、借りはキッチリ返す主義でね」 一「・・・じゃ、これあげるよ。さっき注いできた」 京太郎「これは・・・アイスティーか。サンキュ」ゴックゴック 京太郎「って、ぁ・・・?」フラッ ドサッ 一「ここまでアッサリ引っかかるなんて・・・・・・バッカだなぁ」 龍門渕邸・別館 地下 京太郎「くぅ・・・ここは?」 ジャラッ 京太郎(手錠!?) 一「あ、起きた?・・・その手錠、いいでしょ。僕とおそろいだよ」 京太郎「・・・まさか」 一「うん、古典的にアイスティーに睡眠薬混ぜてみたんだ♪たまげたでしょ」 京太郎「へっ・・・ペアルックの上に部屋に連れ込みかよ、応援にしては随分と気合入ってんな」 一「知らなかった?ボク、君が大嫌いなんだよ?・・・この場で殺したいくらい」 京太郎「やれるもんならやってみやがれってんだ!」 一「・・・あー、イライラする。立場をわきまえない奴って陰で嫌われるもんだよ?」 京太郎「誰に好かれるとか嫌われるとか、一々気にして生きてんのか。ご苦労なこった」 一「そうしないと生きていけないんだって。・・・君みたいになっちゃうから」 京太郎「で、応援メッセージはそれで全部か?」 一「うぅん、まだまだーーとりあえず、僕と麻雀してくれない?」 京太郎「なんだ、そういう事か・・・だったら最初から」 一「違う!」 京太郎「!?」 一「ボクはお前みたいに単純な動機で麻雀をやってるんじゃない!ーー大切な人の隣を、守りきるためだ!」 一「だから!ボクは・・・お前を排除する!」 京太郎「そうかい、そりゃ重畳!丁度こちとら貴重な時間浪費させられてむかっ腹立ってたところだよ!さぁ、さっさとやろうぜ!」 一「・・・懸けろ」 京太郎「何を!」 一「透華の隣と・・・お前の、尊厳をだ!」 京太郎「上等!正面から抉り切ってやる!」 一(潰す・・・!) 一「・・・二人しかいないし、東場のみでいいよね?」 京太郎「おうとも!」 一「じゃ、サイコロ回すよ・・・!」 コロコロコロ・・・ 一(透華・・・ボクに、力を貸して!) 京太郎「・・・親は俺だな!」 東一局 京太郎「さーって、と」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「国広、一だっけか。アンタは普通に良い人なんだと思ってたが・・・」 バシッ 一「"普段は"良い人だよ。・・・でも、賊に払う礼儀はない」 バシッ 京太郎「だろうな。・・・そんなに大事か、あの女王様が」 バシッ 一「透華になら、ボクの全てを懸けていい。いつだってそう思ってる」 バシッ 京太郎「ああそうかよ!なら・・・・・・リーチだ!」 バシンッ 一(早っ・・・それに、読めない!?) 一「くっ・・・」 ピシッ 京太郎「へっ、混乱してるな?」 バシッ 一「・・・」 ピシッ 京太郎「そこ、いっただきぃ!ロンだ!」 バンッ 京太郎「ーーリーチ、一気通貫!7700点だ!」 一「ぅ・・・」 京太郎「さ、連荘と行くか!」 東一局一本場 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「へっ・・・」 バシッ 一「・・・気持ち悪いな、急に笑わないでよ」 バシッ 京太郎「楽しいなぁ、全力でやるのは!」 バシッ 一「ボクは楽しくなんかない」 バシッ 京太郎「そりゃ、お前が本気じゃないからだよ」 バシッ 一「ボクはいつだって本気だ!」 バシッ 京太郎「どうだかな、今のお前は全然攻めてこないじゃないか」 一「・・・っ」 バシッ 京太郎「だんまりか。まぁいいけどよっ・・・っと。リーチ!」 バシンッ 一(どうする、アイツの攻め方が・・・分からない) 一(読み切れない・・・とりあえず、これで) 京太郎「・・・もし、これが倍満のアタリだったら」ボソッ 一「っ!」ゾクッ 京太郎「その時点でお前はトビだ」 一「・・・心理戦を仕掛けてるつもり?悪いけど」 京太郎「俺は嘘が苦手でね・・・馬鹿だからよ。まぁ、アレだ。その一手はよーく考えて打てよ?」 一「・・・」 一(ハッタリだ!ここで大きな当たりなんてそうそう出る訳がない!) 一(でも、何だろう・・・この牌を捨てると、胸の奥から何かが抜け出ていくような) 一(透華が離れて行っちゃうような・・・) 一(・・・怖い) 一(透華が離れていくのが、一人になるのが怖い・・・!)ブルブル 一(この牌を捨てなきゃ・・・!) 一「くっ・・!」プルプル 京太郎「・・・どうした?」 一(ダメだ、あいつの倍満がチラつく・・・負けの情景が鮮明に見える) 一(・・・打てない。ボクには打てないよ、とーか・・・) 一(今ならまだ、謝れば許して・・・) 京太郎「・・・言っとくが、謝っても許さねえぞ?」 一「っ!」 京太郎「本気の麻雀だろ?だったら、途中で降りるなんざ認めねぇよ。喧嘩と一緒さ」 京太郎「お前が売った、俺が買った!だからお前を叩き潰す!徹底的にだ!」 一「・・・・・・」 一(コイツ、本気だ・・・本気で、ボクを潰す気だ!) 京太郎「そうだな、この麻雀に勝ったら・・・女王様に進言して龍門渕の生徒にしてもらうかな」 一「なっ!」 京太郎「そんでもって部長まで登りつめて、最後にはあの女王様とタッグ麻雀で頂点取ってみるか・・・」 京太郎「あの人、俺との相性は良いみたいだからな」 一「お前・・・!」 京太郎「それが終わったら女王様はポイーだ。天江を倒しにいく。・・・言うなりゃあの人は通過点だな」 一「透華は通過点なんかじゃない!取り消せ!今すぐだ!」 京太郎「断る!・・・取り消してもらいたけりゃ、麻雀で俺を倒してみろよ!」 一「・・・!」 一(透華・・・ボクは、ボクは・・・!) 京太郎「ビビってんじゃねえぞ、国広一!」 一「お前にだけは、負けられないんだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎「ヘッ、やっとお目覚めかよ」ゾクッ 一(透華、ボクは君のために戦う!ーーもう、迷わない!) バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「ーーロン。三色同順ドラ2、一本場で・・・8300、満貫」 京太郎「クッ・・・」 一「これでさっきの和了分は取り返させてもらったよ。さぁ、次はキミが追いつめられる番だ」 京太郎(気のせいか、アイツの声が急に冷え切ったようになったような・・・) 一(何だろう、さっきまであんなに恐ろしかったアイツが、今はただの置物にしか見えない) 一(河の流れが、見える・・・絶対に荒れることのない、ただ静かな流れが) 一(これってまるで・・・・・・そっか。ありがとう、透華) 一(透華の為に・・・この戦い、絶対に勝つから!) 東二局 一「・・・」 バシッ 京太郎(手が悪いな・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・リーチ」 バシッ 京太郎「仕掛けてきたか!・・・っ」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(なんだ、来る牌が全部かみ合わない!?) 京太郎「・・・っ」 パシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(よし、やっとまともに手が進むーー) バシッ 一「・・・ロン」 京太郎「クッ・・・!」 パタタタタ・・・ 一「リーチ、タンヤオ一盃口。7700」 京太郎「クソッ・・・」 東二局一本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(また、随分と悪い初手だなオイ!) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(何だ、何かおかしい・・・) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ポン!」 バシッ 京太郎(げ、役牌か・・・それにしても) 京太郎(自由に動けねぇな・・・河に引きずりこまれたみたいだ) 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎「なぁ」 一「・・・何?」 京太郎「"コレ"は・・・アンタがやってるのか?」 一「だったらどうする?」 京太郎「・・・正面からブチ抜く!」 バシッ 一「ーーロンだよ」 パタタタタ・・・ 一「役牌のみ。1本場で1800だね」 京太郎「随分とセコイ和了するじゃねぇか」 一「何とでも言えばいい。僕はもう迷わない・・・!」 京太郎「あぁそうかよっ!」 東二局二本場 一「・・・」 バシッ 京太郎(あの時のタコスみたいに安手狙いか・・・?) バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(いや、それにしては打ち筋が妙だ。まるでーー) 京太郎(今までの和了が全部フェイクみたいな・・・) バシッ 一「もう、キミは和了らせない」 バシッ 京太郎「お前が決めることじゃねぇな!」 バシッ 一「・・・リーチ」 バシンッ 京太郎「来やがったか・・・」 京太郎(今のアイツはヤバい。何としても避けなけりゃな・・・) バシッ 一「もう、誰にも・・・この流れは乱させない」 バシッ 京太郎「・・・」 バシッ 一「そして尚且つ・・・大手で和了って見せる」 バシッ 京太郎「お前も随分言うじゃねえか!」 バシッ 一「キミのはハッタリだけど、ボクのはハッタリじゃない。やると決めたんだ、絶対にやる」 バシッ 京太郎「・・・っ」 バシッ 一「絶対に・・・!」 バシッ 京太郎(それにしても・・・来ねえなあ畜生!) 京太郎「・・・」 バシッ 一「ロンだ!」 バンッ 京太郎「何っ!?」 一「ーーリーチタンヤオ一盃口、ドラ1二本場・・・満貫12600!」 京太郎「クッソ・・・!」 一「ハ、ハハッ・・・」 一(凄いや、負ける気がしない!透華、これが・・・これが治水なんだね!) 一「っと、いけないいけない・・・」 一(油断するな、国広一・・・お前は透華の隣に立つんだろ!)パシッ 一(油断は死を招く。いつだって本気で) 一(だから、今は・・・) 一(今は・・・目の前のこの男を倒すことだけをーー!) 京太郎「・・・・・・せ・・・・・・・せ」ブツブツ 一「・・・次の牌準備するけど、いいかな?」 京太郎「・・・ああ」 東二局三本場 一「・・・」 一(大丈夫、河の流れは見えてる) バシッ 京太郎「・・・・・・・せ、・・・・・・・せ」ブツブツ パシッ 一(相手は心ここにあらずって感じだけど・・・油断はできない) バシッ 京太郎「思い出せ・・・思い出せ・・・」ブツブツ 京太郎(俺はどこかで知ってる、こんな状況を・・・) バシッ 一「・・・」 一(熱くなってるのかな・・・?だとしたら、チャンスだ!) バシッ 京太郎(初手は最悪、引く牌も良いとは言えず、相手は絶好調の連荘中) 京太郎「あの時も、こんな感じだったな・・・」 パシッ 一「・・・何を言ってるのか分からないけど、キミの相手はボクだよ?」 バシッ 京太郎(凄まじい相手のプレッシャー、武者震い半分、怯え半分の俺・・・) 京太郎「ハハッ・・・雀荘の時も、そうだったな」 バシッ 一「・・・リーチだ!」 バシッ 京太郎(この沈んでいく感覚。これはまるで・・・) 京太郎「・・・そうか。俺、何だかんだ言って・・・アレも楽しんでたのか」 バシッ 一「・・・これが終わったら、腕利きの頭の医者呼んであげるよ!」 バシッ 京太郎(そして・・・全身からひしひしと伝わってくる力量の差。俺は、これも知ってる) 京太郎(俺に麻雀の楽しさを教えてくれた人) 京太郎(俺の、大切な人) 京太郎(ーーーー咲) 『ーーーー麻雀、好き?』 京太郎「・・・そうか」 京太郎「勝ちも負けも全部、全部の上に・・・俺が居るんだ」 京太郎「だから、俺は・・・・・・・・・・・もっと上に!」 京太郎「俺は強くなる!全部飲み込んで、全部貪って・・・アイツを倒して!!俺が頂点に立ってみせる!!!」 バシッ 一「どのみち、キミは和了れない!」 バシッ 京太郎「もっと、もっとだ・・・!」 バシンッ 一「・・・っ」 一(いや、そんな筈はない。河の流れは、透華の治水は、絶対だ・・・) バシッ 京太郎(俺は・・・俺はまだ戦える!戦いたい!だから!) 京太郎「こいつが、こいつだけが!俺の魂だあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」 京太郎「手前如きに、抉り切れるかああああああああああああああああああああああああああああ!」 ピッ・・・・・・ バシンッ!!!!! 一「・・・・・・」 京太郎「ツモ!ーーーーーーーー国士無双!ーー親16800、子8300!」 一「・・・やるじゃん」 京太郎「人の心配より、自分の心配をしたらどうだ?」 一(何でだろ、コイツと打ってると) 京太郎「俺はこのまま、お前を潰す気でいるぜ・・・!」ゴウッ 一(楽しいっ!) 一「そりゃ、ボクも負けてられないなぁ・・・!」ゴウッ 東三局 京太郎「・・・」 バシッ 一「・・・」 バシッ 京太郎(おそらく、この勝負) バシッ 一(この局で決まる・・・そんな気がする) バシッ 京太郎「・・・リーチだ!」 バシシッ! 京太郎「ボクもリーチ!」 バシンッ! 京太郎「・・・国広一。アンタはただの良い人だと思ってたが、実際は選民思想と独占欲の塊みたいな人間だった」 バシッ 一「須賀京太郎。キミはどこまでも立場をわきまえない、あの透華の前でさえ・・・無礼極まりない人間だった」 バシッ 京太郎「口を開けば二言目にはとーか、とーかか。従順なこった、あの女王様が幸せなら自分の事はどうでもいいんだろうな」 バシッ 一「キミは他人をないがしろにし過ぎだね。強さだけを求めて、キミを支えてくれる人達の事は眼中にないんだろうね」 バシッ 京太郎「だが・・・嫌いじゃない」 バシッ 一「・・・同感だよ。キミのその純粋過ぎる生き方は、ボクにとっては羨ましくさえある」 バシッ 京太郎「だが!譲れないもんがある!倒したい奴が居る!」 バシッ 一「でも!守りたい場所がある!傍に居たい人が居る!」 バシッ 京太郎・一「「そのためには!」」 京太郎・一「「戦わなくちゃならない時がある!」」 京太郎「・・・気に入った、恨みっこなしだぜ」 一「上等、そっちこそ吠え面かかないでよ」 京太郎「ーーーーーーーー来いっ!」 ピッ 京太郎「・・・チッ」 バシッ 一「ボクの番だね・・・」 一(お願い、透華・・・・・・ボクに力を!) ピッ 一「ーーーーーーーーーっ」 一「くっ!」 一(違う、これじゃない!) 一(・・・!?)ゾクッ 京太郎「・・・・・・」ニヤッ 一(あの反応は・・・) 一「・・・そっか」 一(これは、キミのーー) パタッ・・・・・・・ 京太郎「ーーーーーーーーーーロンだっ!!!!!!」 バンッ! 京太郎「リーチジュンチャン三色同順一盃口ドラ1、裏がーーーー乗って、倍満!24000でお前のトビだ!」 一「・・・」 京太郎「・・・っぷはー」 京太郎(今回は、ホントにギリギリだったな・・・) 一「・・・」 京太郎「俺の、勝ちだ」 一「・・・分かってるよ」 京太郎「なら、この卓に繋がれた手を外してほしんだが」 一「・・・はい」ガチャリ 京太郎「んじゃ、俺は上に上がりたいんだが・・・階段はどっちだ?」 一「・・・・・・あっちのドア開けたとこ」 京太郎「そうかい、それじゃーな」ギィィ 一「・・・・・・ぅ」 一(ごめん、とーか・・・・・・ごめん) 一「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」ポロポロ 一(ボク、負けちゃったよ・・・) 『あー、そうだ!言い忘れてたわ!』 一「なっ、何だよ!まだ廊下に居たのか!?早くっ、いけよ!」グシグシ 『お前との麻雀、楽しかったよ』 一「ーーーーっ」 『また、やろうぜ』 一「やるに・・・決まってるだろ!首洗って待ってろよ!」 『ヘッ・・・それじゃーな、一』 一(そうだ、ボクはもう迷わない!立ち止まったりしない!) 一(誰が何と言ったって、ボクが透華の隣で支え続けてみせる!) 龍門渕邸・別館 3F北側の部屋前 京太郎「うへー、もう夕方かよ」 京太郎「だが、まだ時間はある・・・当初の目的通り、今日お前に借りを返しとかねぇとな」 京太郎「なぁ、聞いてるんだろ・・・天江衣!」 『・・・手負いで衣と雌雄を決そうなどと、片腹大激痛!』 京太郎「手負いじゃねぇ、修行してきたのさ!」 ガチャッ! 衣「フッ、ならば見せてみろ凡夫!貴様が掴んだものを!」 京太郎「言われなくても、見せつけてやるよ!俺の・・・魂を!」 衣「衣の勝ちだな、凡夫」 京太郎「・・・・・・・畜生!」ゴロン 衣「終わってみればマイナスにこそなっていないものの、まだまだ衣には程遠かったか」 京太郎「・・・しょうがねぇ、認めるよ。俺の負けだ」 衣「ああ、お前の負けだ。・・・だが、衣は楽しかったぞ。どんなに突き離されても喰らいつこうとする執念、それを可能にする気力と実力」 京太郎「えらく持ちあげるじゃねえか、憐憫か?」 衣「今回は"麻雀"が出来たからな。衣は、楽しかった・・・それだけだ」 京太郎「・・・そうかよ。俺も楽しかった・・・やっぱ全力でやり合うってのはいいな!」 衣「ま、力が違い過ぎるのはちょっともの足りないがな」クスッ 京太郎「この野郎・・・」 衣「・・・そうだ、名前を聞いてなかったな」 京太郎「あぁ、俺も丁度言っておこうと思ったところだよーー須賀、京太郎だ」 衣「須賀京太郎・・・うん、しかと刻んだぞ」 京太郎「こっちはとっくにお前の名前を刻んでるんだよ・・・」 衣「・・・なぁ、京太郎」 京太郎「なんだよ?」 衣「また、衣と麻雀してくれるか?」 京太郎「もちろん、お呼びとあらば365日24時間寝首を掻きにいってやるよ。首洗って待ってやがれ」 衣「・・・そうか、安心したよ。明日も付き合って貰いたいな」クスッ 京太郎「そりゃ重畳・・・と、もう夜か。さーて、明日は女王様に謁見でも」 ピリリリリリッ ピッ 京太郎「はい?」 『京ちゃん?まだ家に帰ってないの?』 京太郎「ああ、だって今日も泊まるし」 『・・・京ちゃん』 京太郎「何だ?」 『明日、平日だよ?』 京太郎「・・・え?」 『連休は今日で終わり。明日から普通に学校だよ?』 京太郎「あー、うん、分かった」 ピッ 京太郎「・・・なぁ、天江」 衣「?」 京太郎「明日って休みじゃないのか?」 衣「明日は学園の創立記念日だぞ?休みに決まっている」 京太郎「・・・・・・・」タラー 衣「ん?そうか、京太郎は清澄に居るんだったな」 京太郎「帰らねえと!」 衣「・・・随分せわしないな。一日位休んでもいいじゃないか」 京太郎「そうじゃねえんだ!咲と約束してるんだよ!連休終わったら一番に麻雀するって!」 衣「約束、か・・・」 京太郎「ああでもやべぇよもう夜遅すぎんよ・・・これバスあるかな」 衣「ハギヨシ!」パチン ハギヨシ「ここに」シュッ 衣「この愚か者を送ってやれ」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎「・・・いいのか!?」 衣「かまわんよ。今見逃して、明日お前が死ぬわけでもないしな」 衣「だが、一つだけ約束しろ」 京太郎「・・・」 衣「次にこの龍門渕に来た時は、必ず衣とも打つと。どれだけ時間がなかろうと、だ」 京太郎「・・・あいよ」 衣「ハギヨシ!」 ハギヨシ「須賀京太郎様、行きましょう」 衣「京太郎!衣は、衣は待っているからな!・・・・・いつまでも、この海底で!」 京太郎「ああ・・・絶対、お前を倒しに行ってやる!だから、待ってろよな・・・天江衣!」ダダダダダ 衣「・・・須賀、京太郎か」クスッ ハギヨシの車の中 ハギヨシ「どこか、行っておくところはありますか?」 京太郎「あ、そうだ!あの女王様・・・じゃなくて龍門渕透華のところに行ってくれ!」 ハギヨシ「かしこまりました」 京太郎(咲・・・待ってろよ) 龍門渕邸 透華・一「「帰るぅ!?」」 京太郎「俺の連休は今日で終わりらしいからな・・・悪い、アンタとの決着はまた今度だ」 透華「キィーッ、納得いきません!いきませんが・・・約束があるなら仕方ありませんね」 一「どうしてもっていうならボク色々出来るけど・・・」ジャキン 京太郎「とりあえずその危なっかしいものをしまってくれ」 透華「・・・では、またしばらくお別れですわね」 京太郎「だな・・・」 透華「・・・・・・」ジーッ 京太郎「・・・・・・」ジーッ 一「帰るんならさっさと帰れーーーーーーーーーー!」フシャー 京太郎「っとと、すまねぇ。・・・それじゃそろそろ行くか」 透華「ええ、お気を付けて。思えばショフトクリームの時からの縁でしたわね・・・」 京太郎「・・・ん?」 一「どしたの?」 京太郎「そうだ、ショフトも買わないといけないんだった!ってもう学食開いてねー!?」 京太郎「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」 透華「・・・ハァ。落ち着きなさい!」ピッポッパ プルルルル・・・ 『はいー?』ムニャムニャ 透華「私ですわ、今すぐ学食を開けなさい!」 『とっ、ととととと透華さま!?了解いたしました!』 ピッ 透華「これで大丈夫ですわ、さっさと買って帰りなさい」 一「わーお、透華ってば横暴ー」 京太郎「・・・悪いな、恩に着る」 透華「こんな目立てるチャンスはありませんから、行動したまでのことですわ」 一「・・・京太郎。早めにまた来てね?ボクの復讐心を満たすために」 京太郎「お前の挑戦なら大歓迎だ、また熱い麻雀やろうぜ!」 京太郎「それじゃ、女王様も・・・・・・また、いつかな」 透華「・・・・・・」 ハギヨシ「そろそろよろしいですか?」 京太郎「おう!」 ブロロロロロロロ・・・ 透華「・・・また、いつか」 一「・・・ねぇ透華、透華はアレの事どう思ってるの?」 透華「・・・?」 一「・・・」 透華「もう、一ったら・・・」クスッ 透華「・・・心配しなくても、私の付き人は一以外あり得ませんわ」ギュッ 一「ち、違うよ!嫉妬とかそういうのじゃなくて!」 透華「さ、帰りましょう・・・私達の家に」 一「う、うん!」 ハギヨシの車の中 京太郎「なんとか買えたが・・・クーラーボックスまでもらっちまって、店員さんには悪い事しちまったな」 京太郎「うわ、ちょっと溶けかけてきてる!ハギヨシさん、なるべく急いで」 ハギヨシ「既に全力で飛ばしています・・・心配なさらなくても、そろそろ着きますよ」 キキーッ 京太郎「うおっ・・・っと」 ハギヨシ「では、お気をつけて」 京太郎「ああ。ハギヨシさん、ありがとな!」 ブロロロロ・・・ 京太郎「さってと・・・」スウーッ 京太郎「咲ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 咲「き、京ちゃん!?どうしたのこんな夜中に大声出して!」ゼイゼイ 京太郎「ほら、ショフト!」パカッ 咲「え、これが・・・?」ジトーッ 京太郎「まぁそういうなよ、土産話もいっぱいあるんだ!ショフトの秘密も教えてやるよ」 咲「・・・京ちゃん、頑張ったんだね」 京太郎「・・・何がだよ?」 咲「修行に行く前より、ずっと逞しくなってる・・・なんとなくだけど」 京太郎「そりゃ、お前を倒すために必死で修行してきたからな。もう癖も抜けてるぜ」 咲「ほうほう。今度こそ期待していいのかなー?」 京太郎「おう、任しとけ・・・とりあえず溶ける前にショフト食おう、味は保証するからよ」 咲「そうだね・・・はむっ」 咲「凄く・・・美味しい!でも・・・なんだかとっても普通だね、コレ」 京太郎「だろー?それが伝説になった理由が下らなくてさ・・・」 ・ ・ ・ 咲「あはははは!崩れたソフトでショフトって・・・なにそれ!」ゲラゲラ 京太郎「だろ?あんまり下らなくて、笑っちまうよな!」 咲「ひーっ、ひーっ・・・お腹痛い・・・」プルプル 京太郎「ハハハ・・・まったく下らねぇよな」 咲「ホントだよ、もう」プルプル 京太郎「・・・・・・」 咲「・・・・・・」 京太郎「咲。俺、今はまだお前には届かないかもしれないけど・・・」 咲「・・・うん」 京太郎「でも、俺はお前に勝ちたい」 咲「・・・うん」 京太郎「だからさ・・・・・・・・・これからもずっと、俺と麻雀してくれないか」 咲「えー・・・何それ京ちゃん、プロポーズー?ロマンチックさが足りない、33.4点かなー」クスクス 京太郎「なっ!評価低っ・・・ってちげーよ!別にそんなんじゃねーし!」 咲「でも、嬉しいよ。・・・とっても、嬉しい」 咲「うん。だから・・・これからも末永く京ちゃんをボコらせていただきます」ペコリ 京太郎「こんにゃろー・・・言ってろ、案外近日中に倒されるかもしれねーぞ?」 咲「そういうのは、取らぬ狸の皮算用って言うんですよー♪」 京太郎「・・・・・・なぁ、咲」 咲「・・・なに?京ちゃん」 京太郎「麻雀って、楽しいよな!」 カン
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京太郎「新作、ですか」 ハギヨシ「ええ。色々作ってきましたが、やはりご本人のアイディアも欲しいと思いまして」 京太郎「と言ってもかなりの衣装作りましたよね?」 ハギヨシ「ええ……まぁ似たような注文もあるので作るのは楽ですが」 京太郎「うーん……いっそKちゃん自体を変えてみたり?」 ハギヨシ「長髪のKちゃんなどですか?」 京太郎「そんな感じで。まぁKちゃんだからいいって言う人もいそうですから売れるかは分かりませんけど」 ハギヨシ「難しいですね」ガタンッ 京太郎「アレ?何か倒れました?」 ハギヨシ「む、これは作りかけだった純様用のドレス。ああ、足元が不安定でしたか」 京太郎「よくできてますね……いっそKちゃんに女装とかさせてみます?」 ハギヨシ「ほう?」 京太郎「ちょっとドレス貸して下さい。こう、ドレス着せる感じで?」 ハギヨシ「おや、京太郎くんが着ても似合そうですよ?」 京太郎「そんな冗談……」 ガチャ 透華「ハギヨシ?お休みのところ申し訳ありませんけど…」 一「清澄の人達が来てるんだって…」 京太郎「あ……」ドレス持ったまま 透華「……智紀ー!!カメラの用意ですわー!!」 一「清澄のみなさーん!!ちょっと来てー!!」 京太郎「ちょっ、待って……待って下さいー!!」 京太郎「…………」 智紀「はい、目線こっちー」 和「あ、次はこのバニーで…」 透華「いえ、ここはうちのメイド服を」 まこ「うちの店のはどうじゃ?」 一「じゃーボクの私服…」 久「あら、いいわね」 咲「京ちゃん、笑顔笑顔!」 衣「そうだぞ!笑顔が一番だ!」 京太郎「……あのな」 京太郎「どうやったら女装姿の強制撮影会で笑顔になれるんだ!!」巫女服で女装状態 京太郎「誰か止めろよ!!というかハギヨシさん助けてくださいよ!!」 ハギヨシ「すいません、主のご命令でして。次は女装Kちゃんシリーズでもいきますか」 京太郎「おいそのメモ帳はなんだ!!」 優希「このコック服でなんか作ってもらうか?」 純「いいじゃねーか。あ、俺用にあったやつが…」 京太郎「おい!!アンタ自分の服を野郎に着せていいのかよ!!」 咲「あ、水着とかどうですか?」 和「アリですね」 智紀「ここにカツラとパッドとスクール水着が」 透華「パーフェクトですわ」 久「じゃ、脱いで?」 まこ「いやいや、脱がしてやるのもええじゃろ?」 一「天才だ……」 純「よし、俺が押さえよう」 優希「手を貸すじぇ」 衣「おー、着せ替えだな」 京太郎「ちょ、待て。やめろ。そんなこと誰も得しない、手を放せズボンに手をかけるなやめろ考え直せ待てやめろおおおおおおおお!!」 新シリーズ、女装Kちゃん 好評発売中 カンッ!!
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前話 次話 恒子『中堅戦終了!!最後は渋谷尭深選手の役満が飛び出しました!!』 京太郎「すごいな……役満なんて上がったことないなー」 淡「そりゃタカミーだからねー。タカミーは…むぐ」 誠子「だから言うなって。それじゃ、行ってきます」 自販機前 京太郎「……ふぅ、さすがにあの状況は居づらいな」 京太郎「なんか聞いてほしくない話っぽかったし……やっぱりそろそろ出るべきかな」 憩「なんや?試合最後まで見ない気なん?」 京太郎「そうじゃなくて……憩さん?」 憩「久しぶりーぃ」 京太郎「それほどですかね」 憩「もうちょっと連絡してくれてもええのに、冷たいわーぁ」 京太郎「色々忙しかったんですよ。試合は出ませんけど」 憩「その試合やけど、どうなると思う?」 京太郎「試合ですか?……順当にいけば白糸台と千里山でしょうね。けど」 憩「けど?」 京太郎「そう簡単にはいかない、ですよ。うちがそうですから」 京太郎(長野の決勝……あんなことが起きるのが麻雀だよな) 憩「そのとおり。うちとしては阿知賀を応援しとるけどね」 京太郎「阿知賀を?」 憩「昨日、特訓したんよ。さすがにそこまで変わるとは思わへんけど……」 京太郎「変わるかもしれない、と」 憩「最後まで、ちゃんと見てないといかんよーぉ?ほななー」 京太郎「憩さん……ナース服じゃなかったか」 京太郎(そういや、ナース服の色って、何種類あるんだろう) 観客席 京太郎「……副将戦終わったか」 京太郎「さすがに戻りづらいし、これ以上いる訳にもいかないかな」 京太郎「照さんにメールだけでも送っておこう」 誠子「す、すいませんでした!あんなに失点して……」 照「…………」 尭深「何も言わないんですか?」小声 菫「私もマイナスだったんだぞ?ここは何か言えるのは照だけだ」小声 照「……亦野」 誠子「は、はい!……交代、ですよね?」 照「お疲れ様、次頑張ろうね」 誠子「……え?」 照「ん?あ、食べる?」お菓子 誠子「いや、そうじゃなくて、あれだけ失点したのに次?」 照「?……淡が負けたりしなければだけど、決勝のことだよ?」 誠子「いや、そうじゃなくて……私でいいんですか?交代だと思ってましたけど」 照「最終的に勝てばいい。点差がどうとかは気にしないし、私は亦野以外に副将やれる人はいないと思ってるから」 誠子「宮永先輩……」 照「菫と尭深も、いいよね?」 菫「……いいも何も、お前が決めたんだ。何も言わないさ。それに、私だって亦野を信じてるからな」 尭深「私も、です」 誠子「……弘世先輩、尭深」 照「大将戦始まるけど……京ちゃんどうしたのかな」 菫「そりゃ居づらかったんだろうな」小声 誠子「すいません」小声 照「あ、京ちゃんからメール……そっか」 尭深「何だったんですか?」 照「さすがにそろそろ別のとこで見るって」 誠子「なんかすいません……」 菫「いや、本来他校の生徒が居ていいとこじゃないからな」 照「でも応援してるって」 菫「まぁ、淡だから大丈夫だろ」 廊下 京太郎「ふぅ、大将戦は見逃せないし、今のうちトイレ行っとかないとな」 玄「うぅ~……ドラが~……」 京太郎「……玄さん?」 玄「京太郎くん!……うわーん!」 京太郎「あぁ……先鋒戦お疲れ様です。大変だったでしょう?」 玄「うん……2回戦でも敵わなかった園城寺さんいるし、宮永さん強いし……」 京太郎「はい……大変でしたね」 玄「何より……何より……」 京太郎「?」 玄「おもちが足りない!!」 京太郎「なん……だと……!?」 玄「準決勝なのに、それ以降は私の対戦相手おもちがないんだよ!!強くておもち無いとか、相性最悪だったよ!!」 京太郎「あの状況でそこを見ているとは……見事です」 玄「うぅ……帰ってお姉ちゃんに抱きつこう……」 京太郎「お疲れ様です!……あ、うちが当たる姫松の先鋒はおもちありましたよ」 玄「私、姫松を応援するね!!」 京太郎「和はどうしたんですか」 玄は後でしっかり怒られました 売店付近 京太郎「しっかし淡の奴すごかったんだな……アホっぽいのに」 京太郎「一応あいつの他の試合は見たけど……あんなにカンしてたかな」 京太郎「カンか……咲もカンするけど、そんな簡単にできるもんじゃねーだろ」 京太郎「ほんと同じ麻雀なのかね……ん?」 照「……ここ、どこだろ」 京太郎「……何やってるんですかチャンピオン」 照「あ、京ちゃん」 京太郎「トイレはあっちで売店はそっちです。控え室までなら送ります」 照「……控え室までだけど、慣れてるね」 京太郎「方向音痴が似るってどんな姉妹ですか」 照「好きで方向音痴じゃない……ところで、チャンピオンって呼ぶのは止めて」 京太郎「分かってますよ、照さん」 照「ん」 京太郎「そういえば、淡の奴ってすごかったんですね。アホっぽいのに」 照「淡も強いからね。普段で決めちゃダメ」 京太郎「咲も普段あんななのに強いですし、人は見かけによらないってここ最近で実感しましたよ」 照「うん、見かけ以上に強かったりすることって結構ある。でも、大将戦はもしかしたら……」 京太郎「もしかしたら?」 照「……なんでもない。淡なら、大丈夫」 京太郎「はぁ……ところで照さん」 照「何?」 京太郎「曲がる方向逆です」 恒子『試合終了!!1位は阿知賀女子、2位は白糸台です!!』 京太郎「……どーやったらああいう風に打てるんだ?」 京太郎「いや、それより白糸台が2位か……阿知賀も強敵ってことだよな」 京太郎「……確かにあの姉妹のおもちは……いや、白糸台も菫さん達はなかなか……」 優希「……何不審者やってるんだじぇ」 和「さすがに口に出していいことじゃないと思いますよ?」 京太郎「ん、2人とも取材は終わったのか?」 和「ええ。試合を見ながら、という形でしたので」 京太郎「阿知賀、すごいな」 和「ええ……私も負けられませんね」 優希「よーし!帰って打つじぇ!!」 京太郎「明日早いんだからほどほどにしとけよ」 和「ふふ、私も打ちたいですね。須賀くんもどうです?」 京太郎「また俺を飛ばそうというのか……」 京太郎(しかし、千里山の人達や新道寺の人達はどうしてるかな……怜さんとか、一度お見舞い行かないとな) 淡「ゴメン!!2位になっちゃった!!」 照「明日勝てばいい。それだけだから」 菫「そうだな。私も決勝までに癖を直して逆手にとってやる」 誠子「私も、決勝こそやってやる!」 尭深「私も」 照「……決勝、必ず勝とう」 菫・尭深・誠子・淡「おおっ!!」 照「じゃあ早く帰って……」 菫「どうした?冷蔵庫開けて固まって」 照「……試合前に入れておいて食べなかったプリンがない。誰?」ゴゴゴゴゴ 淡「あ!先鋒戦で菫先輩がトイレ行った時に……もが」 誠子「しーっ!」 尭深「それは内緒にしとかないと…」 照「……後輩達、明日の為にちょっと帰って打とうか」ゴゴゴゴゴ 東風戦だけで許しました 夜 京太郎「あいつら……本当に飛ばしやがって」 京太郎「最下位がコンビニに行くってのは、なんとしても変えよう。俺で確定だし」 京太郎「ん?公園にいるのは……」 京太郎「なんか国際色豊かな集団が……」 ダヴァン「助かりマシタ!これで大丈夫デス!!」 智葉「あのな……そりゃ友人として頼まれたなら断ったりはしない」 ダヴァン「さすがサトハ!」 ネリー「サトハ優しいからねー」 明華「この間も助けてもらいました」 ハオ「うん、助かる」 智葉「だがな……カップラーメンの特売でレギュラー呼び出したりするんじゃねぇよ!!何回目だよこれ!!」 ダヴァン「ですが、お1人様3個までで…」 智葉「味別々で15個もいらねーだろ!!業者かどっかからダースで頼めってこないだ教えただろうが!!」 ダヴァン「味が同じになります!!」 智葉「てめぇあんだけ食ってて味がどうこうぬかすんじゃねぇ!!緊急だっつって夜中に呼ぶ理由じゃねーんだよ!!」 ネリー「ほら、その分明日頑張るって意思表示だよー」 ハオ「日本人で言う誠意ね」 明華「これが……誠意」 智葉「微妙に違うわ。ったく、監督呼ぶか」 ネリー「サトハ職権乱用ー」 智葉「やかましい。帰りくらい監督も使ってやる」 ハオ「ナナツアタリ?」 明華「いえ、ココノツアタリ」 智葉「八つ当たりだ……もしもし……はい、はい……それじゃ」 智葉「少しかかるらしい。よし、待ってる間にこのラーメン食うか」 ダヴァン「ホワッツ!?酷い!!」 智葉「うるさいこれくらい当然だ」 ネリー「じゃーネリーこれー」 明華「私はこの定価が一番高いのを」 ハオ「じゃ、坦々麺」 ダヴァン「みんな容赦ないデスネ!!」 京太郎「アレって明日の相手の臨海だよな?公園でラーメンって……」 智葉「ま、お湯が無いし夜だから食べるのは無理だがな」 ダヴァン「ホッ」 智葉「つーわけでテイクアウトだ」 ネリー「はーい」 明華「夜食にします」 ハオ「日本のレベル……期待してる」 ダヴァン「結局減るんデスネ……もう諦めマス」 智葉「で、そこで見てるのは誰だ?覗き見とは感心しないがな」 京太郎「あー……別に覗いてた訳じゃないですよ。たまたまです」 智葉「ん?お前……清澄の人間か?」 京太郎「分かるんですか?」 智葉「対戦校のデータくらい頭に入れるさ」 ネリー「あ、Kちゃん!」 ダヴァン「おお!あの時はお世話になりマシタ!」 明華「あ、お礼がまだです」 ハオ「知り合い?」 前話 次話 名前 コメント
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444 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 12 50 28.51 ID YTkP7V930 [1/8] ゾロ目ボーナス! 京太郎「!!」 何があったかも思い出した。 全てを思い出した。 してしまった事の重大さに気付かされた。 口の奥が震える感覚、何よりも嬉しいのだ。 京太郎「!」ダッ ダッダッダ 0~20 エイスリンが玄関に!! 21~99 裏口だな 449 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 12 54 33.08 ID YTkP7V930 [2/8] 京太郎「裏口だな」 ーーー 白望の家 京太郎「シロッ!」 白望「……」ガチャ 京太郎「俺!!思い出した!」 白望「……」 コンマ多数決。 0~49 病んでた 50~99 抱き締めてくれた 安価下13まで多数決です 463 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 00 16.07 ID YTkP7V930 [3/8] 胸が痛みますね(嘲笑) 次にシロを狙う時に頑張りましょう 白望「京太郎……」 京太郎「……」 ドクンッ 気付いてしまった。 彼女はもうーー 俺の知っているシロでは無い事に。 白望「学校行こう……」 467 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 04 09.28 ID YTkP7V930 [4/8] 少し特殊な事が起きたので特別ルート採用。 通学路 白望「……」 エイスリン……邪魔な女。 必ず私と京太郎の行く道を邪魔するだろう。 京太郎「なぁ……シロ」 白望「どうしたの?」 京太郎「学校までおんぶ……?」 白望「うん……ずっと」 京太郎「ずっと!?」 京太郎「……エイスリンさんの事……許してあげないか?」 白望「アイツはきっと……だるい」 白望「思い出している」 白望「先に手を打たないと駄目……」 469 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 05 15.29 ID YTkP7V930 [5/8] 京太郎「ーー」 俺はーー 1.止める 2.止める事が出来ない 3.自由安価 安価下6 478 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 11 27.83 ID YTkP7V930 [6/8] 京太郎「一緒に逃げないか?」 白望「……」キュン 京太郎「なぁ……ダメか?」 白望「どうして……ここまで?」 京太郎「シロがどうなっても、俺はずっと好きだからな」 京太郎「後も追っちゃったし」 白望「そうだったんだ……」 白望「考えとく」 京太郎「それにな……エイスリンさんは一度俺が……」 0~50 シロッ!キョウタロウ! 51~99 学校到着 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 19 27.35 ID YTkP7V930 [7/8] ゾロ目ボーナス 京太郎「シロ」グイッ 白望「!」 熱い口づけだった。 とろけてしまいそうな程に。 京太郎「考え直してくれないか?」 白望「うんっ……」ブルッ 大好き。 やっぱり彼の前では等身大の自分に戻ってしまう。 白望「うちに来て……逃げる準備も兼ねて」 京太郎「おう、いいぞ」 / \\. / | |l \ \ \ \\ / | | |l | ll \ |l\ | ハ l| )'. ′ | | |l | 斗- |\ リ _)ノイ リ' | | { { |l { 从 八 }/ /心∨ ∧ | |〃 八 \x云ミ)' V)リ'∨ ∧ | | |l l \ \l\/ん 刈 `~. .‘, \ l | |l | | \ \{{乂),ツ ` }\ \ l | |l | |_//\ \\. . ┐ / \ \ ,′ | リ | / ){/ ̄\ \\ ` =' ∧\ \ } ′ l/ |‘イ个ー=ニ=┬ \\____∧ ‘,\ )ノ / / { l| | l| | l l|___} }/( l| l ll l |l/ { { | l| | l| | |∧__|/`ヽ)ハ八 リリ ノ' 八八 l 从 l|八 乂乂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/__ )八 ( ∨ \廴_彡' ∨// )' ー/ ∨__ / ∨ ´ \ / ∨ ___,\ /} \| / | / / \_\ | . / | / { \\ } /| | / { ∧ \「 | | ./ \ ∧ \| 「 | /`ー‐┬‐ ' { | | l| 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 26 15.40 ID 85PMFPjk0 [3/3] 熱い夜だった。 今までの分を互いにぶつけ合った。 京太郎「シロ……」ハァハァ 白望「京太郎」ハァハァ ギュッ ーーー 京太郎「バイトでアテがあるんだ」 白望「分かってる、着いて行く」 白望「京太郎となら、ダルくない」ニコッ 0~30 やっぱり元のシロだった 31~60 ピンポーン 61~99 まだ、俺が知ってるシロでは無いかも 506 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 33 01.02 ID YTkP7V930 [8/8] ピンポーン 京太郎「!」ガタッ 白望「どうしたの?」 京太郎「着替えろ……シロ」 白望「分かった……」 京太郎「予定が早まった」 京太郎「出るのはいまになりそうだ」 白望「もしかして……」 京太郎「……」コクリッ 0~30 オマタセ! 31~60 裏口裏口~ 61~99 ひとまず、待機 31~99 は通報前提です 516 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 37 38.87 ID P3F3QZP00 [1/4] バンッ ダッダッダ エイスリン「オマタセ!」カキカキ バッ (怒ったエイスリンの絵) 京太郎「……」 思い出してたか……迂闊だった。 白望「京太郎……」ギュッ ブルブル 震えてる…… 京太郎「待ってくれよエイスリンさん」 0~35 逃亡成功 36~99 無理 安価下13まで多数決 535 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 43 22.42 ID P3F3QZP00 [2/4] 一年後 京太郎「……」 京太郎「俺はーー」 エイスリン「♪」 この女のペットになっていた。 エイスリン「!」カキカキ バッ (シロの絵) 京太郎「……」 シロは無事らしい。 がーー そんなある日の事だった。 541 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 46 54.22 ID 5SggA6DQ0 [2/4] 俺は隣の部屋が見えるように穴をバレないように開けていた。 手と足の手錠もあと少しで外せる所まで来ていた。 俺はいつものようにシロの部屋を覗くと…… 悍ましい事が起きていた 俺はーー 俺はーー 同じ過ちを繰り返してしまった。 もう、生きる価値が無い。 544 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 48 41.16 ID 5SggA6DQ0 [4/4] ーーシロは俺の子を身籠っていた。 548 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 52 56.81 ID j55KWQxb0 エイスリン「シロッ!」 シロ「なに……?」 エイスリン「……」カキカキ バッ (胎児の絵) それをエイスリンは上からぐしゃぐしゃに書き潰した。 シロ「……!」 気付かれてしまった。 もう遅い、四肢が自由に動かない状態でそれはまずい。 シロ「お願い……やめて、それだけは」ブルブル エイスリン「ダメッ!」 グググッ シロ「ぐふっ……ぐ」 シロ「やめて……私はどうなってもいいからこの子だけは」ポロポロ シロ「やめて……!」ポロポロ グググッグググッ 554 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 13 58 47.85 ID B9fZ/1PM0 [1/4] シロ「やめっ……!」 メコォッ シロは苦痛と戦っていたのに、自分が辛いのに、我が子を第一に考えていた。 シロ「あっ……」ポロポロ シロ「あぁ……」ポロポロ シロ「子供……赤ちゃん……赤ちゃん……赤ちゃんがぁ……」ポロポロ 血が流れてもシロは気にも止めない。 シロ「名前……決めてたのに……」 シロ「私と京太郎の子供……白郎……ぁぁぁぁぁ」ポロポロ 京太郎「ぁぁぁぁあ!!!!」ドンドン 京太郎「やめろぉ!!!やめろぉ!!!やめろぉ!!」ドンッ 京太郎「ふざけるなぁ!!!!」バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン エイスリンは汚れたホワイトボードを綺麗にして微笑んだ。 -―― ‐- . ' ` . ' 、 . ' \ ' ヽ . / { i ‘. ./ i. {\. 斗--ト、 .l i ./ィ | ‘. ヽ | .|/}/N | ./ | i、 .ィ\ \ }/ ___| |ぇ . / .| '.ヽ/ .| ` -- 一 ィ'" ̄` .| |-' . { | i. i V\| _ .′ ' . | |i |、 '. .〃 ̄ 、 .′ .' . Ⅵト、と\ト'. “ , ′ .′ l /} ー- 、 ー i .′| | / / . ィ| .' , | ./i .ハ| .' / .イ _フ T ¨´ ,| 廴_/|/ .|/ l/}/ .|、 ..斗= 「| II 、 八 V.| `''< | { /´ l.| II ヽ / \ V `ヽ ‘. V .l |Ⅶ .ィ"入辷ミx 厂 、 \ .l | Vヾ.イ lヽ,イ入メ/ } 、 / ` .l l r─────‐┐ { ' 、 i@二二二二二二二二二| |二二二二二二二二@i | | ┌───────‐.|______l ‐─────―┐ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | , ┴- 、 ,,  ̄`ヽ ./ ´ ̄`=ぅ r''"´ ̄ ̄ `ヾ { '´ ̄ ̄ フ 弋二二^” } '. ,  ̄ア ヽ.._ ` ./ 、 , イ .| | |`ヽ / \| | | | | | / | | | | | |´ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | └ー────────────────────┘ | | |....二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二.. | 560 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 02 49.67 ID B9fZ/1PM0 [2/4] 二人で築き上げた物を。 かき消された。 全てまっさらな、シロに…… エイスリン「……」クスクス そして、ノコギリを手に取り。 エイスリンはシロに近付いた。 白望「いいよ、もう……」 白望「京太郎」 シロは最後に壁越しの俺を見て微笑んだ。 後ろからは酷いことを首にされてるのにも御構い無しに。 最愛の人は微笑んだ。 562 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 05 04.99 ID B9fZ/1PM0 [3/4] ギーコォーギーコォ ギーコォーギーコォ 白望「京太郎」 白望「ごめんね」 ギーコォーギーコォ 白望「愛してる」 白望「また会えて良かった」 ギーコォーギーコォ 白望「出来ることならーーまた」 白望「ーー貴方と結ばれたい」 ギーコォーギーコォ 白望「ーー」 ポトッ 565 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 07 19.11 ID B9fZ/1PM0 [4/4] バキィンッ 京太郎「……今になってか」 手錠が外れた。 俺は隣の部屋へと進む。 扉は蹴破って。 バァァァァンッ エイスリン「キョウタロウ!!」 エイスリンはノコギリで俺を殺そうとしているらしい。 やられる前にやる……か。 愚かだ。 567 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 11 10.72 ID /aApVr+v0 [1/3] 多少は切られても気にはしない。 俺はエイスリンの後頭部を掴むことに成功した。 そしてーー バァァァァンッ 壁に叩きつけた。 容赦はするつもりが無い。 苦しんで[ピーーー]ばいい。 エイスリン「ガッッ……!」 バァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッ エイスリン「ヤメッ……!」 京太郎「シロがやめろって言ってお前はやめたのかよおおおおおお!?」 グチャ 鮮血と共にエイスリンは醜い形へと変貌した。 京太郎「はぁ……はぁ……はぁ……!」 シロ…… 569 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/05/24(土) 14 11 45.90 ID /aApVr+v0 [2/3] 多少は切られても気にはしない。 俺はエイスリンの後頭部を掴むことに成功した。 そしてーー バァァァァンッ 壁に叩きつけた。 容赦はするつもりが無い。 苦しんで死ねばいい。 エイスリン「ガッッ……!」 バァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッバァァァァンッ エイスリン「ヤメッ……!」 京太郎「シロがやめろって言ってお前はやめたのかよおおおおおお!?」 グチャ 鮮血と共にエイスリンは醜い形へと変貌した。 京太郎「はぁ……はぁ……はぁ……!」 シロ…… 570 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 13 20.21 ID /aApVr+v0 [3/3] 俺はシロと最期の口づけを交わした。 そしてーー シロを持って。 その場を後にした。 575 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 23 26.14 ID P3F3QZP00 [3/4] エピローグ ここで良い。 ここが二人の最期のデートだ 廃部になった麻雀部、その部室。 京太郎「夜になっちゃったな、シロ」 京太郎「ごめんな、守れなくて」 「ーー京太郎は気にしなくて良い」 京太郎「ーー!」 京太郎「俺……疲れちゃったよ」 出血が激しい。 素人が下手な手当をする物では無いな。 / / / ! ', ヽ ヽ \ \ / ,' l ', \ ヽ、 ヽ \ ' ,' !',, ', ` 、、 ヽ ヽ ヽ {l ,' l . l ヽヽ ヽヽ ヽ \ / ,' l | \ \ヽ"'' - ,, ヽ~\ ヽ ! | !| \ < ~ "' 、 ', ! ヽ , \ ヽ ,' /! .∧ __ ~ー ヽ < ,,x≦ }ヾy、', / } ,' l ,'! l !l 、~ ',丶-- `  ̄彡ヤ" o } }/ }/i / \ ヽ ,' { ,' !| |! ∧ヾ __ ≦ ===ミ 弋 ノ ./、 ヽ |/ 、 . ! | | | ∧ .|l ヤ o } ¨ ! } \ ', 、| |.∧ 、 廴 ソ | / ヽ , | 、∧ , |' ヽ ヽ / | | ヽ ', / ',ヽヽ } ´ ̄`ヽ | ', ∧ ,' } ヽ! / / ダ l / \ヽ 、 ,-_‐、 イ ヽ! // | ル | ', ! ', 、ー > | | .い | 丶 丶、 \ > イ .!__ | : !  ̄ -| ` ‐ | 八 ヽ / / ヽ! / ヽ ---' / \ イ | <.. ,, - ''"| ` ヽ / 、 l ...< 京太郎「今ーー行くよ」 白望「馬鹿……」 カンッ 588 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 14 43 38.46 ID QNWx5K8C0 [2/6] ワイは宮守の全てを愛してるんやで? つぎいっくよー 記憶引き継ぎに関しては とある一定のコンマを引いたヤンデレのみ引き継ぎと考えています(高校が同じキャラの場合)ので、安心して前回選んだ高校も選んでください。 前回ヤンデレだったあの子も……! プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 前行った高校でもあり 前行った高校の場合は記憶引き継ぎ安価します 安価下13 650 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 03 59.53 ID z/gHU2770 照 67 菫 68 尭深 51 誠子 79 淡 81 (皆が待ちに待った白糸台編始まります) 京太郎「行ってきまーす」 ーーー 京太郎「ここ、東京だよな?」 京太郎「まぁいいや、どんどん進むぞ」 登場人物安価 誰がくる? 0~20照 21~40菫 41~60尭深 61~80 誠子 81~99 淡 安価下1 653 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 13 40.21 ID q6q7KNDq0 [4/4] 淡「ん?」 京太郎「ん?」 京太郎「髪の色……一緒だな」 淡「そうだね、それに……君とは気が合う気がするよ」 京太郎「奇遇だな、俺もだ」 淡「髪の色が一緒だしねー」 京太郎「確かに」アハハ 淡「よろしくっ!」 京太郎「おうっ!俺は須賀京太郎!」 淡「私は大星淡!」 _, -──- .,_ '´ `丶、 / \ , / \. / . / ヽ ′ / / `、. .' / /, // /| | ` i . / 」_ ′/ | | i| . i. i | j/, /イ`メ、 | 小 || ト.! j .| ∨/ / |/ ヽ | ァT丁l | | ノ i| V j 抖竿ミ ノ ノ ,ノイjノ | i___ ____彡' , i| i| j 八| x x /ィ竿ミ 刈 | } ̄¨ え≠ / 八 i|/l | | x x / ノ | ′ / -‐ ' ハ 八 ト、 ヘ.__ ` 厶 イ ノ/ __,.斗‐=≠衣 ヽ八\ 丶.__ソ . イ(⌒ソ イく jア¨¨^\ \ \ >-=≦廴_ ア /ノヘ\ 斗ァ'′ \ \ ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ/圦 | 、\ ヽ 、∨tl `ヽ . ∨ V\ i { `| Vi \ ハ i } | } i } ∨,} }≧=- | 辻_V\`i} i } | /} iハ} 辻ノ ノ ¨〕V//リ iノ ////V〔 ¨〕 淡好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大 660 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 32 00.58 ID fuXnnoY/0 淡の好感度が30上がりました 淡 好感度max 依存度 111 淡「ふふっ」ニコニコ 京太郎「ん?どうした?」 淡「これからもよろしくね!」 ーーー 放課後 淡から誘われたし、麻雀部に行ってみるか。 京太郎「うわっ」 凄い部員の量だな。 「!」 菫「君が須賀京太郎か、淡から話は聞いている」 京太郎「は、はい!」 菫「私は部長の弘世菫だ、よろしく」 京太郎「はい、よろしくお願いします!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 664 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 39 53.63 ID ibpRCkvr0 [1/2] 菫の好感度が10上がりました 菫 78 京太郎「よろしくお願いします!!」 菫「そう畏まらなくてもいい。よろしく」 尭深「そう……」 京太郎「あ……」 尭深「よろしく」 京太郎「は、はい!よろしくお願いします!」 掴み所が難しい人だなぁ。 尭深 好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大 667 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 42 30.85 ID ibpRCkvr0 [2/2] 尭深 好感度上昇 10 尭深 61 誠子「君が京太郎か」 京太郎「は、はい!」 俺より髪が短い! そして、なんというか……かっこいい。 誠子「私と似てるな」 京太郎「ど、どこらへんが?」 誠子「不遇……かな?」 京太郎「???」 誠子好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大 671 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/24(土) 23 47 07.30 ID z0PtFlD50 クロチャー…… 誠子の好感度が50上がりました ゴゴゴゴゴゴゴ 照「君が須賀京太郎……」 照「よろしく」 京太郎「ひゃ……ひゃい」 怖っ!なんだこの人! オーラすげえ! _. . . . ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ` . 、 ,. . / ` .、 ' \/ \ / / , ヽ / / / / , . / / / / / , .∧ / / .' ' / / / | | | ∧ / / , -、| / / /,、 / , , | | ∧ .' / /,'⌒| /| / イ / ,\ / / | l | . | | { { ∧ 从{ {/ 「¨≧、 } / , / .' }_ \ | | 乂__)∧ | /r' Y〃 / / / / ` ー ' | | / Ⅵ 〈ソ /イ / イ / }/ | | ,′ \ 乂 / イ / | 八 | { ノ'/ | l 从| 、 / ぱ从 ∧ | }' \ ,ィ-く く{ \ .{ \ j ∧、` . イ¨´ゝ \ ,rー---- 、 | \ \ / ノ } / 7´ / `\乂_ \ | ̄ ̄\ --/ ` < ∧ { ( ̄ ̄`ヽゝ、 `ー-- | \ / `< `T¨¨¨¨ヽ ` | / >- 、 乂二二フ | , -/ ,. <>´/⌒,ム 乂__フ __ | / ,. <> ´ イ マム ` ̄´ |_/ ,. <>´> ´ . . / マム 0~30 小 31~60 中 61~99 大 680 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 04 36.94 ID ThDuD2q80 [1/2] 誠子 好感度max 依存度119 照 87 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 686 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 12 13.96 ID ThDuD2q80 [2/2] 京太郎「よし、メールするか」 京太郎「だれにメールしよう」 京太郎「誰かに電話するか」 自由安価 今までに出会ったキャラにしてください 前週キャラは無し 安価下7 699 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 28 01.54 ID 35K2uzOj0 [1/3] 淡の好感度が10上がりました 淡 好感度max 依存度121 元気か? 勿論 お前、一年でレギュラーなんだってな。凄いよ 100年生の私には当然だよ! はいはい笑 バカにしたでしょ! 気のせいだって ねえねえ、今度遊ぼうよ いいよ 土曜日ねー! ーーー 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 706 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 30 23.52 ID 35K2uzOj0 [2/3] 京太郎「バイトだ!」 ーーー 土方「腰動かせおらぁぁあ!!!!」 京太郎「腰!!!???」 ーーー 土方「ほれ、今日の給料」 京太郎「ありがとうございます!!」 土方「おまえ筋が良いからな、次来たら遠方の仕事も回してやるよ」 京太郎「はい!!ありがとうございます!!」 遠方の仕事なんか行く意味無いだろ。 ーーー 京太郎「誰かに電話するか」 それにしても電話帳に知らない人が居るのはなんでなんだろうな、暇潰しにかけるのもいいかも知れない。 自由安価 今までに出会ったキャラにしてください 前週キャラは危険な場合あり 安価下7 718 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 53 06.40 ID syw9NVOO0 菫の好感度が10上がりました 菫 88 菫「なんだ、須賀か」 京太郎「これからも俺麻雀に行きますからどうかよろしくお願いします」 菫「なんだ、そんな事か」クスクス 京太郎「え?変でしたか?」 菫「全然。これからもよろしく頼む」 京太郎「はい!」 ーーー 京太郎「誰かに電話するか」 自由安価 今までに出会ったキャラにしてください 前週キャラは危険な場合あり 安価下7 728 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 00 59 39.35 ID 35K2uzOj0 [3/3] 尭深の好感度が10上がりました 尭深 71 尭深「もしもし」 京太郎「あっ……」 京太郎「よろしくお願いします」 尭深「もう挨拶は済ませたよ?」 京太郎「あはは……」 尭深「……」クスッ 笑ってくれた! ーーー 京太郎「誰かに電話するか」 自由安価 今までに出会ったキャラにしてください 前週キャラは危険な場合あり 安価下7 737 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 01 20 33.41 ID XOy5RahL0 照の好感度が10上がりました 照 97 照「……?」 京太郎「咲の……お姉さんですよね?」 照「覚えてたんだ……京ちゃん」 京太郎「照さんの事を忘れない訳無いじゃないですかー」 照「ふふっ……ありがとう」 京太郎「昔のように呼び捨ては出来ないですけどね」クスッ 照「別に呼び捨てでも大丈夫」 京太郎「俺が皆に怒られちゃいますよ」 照「だね、じゃあ。それはやめよう」 一日が終了しました 739 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 01 25 38.16 ID C7i63AwP0 [1/3] 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下5 746 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 01 44 30.15 ID C7i63AwP0 [2/3] 淡「この私をサボりに誘うなんてね」 京太郎「わりいわりい」 淡「相当のワルだね」ニヤリ 京太郎「そんなんじゃないって」 淡「じゃあどうしてー?」 京太郎「それはーー」 自由安価 淡になんて言う? 安価下7 754 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 01 52 10.72 ID C7i63AwP0 [3/3] 淡「本当?ありがとう」 京太郎「おう!」 淡「ねぇ……何処に連れて行ってくれるの?」 京太郎「何処がいい?」 淡「うーん」 淡「京太郎が行きたい所でいいよー」 京太郎「そりゃあ光栄だな」 淡「ふふふー」 淡 好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大 758 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 08 00 31.03 ID e8SLfXbZ0 淡の依存度が10上がりました 淡 好感度MAX 依存度131 淡「へえ……スイーツかぁ」 淡「どうしてここを選んだの?」 京太郎「どうしてって、淡が好きそうだからな」 淡「合格~!」 京太郎「ははっ俺はテストされてたのか?」オイオイ 淡「ふふんっ最初っから合格だよ~」 / \ _人_ ' ` 、 \ Υ'/ / / ト、 丶 / / / | | | Χ } .′ il / | | \ | / `、 リ | i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } | | | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j | |l l|斗示芋ミ、 ''h! } ,′ , |l 八 И'h! } 乂___ノ / / || \| 乂__ノ /i/i/ / /l| .八 ゝ /i/i/i i / / / / | ‘,\ ハ r ア /l/ / / | ト、 込、 _ノ // ,イ l| |l l\ \> .,_ /∨ /l| 八_ |ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ | | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧ | |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \ | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶 京太郎「?」 次はどこに行く? 自由安価 安価下9 773 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 13 54 26.90 ID bqoU769h0 夜 京太郎の部屋 京太郎「あはは」 淡「うふふ」 ぎこちない…… どうして俺の部屋に呼んだんダァァ! 淡「ねえ」ズイッ 京太郎「うっ」ビクッ 淡「どうして」 淡「どうして部屋に呼んだの?」 京太郎「そ、それは……」 自由安価 理由を述べよ 安価下9 786 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 14 13 43.81 ID sVf/bPrb0 京太郎「麻雀を鍛えて欲しいなーって」 淡「根性無し」ボソッ 京太郎「?」 淡「いいよ、教えてあげる」 ズイッ 淡「ふふっ」 京太郎「どうして俺の膝の上に……」 淡「その方が教えやすいからね」 顔が赤い……多分俺も赤いけど。 互いに興奮しているのは間違いない。 京太郎「淡……」 淡「京太郎……///」 ドキドキドキドキドキドキ 1.好きだ 2.抱き締める 3.キスする 4.帰ってくれ 5.家まで送るよ 6.やめよう 7.自由安価 安価下9 802 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[ ] 投稿日:2014/05/25(日) 14 27 05.19 ID UThBO65j0 京太郎「好きだ」 淡「うん、しってる」 俺は力強く淡を抱きしめた。 淡「もお……駄目だよ///」 京太郎「……」 淡「電気……暗くして?」 パチンッ ーーー 京太郎「そろそろ寝るか」 淡「えへへーお泊まりだー」 淡「もう一回……する?」 京太郎「あはは……」 prrrrr 京太郎「ん?」 京太郎「電話だ」 自由安価 この週で出会ったキャラのみ 前週キャラは不可 コンマ85~99 は強制的に前週orこの週のヤンデレが選択されます 安価下5 816 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 14 38 34.45 ID dorLGOhh0 [1/22] 淡は居るから安価下 ゾロ目ボーナス! 菫の好感度が50上がりました 菫 好感度max 依存度 138 京太郎「あ、もしもし」 菫「私だ。君を好きになってしまった」 京太郎「へっ?」 素っ頓狂な声を出してしまった。 耳元には淡、目が血走っている。 淡「……スミレ?」ボソッ 菫『結婚を前提に付き合って欲しい』 京太郎「ーー!」 1.すいません、俺には淡がいます 2.考えさせてください 3.明日返事をします 4.自由安価 安価下7 838 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 14 49 54.68 ID mt+OhQ9c0 [1/2] 京太郎「明日返事をします」 菫「そうか、よろしく頼む」 淡「……」 プツッ 京太郎「あはは……どうしよう」 答えは決まっているけど、どこかやるせない。 淡「ぶーっ!」プンプン 淡「もう一回!」 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ // . . . . . . . . . . ゙、 i. . / . . . .| ゙、 ノ, // ;.ィ ∧ | ゙、 /イ. / / . // // 、 ;、 | . i ( ( i/ / / // // i | | | ! |゙、 シ;.ィ / / / // ! |/ | | | ゙、 r;='"´//i //ーメ _ ! /__,..」 ! | | ヽ, リ / !イ ハ! .,ィ=≧ミ、 ,/._,∠二/!| ! | ノ ,..- .‐ .' .´ ノ| ;、'^ 〈 !; i゛ //イ! ;レ7 /i| ! ;! / i r―ー-‐'"/ ! i .丶.i ヒ二⊥ ,/ /ヲ- !/ ;! / /リ. | | ノィー| |‐-‐'゙、 """ レ′ / / / // ー=ノノー---< ,.┤ | .| \ ' _ノ/ /、 '" `ヽ、 / ! | | iー- 、` ´ _,..-‐'/ /  ̄/7ヽ, \/ ゙、 !| |  ̄,. '.;"´ / // /ヽ / ゙、゛、 |_ //;.イ´ // ゙、 / ヽ ヽヾ ト、 ` i / ̄/ // | r'"´ \ ト、、 ! フノ―/ /// i |. ゙、. |`i 、゛、. i'"´ / // / i... ; ヽ ゙、. | i \\ i / // /_ // ゙、 |、ヽ λ | \\! / // / ̄ノ l 京太郎「マジで!?」 一日が終了しました 839 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 14 50 34.17 ID mt+OhQ9c0 [2/2] 淡「おはよー」 京太郎「おはよう」 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.部活 2.サボる 3.自由安価 安価下5 849 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 14 59 56.88 ID dorLGOhh0 [2/22] 京太郎「よし、部活行くか」 淡「はやくー!」 ーーー 京太郎「まだ誰も居ないな」 淡「ねー」 0~20 照 21~40 菫 41~60 尭深 61~80 誠子 81~99 淡 856 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 06 16.55 ID dorLGOhh0 [3/22] 誠子「お、先に来てたのか」 京太郎「は、はい」 淡「おはよー」 誠子「こら敬語を使え、敬語を」 淡「はーい」 誠子「よし、とりあえず三麻でもやろうか」 京太郎「はい!」 誠子 好感度 上昇安価 コンマ判定 0~30 小 31~60 中 61~99 大わ 861 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 11 56.01 ID dorLGOhh0 [4/22] 誠子の依存度が10上がりました 誠子(……好き……とは言えないなぁ) 誠子(きっと付き合ってるんだろうな) 誠子(幸せになれよ) ーーー 誠子 依存度129 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 867 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 15 59.76 ID dorLGOhh0 [5/22] 雀荘行くか 淡「私も行くー」 ーーー 店員「いらっしゃい」 0~20.わっかんねーなんで前の週で私と結ばれなかったのかわっかんねー全てが分からねー 21~40.シャーマン 41~60.すばらなおもちが! 61~80.プンスコ! 81~99.アラサー 871 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 18 41.21 ID dorLGOhh0 [6/22] 理沙「……」プンスコッ 淡「プロがいるんですけど……」 京太郎「あはは……打とうぜ」 理沙「打つっ!」プンスコッ ーーー 京太郎「」 淡「凄く強い……」 理沙「もう一回!」プンスコッ ーーー 京太郎「」 淡「も、もうやめよっか」ナデッ 理沙「……」プンスコッ 好感度判定AND上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 874 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 20 25.97 ID dorLGOhh0 [7/22] 理沙 好感度max 依存度120 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、淡も帰ったし何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 881 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 22 17.25 ID dorLGOhh0 [8/22] 京太郎「誰かに電話するか」 自由安価 今までに出会ったキャラにしてください 前週キャラは危険な場合あり 安価下7 892 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 27 23.32 ID dorLGOhh0 [9/22] 京太郎「もしもし」 菫「遅かったじゃないか」 声が枯れている? 京太郎「俺ーー」 なんと返事をする 自由安価 安価下7 906 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 34 55.92 ID dorLGOhh0 [10/22] 菫の好感度が10上がりました 菫 依存度148 京太郎「俺には淡が居るんです、ごめんなさい」 菫「そうか、きづいていたけど」 菫「そうだったのか」 京太郎「菫さん……」 菫「すまない」 プツッ ーーー 菫「うわぁぁぁ!!!!」グスッ 菫「ひっく……」 ーーー 京太郎「そろそろ寝るか」 prrrrrrr 京太郎「ん?」 京太郎「電話だ」 自由安価 この週で出会ったキャラのみ 前週キャラは不可 コンマ85~99 は強制的に前週orこの週のヤンデレが選択されます 安価下5 914 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 40 28.69 ID dorLGOhh0 [11/22] 理沙 依存度130 理沙「もしもし!」プンスコ 京太郎「あ、もしもしー京太郎です」 理沙「なに!?」プンスコ 京太郎「あ、えーっと」 京太郎「お疲れ様です!」 プツッ 京太郎「お、俺は悪くないぞ、多分」 ーーー 理沙「ひどい!」プンスコッ 一日が終了しました 915 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 41 08.93 ID dorLGOhh0 [12/22] 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下5 924 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 47 38.99 ID dorLGOhh0 [13/22] 京太郎「淡ー!」 まっててー! ガチャ 淡「行くよー!」 京太郎「おお、早い」 ーーー 放課後 京太郎「よし、放課後だ」 京太郎「さて、どうしようか」 1.麻雀部に顔を出す 2.まだ教室に残る 3.帰る 4.自由安価 安価下3 933 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 53 26.62 ID dorLGOhh0 [14/22] 京太郎「淡ー遊びに行こうぜ 淡「いいよー!」 ーーー 街 淡「プリクラ撮ろーよー!」 京太郎「ま、マジで?」 淡「当然っ!」 京太郎「いいよ!」 ーーー 京太郎「キスされるとはなぁ」 淡「えへへ、大事にするね」 京太郎「おう、そうしてくれ」 淡「ふふんっ♪」 ーーー 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 943 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 15 59 09.26 ID dorLGOhh0 [15/22] 淡「大星淡です」ペコッ 母「あんたにこんな可愛い彼女さんが出来るなんてねー」 母「信じられない」 京太郎「マジで!?」 母「うん」 京太郎「それでも母親かよ!?」 淡「えへへー」クスクス 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、淡も帰ったし何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 951 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 16 04 06.10 ID dorLGOhh0 [16/22] 京太郎「ど、どうも」カチンコチン 淡父「母さん、包丁」 淡母「はいはい」クスクス 京太郎「ひえええええ!!!命だけはぁぁぁ!!!」 淡「どうせ冗談だから気にしないでいいよー」 京太郎「なお怖いわ!!」 ーー絆が育まれた。 硬い絆が。 そしてこれからも育むであろう。 絆を。 954 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 16 05 18.41 ID dorLGOhh0 [17/22] ーーー 京太郎「そろそろ寝るか」 prrrrrrr 京太郎「ん?」 京太郎「電話だ」 自由安価 この週で出会ったキャラのみ 前週キャラは不可 コンマ85~99 は強制的に前週orこの週のヤンデレが選択されます 安価下5 962 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/05/25(日) 16 11 20.30 ID dorLGOhh0 [18/22] 照の好感度が10上がりました 照 依存度 107 照「おめでとう」 京太郎「あ、知ってましたか」 照「これで今回は幸せになれるよ」 京太郎「へへっ」 照「絶対に淡を幸せにしてね?」 京太郎「はい!当然ですよ!」 照「淡をよろしくね」 照「京太郎」 プツッ 一日が終了しました ハッピーエンドへーー
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白糸台監督「よーし集合!」 「「はい!」」ザザッ 白糸台監督「もう合宿も終わりが近い、というわけでこれからは初日のように白糸台2VS三箇牧2での試合を行ってもらう」 白糸台監督「適当に相手を見つけて卓に入ってくれ」 白糸台監督「では、解散!」 京太郎「はぁ…これで合宿も最後か」 京太郎「どの卓に入ろうかな……」 郁乃「~♪」ポワポワ 明華「~♪」ポワポワ 淡「……」ジーッ 京太郎「よし、あっちの方に行こう!」ガシッ 淡「ねえ、ちょうどいいから打っていかない?」 京太郎「い、いえ、遠慮しておきます」 淡「え?打ってくれるの?やったー!」 京太郎「言ってねえよ!」 郁乃「じゃ、サイコロ回すで~」 京太郎「ちょっと待って!」 ポンッ 明華「アキラメロン」 京太郎「諦められるかっ!」 開局 京太郎(なんだ……?) 京太郎(俺の腕が唸らない……!) 郁乃(おかしいな~) 明華「~♪」 京太郎(でも、来たか) 京太郎「ツモ!3000・6000!」 東2局 明華 19000 親 郁乃 22000 淡 22000 京太郎 37000 明華「~♪」 京太郎(少し動いてきたけど…なんだか寒い…)ガタガタ 淡(なんか今一ね~) 郁乃「おお、来たで~」 郁乃「ツモ!面混一通ダブ東ドラ3で~12000オールや~」 京太郎「は!?」 東2局1本場 明華 7000 親 郁乃 58000 淡 10000 京太郎 25000 明華「~♪」 郁乃「っ!」ゾクッ 郁乃(なんやこの感覚……) 京太郎(うわー聴牌できねー) 郁乃(あかんなぁ~) 郁乃(こんな流れは早く切らせてもらうわ~) 郁乃(ちょうどあの子も聴牌したみたいやし)トン 明華「ロン!ピンフのみデ1000!1本場で1300!」 東3局 明華 8300 郁乃 56700 親 淡 10000 京太郎 25000 全員ノーテンのため、流局 明華「~♪」 郁乃(なんやこの歌…) 京太郎(頭がグラグラする…) 淡「あーもー!」 東4局 明華 8300 郁乃 56700 淡 10000 親 京太郎 25000 明華「~♪」 京太郎(今はなんともないみたいだな……) 京太郎(この隙に……)スチャ 京太郎(よし、来た!) 京太郎「ツモ!ツモのみで500オール!」 菫「ロン(物理)12000」ザシュッ 宥「うっ…痛いよぉ……」グスッ 咏「あーあ、泣かせちゃったー」 菫「す、すまん、そういうつもりじゃなかったんだ」アセアセ 東4局1本場 明華 7800 郁乃 56200 淡 9500 親 京太郎 26500 明華「~♪」 京太郎(また……) 淡(なによ…これ) 郁乃(これ以上は少し、しんどいから)トン 明華「ロン!1000!」 郁乃(仕掛けさせてもらうで~) 【身代わりの幻影】発動! 聴牌判定まで戻ります 東4局1本場 明華 7800 郁乃 56200 淡 9500 親 京太郎 26500 郁乃「ふぅ……」 明華「??」 淡「どうしたの?早く取りなよ」 明華「う、うん」スチャ トン 郁乃「私の番やな~♪」スチャ 郁乃「あ、揃ったわ~」 京太郎「え?」 郁乃「ツモ~地和で8100・16100や~」 淡「ち、地和!?」 ざわ……ざわ…… 咏「へぇ~地和かーわっかんねーな」 やえ「よそ見をしている場合か?」 やえ「リーチ!」 咏「あ、それロン」 終局 郁乃 88500 京太郎 10400 淡 1400 明華 -300 白糸台監督「よーし、これで全部終わったみたいだな」 白糸台監督「じゃあ焼き肉いくぞ、焼き肉」 京太郎「焼肉の時間だあああああ!」 京太郎「どんどん焼いて行こう!」 明華「それ、焼きぇてルヨ」 京太郎「あ、はい」 明華「ありがと、はむっ」 明華「おいしす~」 京太郎「そういえば、雀さんって歌が好きなんですか?」 明華「咏?」 京太郎「そっちじゃなくてsongの歌です」 明華「うん、好きだよ、愛してると言ってモいいネ!」 京太郎「へ、へーじゃあ得意な歌って何ですか?」 明華「得意ナ歌カー……」 明華「pretty flyトカかなー」 京太郎「pretty fly?」 エイスリン「ワタシ、ソレシッテル!」 明華「じゃア、一緒ニ歌オウ!」 エイスリン「ウン!」 ―――――――――――――――― エイ華「「ドウダッタ?」」 京太郎「ふ、二人ともお上手でしたよ」 京太郎(あ、アフロとチンポ?) 憩「なあ、エイちゃん、明華ちゃん」 エイスリン「ドウシタノ?」 憩「あ、あんたら……///」プルプル 憩「そ、その……///」 明華「?」 憩「さ、さっきからチンポとか、しこしこ精○とか、何言っとんねん!」 京太郎「……」 明華「……」 エイスリン「……」 京太郎「あ、この肉もう焼けてますね」 憩「せめて何か反応して!」 京太郎「次は……野菜を焼いてくか」 京太郎「まだあまり食べてないんだよな、肉」 やえ「ああ、須賀、これは私が焼いておくからお前は肉を食べてろ」 京太郎「いいんですか?」 やえ「構わんさ、こーゆーのも先輩の役目だからな」フフン やえ「それに最近太り気味だから制限しないとだし……」ボソッ 京太郎「ありがとうございます、じゃ、早速……」 京太郎「そういえば、小走さんは目標とかあるんですか?」 やえ「そうだな……まずはこのチーム虎姫で3連覇、それと西東京個人戦1位で全国優勝だな」 京太郎「うわ、大きいですねー」 やえ「目標は大きくなければな!それが王者というものだ!」 京太郎「ただ、前の目標は達成できないと思いますよ」 京太郎「三箇牧は負けないので」 やえ「ほほう、須賀もなかなか言うなぁ」 京太郎「まあこっちには個人戦のトップ2がいますからね」フフン やえ「お前が威張ることじゃないだろ」 京太郎「飲み物を取って来よう」 淡「あ、オレンジジュース取ってきてー」 京太郎「自分で行きなさい」 淡「そんなかたいこと言わずにさぁー」 京太郎「はぁ……わかったよ」 京太郎「はい」 淡「ありがと」 京太郎「……」ゴクゴク 淡「……」チュー 京太郎「なあ、淡のマイブームって何だ?」 淡「何よ、急に」 京太郎「いや、気になっただけだからいいや」 淡「あっそ」 京太郎「……」ゴクゴク 淡「……」チュー 淡「……ぬいぐるみ」ボソッ 京太郎「ん?ぬいぐるみ?」 淡「私のマイブーム!」 京太郎「ぬいぐるみ集めが好きなのか?」 淡「そうよ、悪い?」 京太郎「なんだ、遊戯王とかマリオとかかと思ってたぜ」 京太郎「結構女の子っぽいんだな」 淡「何よ!それじゃあ私が女じゃないみたいじゃない!」 京太郎「まあ、そりゃ……な」ジーッ 淡「どこ見てんのよ……っ」 京太郎「平原だからね、しょうがないね」 淡「こんのぉ!」 京太郎「やめて!醤油一ビン丸々飲ませようとしないで!危ないから!」 京太郎「あれ、弘世さん肉食べないんですか?」 菫「冷麺さえあれば十分だ」チュルチュル 京太郎「でも結構おいしいですよ、このカルビとか、いい焼き加減ですし」 菫「うっ…いや、私は冷麺でいいんだ!」 京太郎「このロースとか」 菫「ぐっ」 京太郎「このハラミとか」 菫「ひっ」 京太郎「このピートロとか」 菫「うぅ…」 京太郎「この特上カルビなんか特に」 菫「あ、あんまりだ……」 京太郎「で、弘世さんって何が好きなんですか?」 菫「カントリーマアムとか、ポッキーとか」 京太郎「お菓子ばっかりですけど、普通の食事は…」 菫「カニとか、親子丼とか……」グー 菫「あっ…///」 京太郎「はい、特上カルビです」 菫「い、いらん!」 京太郎「それも好きなんでしょう?」 菫「なっ……はぁ」 菫「君には参ったよ……」パクッ 菫「お、おいしい!」テーレッテレー 京太郎「もうそろそろ焼肉も終わりかぁ」 咏「うへぇ、もう腹いっぱいだぜぇ」 京太郎「お前は女の子なんだからもっと慎ましくしなさい」 咏「慎ましさとか、そんなん知らんし」 京太郎「デザート、なんかいるか?」 咏「いいのか!?」キラキラ 京太郎「どうせあっちの監督さん持ちだし」 咏「京太郎、おぬしも悪よのぉ」 京太郎「いえいえ、三尋木さんこそ」 白糸台監督(私のことも考えてよ……) 京太郎「で、抹茶パフェか」 咏「おう!」パクパク 京太郎「よく入るな」 咏「和食は別腹だぜ!知らんけど!」 京太郎「そういえば、咏ってさ」 咏「ん?」パクパク 京太郎「好きな人っているのか?」 咏「…」パクッ… 咏「は!?」 京太郎「な、なにをそんなに驚いているんだ」 京太郎「ひょっとして、いるのか?」 咏(ど、どういうことだよ…前にも聞いて来なかったか?) 咏(それでも…まだきいてくるってことは……///) 咏(そ、そんなわけないない!) 咏(……知らんけど) 咏(なんか顔が赤いしっ!) 咏「の、ノーコメントで!」パクパク 咏「ご、ごちそうさま!」ガタッ 京太郎「う、咏?」 咏「じゃ、じゃあ私ちょっと抜けるな!」タッタッ 咏(ひとまず退散だ!) 京太郎「うーん、腹でも下したのかな」 白糸台監督「えー、これで白糸台、三箇牧合同合宿は終了とさせていただきます……」 白糸台監督(もう今月用の生活費無くなったよ、かっこつけるんじゃなかったよ……) 白糸台監督「はい、解散……」 「「「お疲れ様でしたー!」」」 白糸台監督(なんでこんなに元気なんだよ……) 京太郎「さてと、荷物も持ったし、帰るか…ん?」 やえ「な、なあ」 京太郎「どうしたんですか?」 やえ「こ、これ」つメモ 京太郎「これは…メアドと電話番号ですか?」 やえ「か、勘違いするなよっ!須賀からメールを送ってきてもらえたら嬉しいなぁ、なんて」 やえ「これっぽっちも思ってないんだからな!」 京太郎「は、はぁ……じゃあ帰ったら送りますよ」 やえ「ほ、本当か?マジか?ガチか?」 京太郎「リアリーです」 ―――――――――――――――― 京太郎「今度こそ駅へ!」 淡「きょ、京太郎、これあげるから」 京太郎「お前も、連絡先か?」 淡「そ、そうよ、悪い?」 京太郎「悪くないって、むしろ嬉しいよ」 京太郎「ありがとな」ナデナデ 淡「えへへ……って、頭をなでるな!」ゲシッ 京太郎「痛っ!」 ―――――――――――――――― 尭深「須賀君…これ」 京太郎「これって……鷹!?」 尭深「そう、尭深だけに」 京太郎「なんだ、おもちゃじゃないですか」 尭深「はい、これ」 京太郎「ああ、連絡先ですか」 尭深「うん、須賀君とは同じ匂いがする」 尭深(戒能プロからするのは、きっと気のせい) 京太郎「あれ、じゃあどうして鷹?」 尭深「キャラは大事」 京太郎「そ、そうですか……」 京太郎「今度こそ…あ、これは牌のお姉さんこと瑞原プロのホログラフィックカードじゃないか!」 京太郎「まさか落ちてるなんて……」 ヒュン 京太郎「う、動いた!?って」 京太郎「誠野さんですか……」 誠子「亦野誠子だ、混ぜるんじゃない」 京太郎「で、あなたもなんですか?」 誠子「も?なんのことか知らないが、小走先輩からお前の話を聞いた、そして心を変えた」 誠子「私は間違っていたんだ、だから今謝らせてくれ」 誠子「すまなかった」ペッコリン 誠子「それと、これが私の連絡先だ」 京太郎「結局そうなるんですか」 ―――――――――――――――― 明華「スーガくん!」 京太郎「あ、雀さん、合宿は楽しかったですか?」 明華「うん!ありがとネ!」 明華「そだ!これ私ノ連絡先!」 京太郎「あ、どうも」 明華「着メロハ、pretty flyだヨ!」 京太郎「考えておきますね……」 京太郎(いけない、また…)モゾモゾ ―――――――――――――――― 宥「あったかかったな~」ホクホク 京太郎「そういえば、松実さんはどうやって帰るんですか?奈良ですよね」 宥「玄ちゃんが迎えに来てくれるから大丈夫だって~」 宥「玄ちゃんってば『おまかせあれ!』って張り切っちゃってね~」 京太郎「そうなんですか……」 京太郎(どうしよう、不安しかない……) 宥「あ、そうだ、これ」 京太郎「また連絡先ですか……」 宥「困ったことがあったら頼ってね、私、おねえちゃんだから」ニコッ 京太郎「は、はい!」 【その頃、青梅】 玄「白糸台ってどこぉ、おねえちゃ~ん」グスッ 【清々荘】 霞「これで遠征は終わりよ!」 霞「あと3週間後には地区予選があるわ、そして全国に進むために倒さなければいけないのは千里山!」 霞「あの子たちは強い、でもあなたたちはもっと強いわ!」 霞「自信をもって、全力以上であたりましょう!」 「「「「おー!」」」」 【6月第4週 遠征】終 【7月第1週 平日】 京太郎「須賀京太郎の朝は早い」 京太郎「この人はいつまでここにいるんだろうか」 良子「ぼっちじゃない……けっ…して…」Zzz 京太郎「しかし、もう地区予選か、早いな」 京太郎「学校ももう3か月か」 照「感慨深いね」ウンウン 京太郎「久しぶりだな」 照「どうだった、白糸台は」 京太郎「いいところだったよ」 照「そうか……」 京太郎(もう会話終わり!?) 京太郎「照って合宿中なにしてたんだ?」 照「合宿中は……本読んで、お菓子食べて」 照「本読んで、お菓子食べて」 京太郎「わかった、もういい」 照「あ、寝てたな」 照「風呂にも入ったし、トイレもした」 京太郎「そりゃそうでしょ」 照「みんな…元気だった?」 京太郎「みんな……ああ、元気だったぞ」 照「そう……」 照の好感度が上がった! 京太郎「昼だ!どこで食べよう!」 京太郎「今日はトイレで食べてみるか」 京太郎「どんな感じなんだろうな」 京太郎「ん?清掃中?」 良子「ソーリー、今から始めるから少しウェイト……」 京太郎「なんでここにいるんですか」 良子「ふっふっふ、私は今日からここでアルバイトなんだ!」 京太郎「バイト?プロなのにですか?」 良子「まあ暇だからな、それで須賀くんはトイレに何をしに来たんだ?」 京太郎「大きいか小さいかしかないでしょ、ふつう」 京太郎「今日は食べに来たんですけど」 良子「食べる!?ビッグ・ベンを!?」 京太郎「トッププロが何言ってるんですか」 良子「今はバイトだ!」 京太郎「これですよ、弁当」 良子「なんだ、そういうことか、じゃあこの後私と食べに行かないか?」 京太郎「いいんですか?」 良子「時間はたっぷりあるからな!」 京太郎「威張っていえることじゃないのですが、それは」 良子「というわけで、空き教室だ!」 京太郎「鍵がかかってたはずですが……」 良子「三箇牧高校の作業員である私が持っていない鍵など、ノー!」 京太郎「そうですか、そういえばその作業着ってここの制服みたいですね」 京太郎「なんとなくナース服みたいな感じがします」 良子「そ、そうか……どう思う?」 京太郎「はい、可愛いと思いますよ」 良子「そうか……えへへ///」 京太郎「そうだ、戒能さんってチャットやってません?」 良子「チャット?」 京太郎「マージャンアートオンライン略してMAOのチャットルームですよ」 良子「ああ、まあ一応はな」 京太郎「そこで『かいのー』っていうハンネでぼっち部屋にいませんか?」 良子「ど、どうしてそのことを!?」 京太郎「どうしても何も、完全に戒能さんじゃないですか、名前からして」 良子「は、恥ずかしい……」 京太郎「特定されて、ストーカーとかされたら危ないので、なるべくああいう名前は避けた方がいいですよ」 良子「そ、そうなのか?」 京太郎「よく知りませんが、そういうのが多いらしいですよ、最近」 良子「そ、そうかじゃあ改名しなくては……どうしよう」 京太郎「そうですね、『戒能プロは俺の嫁』とか?」 良子「そそそ、それはどういう意味だ!?///」 京太郎「いや、冗談ですって」 良子「なんだ、嬉しかったじゃないか」ボソッ 京太郎「何か言いました?」 良子「いや、なんでもないぞ!さあ早くランチを食べよう!」 京太郎「はい、そうですね」 京太郎「よく考えると、戒能さんと二人っきりだったのか」 京太郎「惜しいことをしたな…」 京太郎「久しぶりの日常な気がする」 京太郎「地区予選も近いしやっぱり部活に行かなきゃな」 京太郎「そうこうしているうちにもう部室の前か」 京太郎「開け、ゴマ!」 扉「」シーン 京太郎「ま、そりゃそうか」 京太郎「ああ、懐かしの部室よ!」 霞「この1か月全く来てなかったものね」 郁乃「これはもうお仕置きやな~」 京太郎「なんですかその縄は!」 京太郎(ここは、照に頼る!) 京太郎「照!特訓しようぜ!」 照「えっ?わ、わかった」 京太郎「うがーっ、全然できねえ!」 照「落ち着いて、はいミルクティー」 京太郎「おお、あんがと」コクッ 京太郎「あれ、なんだか眠気が……」 京太郎「……」Zzz 照「これでよかったの?」 郁乃「上出来上出来~」 京太郎「目が覚めたら公園にいた」 京太郎「何を言ってるか(ry」 京太郎「何をされたんだ?さっぱりわからない」テクテク 京太郎「ん?あの人は……」 豊音「あ、須賀くーん!」ブンブン 京太郎「どうも姉帯さん、こんにちは」 豊音「こんにちはー、また会えてちょー嬉しいよー」 京太郎「まだ大阪にいたんですか?」 豊音「うん、先生の付き合いでちょっとね」 京太郎「へぇ、いつごろまでなんですか?」 豊音「あーそれがね……」 豊音「もう今日で帰っちゃうんだ……」 京太郎「えっ、そうなんですか」 豊音「うん……せっかく須賀くんに出会えたのにね」 京太郎「じゃあ、岩手に帰ったらメールくださいよ!」 京太郎「もちろん、俺からも送りますよ!」 京太郎「離れてても友達は友達です!」 豊音「うん!うん!」 豊音「わたし、須賀くんに会えてほんとーに良かったよー!」 豊音「ありがとーっ!」ダキッ メシッ 京太郎「あれ、今なんか変な音がががががが」メキッメキメキメキ 【7月第1週 平日】終 【7月第1週 休日】 京太郎「朝かー」ノビー ゴキッ 京太郎「痛っ!」 京太郎「姉帯さん締め付けが強いんだよなぁ」 京太郎「朝はどうするかな」 【中心街の雀荘】 京太郎「バイトに来たぞ!」 由子「よろしくなのよー」 京太郎「そういえば真瀬さんがいたんですね」 由子「ひょっとして忘れてたのよー?」 京太郎「いえいえまさか」 おっさま「今日も頑張っていこなー」 京太郎「はい!」 カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 シロ「はい、どうも……」 シロ「……涼しい」 京太郎「あ、あのーどの卓に入りますか?」 シロ「え?」 京太郎「ここ、一応雀荘なのですけど」 シロ「打たなきゃ…いけないのか……ダルいな…」 シロ「でも、涼しいんだよな……」 シロ「うーん……」 京太郎(不思議な子だなぁ) シロ「あ」 京太郎「どうしました?」 シロ「考えるのも…ダルい……」 京太郎(気力なさすぎるでしょ!) 京太郎(どうしたものか……) 京太郎「おい、俺と打てよ」 シロ「ダル……」 シロ「え……?」 京太郎「だから、俺と打てって言ってんだよ!」バシーン! おっさま「はいストーップ、そこまでや」 おっさま「なあお客さん?ここは入ったら1回打つまで出られないんです」 おっさま「だから打って行ってくれます?」 シロ「……ダルいけど…わかった」 おっさま「そんでメンツは……あ、真瀬ちゃんちょっと来てや」 由子「はいなのよー」 おっさま「これで揃ったな」 京太郎「じゃあ、始めましょうか」 シロ(……なんだか) シロ(ダルいことになったなぁ……) シロ(ダルい……) シロ(トシさんがギャルになったとか豊音が言うからみんなで来てみたのに……) シロ(早く終わらせて休憩しよう……) 開局 シロ(テンパイ……もっと伸びるかな…) シロ(ダルいけど……) シロ「ちょいタンマ」 【マヨヒガ】発動! 京太郎「ポン」 京太郎「ロン、白のみで1500です」 おっさま「はいよ~」 シロ(この人…早い人なのかな……) シロ(そうであろうと、そうでなかろうと、ダルくなりそうだな……) シロ(次は様子見……) 東1局1本場 親 京太郎 26500 由子 25000 おっさま 23500 シロ 25000 京太郎(タンヤオドラ1、ちょうどいい手で聴牌したけど…)スチャ 京太郎(これ、じゃないな)タン おっさま(どうやら順調みたいやな) おっさま(でも、そう簡単にはいかせないで) 京太郎(こい!)スチャ 京太郎(……違うか)トン おっさま「それ、ロンや。メンゼン三色、2000の1本場は2300」 京太郎「なっ……」 東2局 京太郎 24200 親 由子 25000 おっさま 25800 シロ 25000 由子(この親番、ものにするのよー)フンス 由子(とは言ったものの、もうこれで流局なのよー) 由子(ノーテンだし……)トン 京太郎「ロン、河底のみ、1000です」 由子「ホ、河底?」 由子「そ、それはちょっとあんまりなのよー……」ノヨヨ 由子(と、見せかけて) 由子(これで須賀くん対策はばっちりなのよー) 由子(ふっふっふ、これで須賀くんを泣かせてあげるのよー) 【対抗策】発動! 由子が【黄金の回転】をコピーしました 東2局 京太郎 25200 由子 24000 親 おっさま 25800 シロ 25000 由子(おお、急に牌がよく来るようになったのよー) 由子(ナイス対策!なのよー) 由子(このまま和了るのよー!) 京太郎「ツモ、300・500です」 由子「」 オーラス 京太郎 26300 由子 23700 おっさま 25300 親 シロ 24700 由子(対策…どこで間違ったんやろ……) シロ(聴牌できないなぁ…) おっさま(ずいぶんと静かな卓やな) 京太郎「よし、ツモ、300・500です!」 由子「……」 シロ「……」 終局 京太郎 27400 おっさま 25000 シロ 24200 由子 23400 京太郎「えーっと、その…おつかれさまでした」 由子「おつかれなのよー」 シロ「どうも……」 カランコロン 豊音「シロ、ここにいたんだー!」 シロ「豊音……」 豊音「みんな心配してるから帰ろーよ!」 豊音「って、須賀くん!?どうしてここに?」 京太郎「また会えましたね」 豊音「うん、あ、紹介するよーこの子は小瀬川白望ちゃん、みんなはシロって呼んでるんだよー」 シロ「ダル……」 豊音「それで、こっちが須賀京太郎くんだよー」 京太郎「そういえば、挨拶してませんでしたね」 シロ「……別に、いい」 シロ「君は、豊音の友達なの?」 京太郎「はい」 シロ「じゃあ、豊音と仲良くしてあげて……」 シロ「豊音、須賀くんに私の連絡先渡しておいて」 豊音「どうして自分で渡さないのー?」 シロ「…ダルい、から……」 京太郎「よし、午後も頑張っていくぞー!」 由子「今度こそ、今度こそは!なのよー」 カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 由子「いらっしゃいなのよー」 煌「こんなところに雀荘があるとは、すばらです!」 煌「それでは早速打ちましょう」 煌「そこのお二方、私と打ってくれませんか?」 京太郎「え、俺たちですか?」 煌「あなた方の他にどなたかいらっしゃると?」 京太郎(また、なんか変な人が来たな……どうしよう) 京太郎「飛んでも知りませんよ?」 煌「おや、それは楽しみですね」 煌「申し遅れました、私は新道寺女子2年、花田煌と云います」 京太郎「俺は三箇牧高校の1年、須賀京太郎です」 由子「私は姫松の3年の真瀬由子なのよー」 煌「おお、あの姫松高校の方でしたか、いやぁ、実にすばらです!」 おっさま「お、またやるんか?わいも混ぜてくれへん?」 京太郎「はい、どうぞどうぞ」 開局 京太郎「ツモ、300・500!」 京太郎(何かを出し抜いたような気がする) 京太郎(この調子だ!) 東2局 由子 24500 親 京太郎 26100 煌 24700 おっさま 24700 京太郎「ロン、2900です」 煌「ふむ……一発とは、すばらです!」 由子(それあなたが振り込んだだけやないか……) 東2局1本場 由子 24500 親 京太郎 29000 煌 21600 おっさま 24700 由子(対策、対策なのよー)トン 京太郎「ロン、5800の1本場は6100です」 由子「もうっ!全くダメなのよー」 【対抗策】発動! 由子が【黄金の回転】をコピーしました 東2局2本場 由子 18400 親 京太郎 35100 煌 21600 おっさま 24700 煌(和了る度に点数が上がっていく……この打ち筋は) 煌(たしか春に部長と打った、宮永照) 煌(彼女にそっくりですね……) 煌(ならば、今のところは様子見あるのみですね!)トン 京太郎「ロン、7700の2本場は8300です」 煌「はい、ただいま」 東2局3本場 由子 18400 親 京太郎 44400 煌 13300 おっさま 24700 京太郎「よし、3本場だ!」 由子(やっぱり配牌もいいけど……あれ?配牌一向聴なのよー) 由子(でも、役無しなのよー……) 由子(あ、来た) 由子(これで聴牌…リーチは……しないでおくのよー)トン 煌(宮永さん同様、点数に制限があるのならば、必ず無理をする) 煌(そこを狙い打ちますよ!) 由子「ツモ、600・800なのよー」 煌「すばっ!?」 東3局 由子 20400 京太郎 42600 親 煌 21000 おっさま 15800 由子(ようやく対策がうまくいった気がするのよー) 由子(この調子で……あれ、これって) 由子「リ、リーチなのよー」 煌(ダブリーとは、なんたるすばら!) 京太郎(こんなの当たったら事故だっつーの!)トン 由子「それなのよー、ダブリー一発タンピン一盃口で12000なのよー」 京太郎「」 オーラス 由子 32400 京太郎 30600 煌 21000 親 おっさま 15800 京太郎(勝ちたい…1位になりたい……) 京太郎(幸い真瀬さんとの点差は1800、出和了でまくれる) 京太郎(で、今聴牌、一盃口のみ) 京太郎(どれを切るか……) 煌(うぅむ、微妙な配牌ですねぇ) 煌(須賀さんがもう張ったようなので、降りておきましょう) 煌(真瀬さんもなかなか侮れないですしね) 由子(張ったのよー、メンタンピンドラ1) 由子(ここはダマで……これを) おっさま「ノーテンや」 由子「テンパイなのよー」 京太郎「テンパイです」 煌「ノーテンです」 京由(*1) 終局 由子 33900 京太郎 32100 煌 19500 おっさま 14300 煌「おつかれさまでした」 京太郎「お疲れ様でした」ハァ 由子「おつかれなのよー」ハァ 煌「真瀬さん!あなたのあの逆転の跳満、すばらでした!」キラキラ 由子「あ、ありがとうなのよー」 煌「そして須賀くん、連続和了、すばらでした!あなたが今日のモストバリアブルスバラ、略してMVSです!」 煌「あと、携帯をお借りしても?」 京太郎「はい、どうぞ」 煌「ありがとうございます。それでは…」ピローン 煌「はい、これが私の連絡先です」 京太郎「あ、どうも」 煌「また機会があれば打ちましょう」 煌「それでは、さらばですー!」フリフリ カランコロン 京太郎「いい人、だったのかな?」 由子「お客様は神様なのよー」 おっさま「その言葉は正しいんやけど、使い方間違うとるな」 おっさま「2人とも、今日もご苦労やった、これがバイト代や」 京太郎「ありがとうございます」 おっさま「じゃあ、おつかれさん~」 京太郎「バイトが終わったので帰ってきた」 京太郎「財布があったかくなった気がするな」 京太郎「さて、これからどうしようかな」 京太郎「霞さんの家で特訓だ!」 霞「もう少し静かにしましょうか」 京太郎「はい……」 霞「みんな中で打ってるけど、どうするの?」 京太郎「みなさん来てるんですか?」 霞「地区予選前だもの、良子さんもいるわよ」 京太郎「そうですか……じゃあ」 ガララ 良子「ふぅ……」 京太郎「あ、戒能さん、今空いてますか?」 良子「ん、どうした?」 京太郎「俺と特訓してくれませんか?」 良子「ふむ、特訓か、私はいつでもウェルカムだが、私なんかでいいのか?」 京太郎「はい!戒能さんでなければダメなんです!」 京太郎「お願いします!」 良子「わかった、わかったから」 憩(京太郎くん、戒能プロと何話とるんやろ…)キキミミ 良子「でも、どこでヤるんだ?」 京太郎「みんな中にいるんですよね?じゃあ俺の部屋でヤりましょうか」 良子「ふ、二人っきりでか……?///」 京太郎「?もちろんじゃないですか」 憩(京太郎くんと戒能プロがヤる!?京太郎くんの部屋で!?) 憩(そ、そんなん……) 憩(興奮するやん……///) 良子「須賀くんは、読んでいる教本とかはあるのか?」 京太郎「この、瑞原プロのとか、郁乃さんのとかですね」 良子「むっ、私のは無いのか?」 京太郎「書店には見当たりませんでしたけど……」 良子「うっ…これでも一応トッププロなのに……」グスッ 良子「こんなの……」 良子「こんなの、あんまりだああああああ!」ウワァァァン 京太郎「か、戒能さん!?」 京太郎「あの後、戒能さんを慰めて時間が無くなってしまった…」 京太郎「ま、帰るときにスッキリした顔をしてたから大丈夫だよな!」 夜 京太郎「そういえばテストしたり合宿行ったりで最近はご無沙汰だったな」 京太郎「合宿といえば…明華さんだよな」 京太郎「よし……」モゾモゾ 【7月第1週 休日】終 【7月第2週 平日】 京太郎「ふぅ……」 京太郎「久しぶりだから何回もやってしまった……」 京太郎「朝、それは1日の始まり」 京太郎「朝に誰かと出会って学校に行けるかどうか、それで今日1日が決まる」 京太郎「あるものは友達と」 京太郎「あるものは恋人と」 京太郎「その1日の始まりを人々は誰かと共有している」 京太郎「何を言いたいかというと……」 京太郎「俺も誰かと登校したああああい!」 エイスリン「!」ビクッ 京太郎「あっ、すみません……って、エイスリンさん!エイスリンさんじゃないですか!」 エイスリン「ア、アサカラビンビンダネ……」 京太郎「ビンビンじゃなくて元気と言いましょう」 京太郎「そういえば、エイスリンさんって日本に来てもう3か月ですよね、好きな日本の食べ物とかってあります?」 エイスリン「タベモノ……umm」 エイスリン「カスミガツクッタ、キントキマメ、オイナリサン」 エイスリン「チクワ、トカ?」カキカキ バッ |ちくわを咥えてピースをしているエイスリンの絵| 京太郎「え、えーっと、その絵は…」 エイスリン「チクワノエ?」ハテッ? 京太郎「」ビンビン 京太郎「朝は……いかんいかん妄想は抑えないと」 京太郎「昼飯はどこで食べようかな」 京太郎「中庭に来たぞ」 ワイワイ ヤイノヤイノ ブヒーッ 京太郎「いつも賑やかだよな、恋人同士……」 京太郎「ん、あれは……」 エイスリン「……」カキカキ 京太郎「エイスリンさん!」ガバッ エイスリン「ワッ!」バシーン 京太郎「うわっ!」 エイスリン「ダイジョウブ?」ナデナデ 京太郎「痛たた、あ、もう大丈夫ですよ」 エイスリン「ホントウニ?」 京太郎「はい、もともと俺が悪かったんですし」 エイスリン「ソノ……ゴメンネ」 京太郎「謝らなくていいですよ」 京太郎「さっきも言ったように俺が悪かったんですから」ナデナデ エイスリン「……ン」 エイスリン「アリガト……」 【放課後】 京太郎「来週には地区予選が始まるのか」 京太郎「どんな人がいるかが楽しみだな!」 京太郎「やっぱり部活に行くべきだよな!」 京太郎「俺が出れるのは個人戦だけだけど、勝ちたい!」 京太郎「手に入れるんだ!力を!」 京太郎「勝つための力を!」 京太郎「よし、憩さんと特訓しよう!」 京太郎「憩さん、憩さん」 憩「!」ビクッ 憩「な、なんや?」 京太郎「?どうしてそんな後ずさりをするんですか?」 憩「いや、なんでもないで~」 憩「で、なんや?」 京太郎「憩さんと特訓しようと思いまして!」 憩「と、特訓!?って何の特訓?」 京太郎「麻雀に決まってるじゃないですか」 憩「あ、そ、そうやな!それしかないもんな!」 憩(アカン、想像してもうた……) 京太郎「じゃ、こっちでやりましょうか」 憩「う、うん」 憩(後で穿き替えんと…) 京太郎「そういえば、憩さんのそのピキーンってなるやつ、俺にもできないですかね」 憩「え、これ?」ピキーン 京太郎「なんだかかっこいいなーって」 憩「そ、そうかな……?///」 京太郎「どうですかね?」 憩「んー、一応やってみよか」 京太郎「はい、お願いします!」 京太郎「部活終わりーっ!」 京太郎「さて、帰りはどうするかな」 京太郎「街に行ってみるか」 京太郎「懐があったかいからコンビニに来たぞ」 京太郎「なにを買おうかな……」 京太郎「ティッシュを買っておくか、昨日みたいに使いすぎてなくなったら困るからな」 明華「須賀、クン?」 京太郎「あれ、雀さんじゃないですか」 京太郎「どうして大阪に?……って雀さん!?」 明華「ンッ」ビクッ 京太郎「すみません、驚いたものでつい」 明華「ダ、ダイジョーブダヨ」 明華「少シ、歌の用事で来タンダ」 京太郎「歌?」 明華「CDとか、出シテルヨ」 明華「2週間くらい大阪にイテ、コンサートシタリ、サイン会シタリスルンダ!」 京太郎「何それ凄い」 明華「良カッタら、須賀クンも来て!ミンナと一緒に!」 京太郎「はい、考えておきますね」 明華「ソーイエバ、須賀クンは何を買ッタの?」 京太郎「ああ、ティッシュですよ」 明華「ソノ袋は?」 京太郎「袋?何だ?」 近藤さん「チィーッス、お買い上げアリシャース」 京太郎「は……!?」 【7月第2週 平日】終
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前話 次話 8以降より対局が安価形式になったので、安価に関係する数値を省いてまとめました。 読みづらくなりますがご了承ください。 恒子「お待たせしました!それでは、インターハイ準決勝第1試合、先鋒戦開始です!!」 健夜「こーこちゃん、いきなり立つのはやめようよ……」 照(さて、まずは鏡で見ようかな) 照(2回戦でも見たけど、一応新道寺を)ゴゴゴッ 煌(おや?この感じ……2回戦でもありましたね) 照(やっぱり、この人は飛ばないな……また珍しい人がいるんだね) 照(でも、この人の強さはそこじゃない。捨て駒だと分かっていても、どんな状況でも、折れないことだ) 照(……油断はできない。でも、すばらって……今度言ってみようかな) 煌「すばらっ」 照(次は千里山)ゴゴゴッ 怜(……ん?なんやこれ?) 照(……素の実力はそこまでじゃないけど、1巡先が見えるっていうのは強いな) 照(2巡先……この人の体じゃ無理すぎる、やってたら持たない。その先なんて無理を通り越して危ない) 照(友達との約束か……それと膝枕……京ちゃんに頼んでみようかな) 照(でも、迷子って言ったのは許せない。最近は少ししか迷子にならないのに) 怜「……?」 照(最後に阿知賀)ゴゴゴッ 玄(え?何?何されてるの!?) 照(……ドラが集まって、ドラを切ったら来なくなるドラゴンロード) 照(点数上げるの大変だな……これ、支配しても無理か……ドラ支配の力の強さは凄い) 照(ドラを大事に……ドラは切らないって考えていこう) 照(……おもち?……胸?……京ちゃんもか!) 照「…………」ペタペタ 玄(宮永さん?そこには何も無いよ?) 照(……私4位だ……うん、菫には悪いけど、すばらさん以外は飛ばす気でいこう) 玄「…………」タン 照「ロン」 玄「は、はい!」 玄(な、なんか怖いよぉ~)涙目 照「…………」ギュルルルルル 観客席 京太郎「はぁ……立ち見か……ま、いいか」 恒子『またまたチャンピオンだぁー!これで5連続!!』 京太郎「ほんっとすごいな照さん……アレ?そういや咲も1回あんな感じに……」 恒子『ラス親はチャンピオン!一体いつまで続くのか!?』 京太郎「うわぁ……もうあんなに点差が……え?」 玄『…………』タン 京太郎「玄さんが、ドラを?……これって!?」 照『…………』タン 玄『ロン!!』 恒子『せ、先鋒戦終了!!最後にチャンピオン、2年ぶりとなる大きな失点です!!』 京太郎「すっごい試合だったな……」 怜『…………』ドサッ 京太郎「怜さん!?」 恒子『お、園城寺選手!?し、試合は一時中断です!!』 京太郎「……大丈夫かな……後で千里山の誰かに聞いとくか」 ざわざわ……ざわざわ 照「…………」 照(点は稼げた……でも、最後の振り込み、それに、園城寺さん……) マスコミ1「宮永選手!何か一言!」 マスコミ2「こっち目線お願いします!」パシャパシャ マスコミ3「最後の振り込みは、やはり油断ですか!?」 照(……いつになってもマスコミは空気読まないし、苦手だな……適当にやってお菓子買いに行こ) 照「……ここ、どこ?」 照「さっきと同じとこだし……どうしよう」 京太郎「え?照さん?」 照「京ちゃん!?良かった……」 京太郎「ああ……またですか」」 照「……違う、今日はまだ2回目」 京太郎「……で、控え室までですか?」 照「ううん、売店でお菓子買う」 京太郎「なるほど。俺も行きますよ」 照「うん」 京太郎「ところで照さん、財布持ってきてるんですか?」 照「…………」 白糸台、控え室 ガチャ 照「ただいま」 淡「あ、おかえりーテルー」 誠子「お疲れさまさまです」 京太郎「あ、どーも」 淡・尭深・誠子「!?」 照「売店でお菓子買ってきた」 誠子「いや、ちょっと待ってください」 淡「なんでKちゃんがいるの!?」 誠子「淡も待て!」 京太郎「ちょっとそこで会って、案内しました」 尭深「……迷子?」 照「…………尭深、お茶お願い」 誠子(迷ったんだ) 尭深(迷った……) 京太郎「それじゃ、俺はこれで」 淡「えー!?ここに居ていいじゃん!!」 誠子「おいおい……部外者で、決勝で当たるかもしれない学校だぞ?」 照「そうだね」 誠子「そうですよ。弘世先輩がなんて言うか…」 照「尭深、お茶は5つね」 誠子「宮永先輩!?」 尭深「えっと……いいんですか?」 照「構わない」 京太郎「あの……俺の意思は?」 淡「いいっていいって!私大星淡!よろしく!!」 京太郎「お、おう。須賀京太郎、清澄高校の1年で麻雀部だ」 淡「よろしくね、きょーたろー!」 京太郎「……いいのか?」 尭深「お茶、どうぞ」 京太郎「あ、どうも……うまい」 尭深「そう?ありがとう」 恒子『さあ、試合も再開です!』 誠子「はぁ……もういいや」 恒子『白糸台の部長、弘世菫選手ですが…』 京太郎「…………」じーっ 誠子(画面を食い入る様に見てる……やっぱり、うちの偵察も…) 京太郎「……おもち」 照「…………」 恒子『次は新道寺の…』 京太郎「…………」さっ 誠子(視線逸らした?) 恒子『阿知賀の…』 京太郎「…………」じーっ 照「……京ちゃん?」 京太郎「はい?」 照「尭深の胸、どう思う?」 尭深「!?」 淡「ゴホッ!」 誠子(まさか……) 京太郎「すばらしいと思います!……あ」 誠子(胸見てただけ!?) 恒子『また阿知賀が和了ったー!!』 照「……菫の癖、見つからないね」 淡「全くもって!」 誠子「え、えぇ……」 尭深「……間に合わない」 京太郎「あのー、これ取っていいですか?」目隠し状態 照「駄目」 京太郎「俺も探しますんでなんとか」 淡「とか言って胸見る気でしょー」 京太郎「以外と胸の揺れがカギだったり…」 照「…………」ギュルルルルル 京太郎「ごめんなさい」 照「……胸」さわさわ 照「……尭深、ちょっと」 尭深「いやです」 淡「ちょっとだけ!少し揉むだけだから!」 尭深「淡ちゃん、弘世先輩のはどう?」 淡「うーん……尭深先輩のが揉みやすそう!」 照「うんうん」 誠子「そもそもなんで揉む前提で話してるんですか?」 京太郎「くっ……目隠しさえ、目隠しさえ取れていれば!」 菫「……何をやっている?」 照「……暴力反対」正座 淡「……おー」正座 菫「やかましい。控え室に他校の生徒を連れ込むな」 京太郎「あー……俺、もう帰りますけど」 菫「……いや、今は時間がないが、次鋒戦が終わったら改めてお詫びがしたいから、残っててくれないか?」 京太郎「そういうことなら……」 誠子「うまく誤魔化した?」小声 尭深「多分、自分が一番話してないから」小声 菫「お前らも正座するか?」 照「げんこつは酷い」 淡「そうだそうだー」 京太郎「そこまで強くしてるようには見えませんでしたよ?」 照「こことかこぶが……」 京太郎「ここですか?」ナデナデ 照「……いや、もう少し右」 京太郎「こっち?」ナデナデ 照「…………」満足気 淡「……なんかずるーい」 京太郎「ん?淡もか?」ナデナデ 淡「……いきなり女の子の髪に触るのはどうかと思うなー」 京太郎「あ、悪い。つい」 淡「許さないから、もう少し撫でて。痛みが引くように」 京太郎「いいのか?……ここか?」ナデナデ 淡「ん……」満足気 菫「うちの魔物2人をあっさりと……」 誠子「すご……」 尭深「ただの胸好きじゃなかったんだ……」 恒子『次鋒戦終了!!』 京太郎「菫さんマイナスでしたね」 照「菫は悪い打ち方してない。相手がそれ以上だっただけ」 淡「でもー、眼鏡の人と厚着の人にやられてたじゃん」 誠子「新道寺は前と打ち方変えてましたね」 尭深「阿知賀もなかなか……そろそろ行ってきます」 淡「おー。たかみスロット貯めて…もが」 誠子「一応他校の前だからそういうこと言うなって」クッキー突っ込む 淡「むがもご……おいひいからもいっこ」 照「これは私の分」 淡「ちぇー」 京太郎「あ、俺トイレ行ってきます」 憧「次は江口セーラに渋谷尭深……それに江崎仁美も結構やるし……あー、あたしがなんとかできるのかなぁ」 京太郎「ん?さっき会った阿知賀の」 憧「あ、Kちゃん」 京太郎「Kちゃん呼びは勘弁してくれ」 憧「悪かったわよ」 京太郎「……どうかしたのか?」 憧「へ?」 京太郎「いや、なんか不安そうな顔してたから」 憧「……分かる?」 京太郎「なんとなくだけど」 憧「……今さらだけどさ、私達みたいなとこが全国でも有名なとことやれるのかなーって思うと、怖くなってね」 京太郎「有名校……」 憧「全国ランキング1位と2位、それに北部九州最強とか、こっちは10年前にベスト8だっての」 憧「ほんっと……どうしろっていうのよ……」うつむき 京太郎「…………」 ギュッ 憧「え?ちょ…」 京太郎「ここまで努力してきたんだろ。努力した自分を信じて自分を信じる仲間を信じろよ」 憧「仲間を……」 京太郎「団体戦なんだから、な?」 憧「……そうね。ありがとう、少し楽になったわ。でも」 京太郎「ん?」 憧「い、いつまで手、握ってるつもり?」顔赤らめ 京太郎「わ、悪い!なんというか、つい」 憧「もう、和が良い人って言ったのは本当っぽいけど、簡単に女の子の手握るのはやめなさいよね」 京太郎「悪い、新子」 憧「……憧でいいわよ、京太郎」 京太郎「お、おう。憧」 憧「あ、携帯ある?連絡先教えてくれない?」 京太郎「ああ、いいぜ……よし」 憧「うん。それじゃ、ちょっとやってくるわ」 京太郎「おう!頑張れよ!!」 憧「当然よ!決勝、行くんだから!!」 セーラ「よう、久しぶり」 憧「こないだはどーも」 セーラ「しかし……負けたわ」 憧「?」 セーラ「試合前に京太郎に会っておくとは……やるな」 憧「ちょ、見てたの!?」 セーラ「はっはっは。油断しすぎやで」 憧「こ、この……絶対勝つ!」 セーラ「それはこっちのセリフや!」 仁美(……何もかんも政治が悪い) 尭深(……京太郎くん、うちの控え室にいるってことは黙っておこう) 恒子『副将戦、開始!!』 京太郎「戻りました」 照「おかえり」 淡「おーそーいー。罰としてお菓子」 誠子「いや無理言うなって」 菫「……そもそも彼が他校の生徒だということを忘れるなよ?」 京太郎(なんか馴染みつつあるよな、俺) 照「いっそうちに転校する?」 淡「いいね!麻雀部のマネージャーとかどう!?」 菫「お前らな……」 誠子「そんなことしたら競争率上がりそうですよね」ボソッ 菫「すでに手遅れだろう」ボソッ 京太郎「?」 淡「そーいえばさー。菫先輩、お詫びがどうこう言ってたけどどーするの?」 誠子「ああ、次鋒戦の休憩で言ってたね」 照「じゃあお詫びに私が…」 菫「おまえは黙ってろ。そうだな……何か今渡せるものがある訳もないし、京太郎くんは欲しいものや、してほしいことはあるか?」 京太郎「俺がですか?そんなの別に…」 菫「迷惑かけたんだ。言ってみてくれ」 京太郎「……それじゃ、初心者の俺に麻雀の指導をしてくれませんか?」 菫「私がか?」 京太郎「はい」 菫「だが、私は……」 照「じゃあ私が」 淡「いや私が」 菫「お前ら個人戦あるだろ?……君の先輩や同級生には教わらないのか?」 京太郎「確かに教わりますけど、色々な人から教わることもいいですし、菫さんならしっかり教えてくれそうなんです」 京太郎(カンや東場速攻前提はな……) 菫「……すぐに、と約束はできないがいいか?」 京太郎「はい!」 淡「菫先輩いーなー。よし!私も!」 誠子「お前、初心者の子を泣かしてたろ」 照「もうちょっと上手くやらないと……でも+-0は駄目だけど」 京太郎「ああ……確か入部した時にやってましたよ」 照「やっぱり……」 菫・淡・誠子「?」 前話 次話 名前 コメント
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http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1254535905/ 俺「SOGAの麻雀ゲーイベントの咲カップで優勝してしまった」 俺「なんか...優勝したはいいが貰えたのは"称号"というデータカード内でしか意味のないモノ...」 俺「はあ、時間と資金を費やした割りに見返りが少ないなあ」 俺「……」チラ 女子高生「キャッキャッ」 俺「何年もゲーセンに通っているから彼女も出来ず、ましてや就職にも着けていない...」 男「咲カップ優勝者の○○様ですね」 俺「?はあ、どちら様ですか?」 男「いやいやSOGAの咲カップ優勝商品の副賞を届けるのが遅れてしまいました」 俺「副賞?なにかくれるんですか?」 男「では、お楽しみになってください。それと注意事項が一つ、向こうで寿命以外の理由で死んでしまっ...」 俺「ん?はあはいはいなんですかその夢物がたr」ギュイイイイイイインッッッ 俺「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ???『大丈夫?京ちゃん』 京太郎「うっ...」 ???『急に倒れてどうしようかと思っちゃったけど...どう?頭痛くない?』 京太郎「は...?」 京太郎「ここは...」 咲『七久保駅...だけど、本当に大丈夫?京ちゃん』 京太郎「長野?なんで俺が長野に...ていうか」チラ 咲「京ちゃんもしかして記憶喪s」 京太郎「うおぉぉぉぉおぉぉぉ!!!」 咲「!」ビクッ 京太郎「咲!超咲!魔王様!!!!!」 咲「京ちゃん、やっぱり...」グス 京太郎「はあはぁ」 咲「具合...大丈夫?」 京太郎(なるほど俺の目の前に咲がいていつの間にか長野県にいた) 京太郎(それがあの男が言っていた副賞ってやつでじゃあその副賞はどこまでが副賞なんだ?咲と会うだけか?) 京太郎(それとも一定時間咲の世界を体験出来るだけいやしかし寿命云々言っていたわけだからそれに) 咲「京ちゃん!」 京太郎「っ!あ、ああ。大丈夫だよ咲。俺は至って正常だよ」ニコ 京太郎「……で、俺は京太郎なわけだな?」 咲「当たり前だよ...本当に平気なの?」 京太郎「平気平気!……で、時期はいつ?一話?県予選前?それともアニメ最終回後?もちろん合宿のとこな」 咲「いち...?京ちゃん、今は県予選の団体戦後だけど...やっぱりどこか変だよぅ」 京太郎「咲!」 咲「?」 京太郎「好きだ!」 咲「!」ボッ 京太郎「よしまずは清澄高校だな、じゃあ咲!先に戻ってるから!」 咲「う、うんばいばい」テレ 【清澄高校】 京太郎「来た...来てしまった」 京太郎「土地勘が無いから交番で場所を聞いたけど、考えたら自分の通ってる高校の場所がわからないとか白恥もいいとこ」 京太郎「まずは...というか真っ先に行くべきは麻雀部!」 京太郎「のどっちに部長...タコスとワカメはまあどうでもいい」 京太郎「いざっ麻雀b」 ???「どっせぇーい!」 ドガーン!! 京太郎「痛ぁ!つぅかいきなり人の背中を蹴る人物なんて作中に一人しかいねえ!!!」 京太郎「くぉらタコス!」 優希「おはようだじぇー京太郎!」 京太郎「この野郎悪びれもせず...いや、これは明らかにリア充。京太郎、不憫だがやっぱ明らかに勝ち組だなお前」 優希「よーっし!部室までひとっとびだじぇー!」 京太郎「ちょっ肩に乗るな肩に!」 京太郎「あぁ首の圧迫感が最高だじぇ...」 優希「んー?どうした京太郎?」 京太郎「太ももの肉感が気持ちいいって言ってるんだ」 優希「なっ!...そうか!ようやくワタシの魅力に気付いたのか京太郎!」 京太郎「はいっ!太ももがやーかいですっ!」 優希「うーんなんか調子が狂うじぇー」 京太郎「ようやく部室に着いたな...」ゼェ 優希「これくらいでへたるなんてだらしない男だな京太郎!」 京太郎「うるせえよ...」 優希「うー、太ももが京太郎の手汗でベトベトだじぇ」 京太郎「ハァ、うるせえから、すこし黙って...」ゼェハァ 優希「よーし、皆おはようだじぇー!」 バンッ ???「こら優希、部室に入る時は静かにって言ってるでしょ」 優希「うっ...次からは気をつけるじぇ...」 ???「まったく、ソレを聞くのも何回目かしら」 京太郎「おぉ...」 久「アラ、おはよう須賀くん」 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!」バッ 京太郎「俺の女になれ!」キュイイイイン 久「んー?」 京太郎「ハッ」 京太郎「くそっアニメを間違えてしまった!」 京太郎「おはよざーっす部長!」 部長「おはよう今日も元気ね」 京太郎(時間制限があるならもたもたしてられんな) 京太郎「フラグの立て方を普段から確認してれば良かった...」 咲「おはようございます」 久「おはよう咲、じゃあ面子も揃ったみたいだし早速始めましょうか」ニコ 【結果】 久+12 優+7 咲+6 京-25 京太郎「俺は全国優勝者だぞ...」 久「負けてるのに終盤ベタオリってどういうことかしら」 京太郎(安パイだと思っても部長がアガるし、前半タコス強ぇし勝てねえ...) 咲「でも、京ちゃん強くなりましたよね」 京太郎「そうか?」 優希「少し驚いたくらいだじぇ」 久「まあ、いつもより考えれていたわね」 京太郎「ありがとうございます!須賀京太郎一生の幸せもんです!!!」 京太郎「いやー誉められるって嬉しいもんだな」ニコニコ 久「それじゃあ約束通り買い出しお願いね」ニコ 京太郎「負けたら買い出しでしたね...」 久「そうそう、買い出しついでに龍門渕に寄ってほしいの」 京太郎「どうしてですか」 久「個人戦後に他校が集まって合宿をしようって話になってね」 京太郎「合宿すか」 京太郎(たしかアニメでは龍門渕から一人も個人戦入賞者が出なかったんだよな) 京太郎(まあ知らねえやどうせ俺もいけねえし適当に済ませるか) 【ショッピングモール】 京太郎「買い出し買い出し...って、なんで普通に京太郎やってるんだ」 京太郎「元の世界には未練ないが、もし戻れるなら色々やって戻りたいし、そもそも戻れないならちょっとした恐怖じゃないだろうか」 京太郎「戻れないなら一生、須賀京太郎として生きるわけなんだから大人しく楽しんだ方が間違いはないし」ブツブツ ドンッ 京太郎「痛っ」 ???「すまない、話に集中してしまい不注意だった」 京太郎「いや...てかこの人一人じゃねえか、一体誰と話...」 京太郎「あっ」 京太郎「おいおい加治木ユミさんじゃないっすかー!」 加治木「なんだ、どこかで会っ...いや、なに?そうだ初対面だ。...本当に知らないんだ誤解しないでほしい」 京太郎「おいおい独り言ってレベルじゃねえぞ...」 京太郎(ここは離れるが吉、だな) 京太郎「それじゃあ僕はこの辺で」ペコ 加治木「ん?ああそれじゃあ...だから違うと言ってi」 京太郎「やべえガチだアレ」 ――……10分後 京太郎「桃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 京太郎「オワタ...」 京太郎「なにが"離れるが吉、だな"だよ俺のアホ!」 京太郎「しかしステルスをこの身で体感出来たんだ、それだけで十分じゃないか」 京太郎「俺の咲ラン上位に会えただけでもOKとしようよ」 京太郎「落ち込んだ勢いで縞パンスクミズ白ニーソも買ったけどあいつら着てくれるかな」 京太郎「それは置いておくとして次は龍門渕か...痩せキャラはそんなに好きじゃないんだが顔見せくらいしておこうかな」 【龍門渕高校】 京太郎「でかい...」 京太郎「土曜だってのに結構生徒がいるなあ」 京太郎「龍門渕もウチみたいに部活で集まってくれてると良いんだが」 京太郎「しかしいきなり他校の生徒が入れるのだろうか、清澄の制服を着てるし...」 京太郎「変に怪しまれないよう龍門渕のメンバーが通るのを待つか」キョロキョロ 警備員『えー校門付近不審者発見』 透華「……で、どうして私が警備室に?」 警備員「この男が"龍門渕透華の知り合いである"と申したためお呼びした次第です」 透華「はぁ...」チラ 京太郎「 」ニコッ 透華「知りませんわ、警察にでも付き出しておやりなさい」 京太郎「ちょっ!待ってくれ透華!」 警備員「おい動くな!」 京太郎「俺は原村和から伝言を預かって来てるんだ!」 透華「原村和から?」ピク 京太郎「そうだ。伝言を伝えに来た俺にこんな仕打ちひでえよ!!!」 透華「……警備員、その男を離しなさい」 透華「いいでしょう、話は麻雀部部室で聞きますわ」 透華「なるほど、原村和が"私と"是非合宿を行いたいと」 京太郎「その通りです」 透華「分かりましたわ、合宿の件お引き受けしますと伝えてくださいまし」 京太郎「はいっ!」 透華「……」 京太郎「……」 透華「……いつまでいらっしゃるおつもり?」 京太郎「いやー...もう少しお話がしたいなぁと」 透華「もう貴方と話す事なんてありませんでしてよ」 京太郎「そう言わず...」 純「良いじゃねえか、丁度ハジメ達がいなくて暇なんだ」 透華「……私、少し席を外させてもらいますわ」 バタン 京太郎(実際龍門渕透華は咲ランでも下位のキャラ、帰っても問題はない) ガチャ 一「あれ、透華は?」 純「ああ、ついさっき出ていった」 一「ふーん...そこの人は?」 純「変質者」 京太郎「おいおいノッポさんお願いしますよ」 純「なにがだよ」 一「透華が帰ってこないと卓も囲めないし...」 純「ハジメ、そこの兄さんがお話をしたいんだとさ」 一「はあ...なにをお話します?」 京太郎「そうだなあじゃあ鹿児島の神代について」 一「鹿児島の神代ですか...」 京太郎「全国にいった時の参考にしたいんで」 一「なるほど、さすがマネージャーさん熱心ですね」 京太郎「いや一応選手なんだけど」 一「神代は...字一色をアガります。それも一局に何度もね」 京太郎「ふむふむ」 一「――…とまあこれくらいかな」 京太郎「なるほど参考になりました!」 京太郎(戻ったら暴露で神扱いだなwww) 一「じゃあ京太郎さんは麻雀を始めて間もないんですね」 京太郎「そうなんですよ...」 純「なに仲良くなってんだよ」 京太郎(あぁ女の子と話すのがこんなに楽しいなんて) 京太郎(でもこいつ百合属性持ちだよな) 京太郎(なに話しても楽しそうに聞いてくれるし) 京太郎(だけどフラグ立たないとか) 一「それでですね」 京太郎「もういいや」 一「?」 京太郎「チェンジで」 智紀(チェンジとかwwwwwバロスwwwww) 智紀「おはよう」 一「あっともきーおはよう」 純「うっす」 京太郎(眼鏡属性の無い俺がワカメの次に下位なキャラキター) 京太郎「はじめまして『変質者』です」 純「ハッハッハ」ゲラゲラ 京太郎(なにくだらないことしてんだよ) 智紀(リア充乙) 純「おっ面子揃ったんじゃないか」 一「そうみたいだね」 智紀「それじゃあはじめる」 京太郎「俺も入ってるんですね」 京太郎(ともきー想像通り大人しくてワロタ) 智紀(こいつら強えんだよwww初心者っぽいやついるし俺負け試合確定ワロチwwwwwもはや消化試合の様相wwwwww) 【結果】 純+22 一+ 6 智- 8 京-20 純「弱えなマネージャー」 京太郎「マネージャーじゃねえよ」 一「京太郎さんやっぱりマネージャーなんじゃ」 京太郎「ほっとけ」 智紀(この弱さww横浜乙wwww) 京太郎「もう帰るわ」ガタ 純「もうそんな時間か」 京太郎「楽しかったわ衣によろしくな」 純「じゃあアド交換しようぜホラ赤外線でちゃっちゃとな」 京太郎「……」 純「ちゃんと三人の入れといたから暇な時にでもメール寄越せ」 一「じゃあ、またね」 智紀「……また」 智紀(リア充の行動力パネェww) 京太郎「ああ、またな」ガチャ 京太郎「……」ジーン 京太郎「あ、涙出てきた...」 京太郎「いやー彼女いたためしも無いし、イジメ受けてたくらいの俺がこんな楽しい暮らしをおくれるとは」 京太郎「……なんか死にたくなってきたな」 京太郎「……」ブンブン 京太郎「いよーっし!頑張るぜ俺は!!!目標は女の子と...どうしよう」 京太郎「セクースはチョモランマレベルで高レベルすぎるし」 京太郎「中学生から女の子と話してないからよくわかんねーや!」 京太郎「この町にはイジメっ子もいないしいいトコだなあ」 京太郎「……俺って本当駄目な人生だったな...」 京太郎「なんで咲の世界にいるのにこんな辛い事思いだしてるんだろ」 京太郎「ダメなやつはなにやってもダメなんだよ」 男「お目覚めになられましたか?」 俺「ハッ?」 男「記録は...半年と2週間でしたね」 俺「俺は...」 男「死因は自殺です」 男「いや、中々頑張ったと思います。現にSEXまでいったじゃないですか」 男「機会があればまたお呼びいたしますよ」 男「ちなみに今までチャレンジした人数は貴方を含めて55人です」 男「ここまで進めたのは貴方だけですよ?貴方以外のチャレンジャーは20人は咲-saki-のキャラと関係ない人物と結婚をし、寿命を全う」 男「他の33人は貴方同様自殺です」 男「ですが先ほども申した通り咲-saki-のキャラとSEXまでいったのは貴方だけです」 男「貧乳は嫌いだと申されていたはずですが...フフフ」 男「自殺の理由はs」 俺「SEXSEXうるせえんだよ!!!!!!」 男「……では、またSOGAの咲-saki-カップへの参加お待ちしています...」 俺「そうか...やっぱり死んだのか俺は...」 俺「やっぱりダメなやつはなにやってもダ...いや、ロリひんぬー最高ぉぉぉぉぉ!!!」 俺「よし、第二回の開催に向けてMJをやりまくるぞ!」 男『S○GA、MJ咲-saki-カップ上位陣には副賞が与えられます。皆々様奮ってご参加お願いします。 10月3日現在、第二回開催の日取りは未発表』 了 ???「あいつ...死んだのかな」 ???「失踪してから2週間、ホームに飛び込むのを見たって人もいるけど死体は見つかってない」 ???「……」グス 加治木「おや...」 ???「……」 加治木「君も献花を?...そうか、まだ忘れるなんて無理な話だよな」 ???「放っておいて」 加治木「おや、いつもとは話し方が違うじゃないか。もっと明るいほうが」 スッ 桃『先輩』 加治木「桃」 桃「そうっとしておいた方が良いっすよ」 加治木「……では、私はこの辺で帰るよ。……こう言っては残酷かもしれないが――生きているといいな」 ???「……ぁりが、とぅ」グスッ アイツは今、どこにいるんだろう。天国にいるのだろうか――生きているのだろうか。 俺「……」ジャラジャラ 俺「ゲーセンも飽きてきたなぁ」 俺「……クリアしてないせいかわからないが、向こうの世界の事をよく覚えていない」 俺「咲カップも今は開催してないし...どうやって戻ろうか」 男『こんにちわ』ヌッ 俺「ひっ!」 俺「ってお前...貴方は」 男「突然すみません、こっちで貴方に再びチャンスを与える話が上がっていまして」 俺「ま...本当か!?」 男「ぬか喜びにならないように、決まってから報告に来ようと思ってましたが」 俺「で、……いつ行けるんですか?」 男「早ければ明日です」 俺「そうか...そうか」 男「早い方が良いんですよ」 男「貴方がいた世界は、貴方が戻ってきた時点でリアルタイムで時間が進んでいます」 俺「ということは...」 男「まあ向こうでは2週間立っているという事です。相手の子も心変わりして他の男性と付き合っているかもしれませんね」 俺「そんな」 俺「待てよ」 俺「俺はどの子と仲良くなったんだ」 俺「この前の話を聞くにひんぬーキャラである事は推測できるんだが」 男「時間もありませんしその話は」 俺「早くても明日なんだろう!教えてくれよ!今咲ラントップは衣たんなんだが?」 男「……ひどい男ですよ貴方は」 俺「oh...違うのか?おい違うのか??」 男「……」 俺「遠くを見るなぁぁぁぁぁぁ」 男「冗談はこの辺にして、私も忙しい身なので失礼させてもらいます」サッ 俺「速っ...リアルハギヨシかよ」 客A『おいなんか咲-saki-の世界に行ったとかいうやつが来てるみたいだぜ!』 客B『はいはい結局関係ない他のキャラと結婚したってやつなww』 俺「……」 ピザ『だからよーマジで無理ゲーwww』 客A「そんなに無理なのか?」 ピザ「いや存在自体は京ちゃん(笑)なんだけど相手は普通の女の子なわけだからもう無理でしたww」 ピザ「俺がまともに話せるわけないしwww少し触っただけで変態扱いだしwwww」 客B「でも80の大往生だったんだろ?」 ピザ「話によると上位者は大体行けたらしいから他のやつらに聞けww」 ピザ「まあこれも聞いた話だけど俺を含めて26人が挑戦して咲-saki-のキャラを落としたやつゼロwwwwwはい無理ゲー」 ピザ「しかも向こうで自殺するやつもいたって話だしww」 ピザ「はじめにキャプテンの胸触って変態扱い→総スカンとかヒドスwwwww」 客A「向こうの奥さんとの記憶はあるんだ?」 ピザ「寿命エンドはクリアだから一応覚えてるが、咲-saki-キャラとのトゥルーエンドの場合は行ったり来たり出来るようになるってよ」 客B「早く第二回開催しろよSOGAw」 俺「あの野郎、俺にはなにも話してねえんじゃねえか」 【当日】 俺「で、結局あれから2週間で結果1ヶ月離れた件について」 男「まあ、これでも十分早くした方なので」 俺「そうか...」 俺「で、向こうに戻ったら記憶も元に?」 男「今のまま、記憶は戻りません」 俺「じゃあ他のキャラを好きになったら」 男「それはそれで特に問題のある事とも思えませんし」 男「相手から言ってくるんじゃないでしょうか?」 俺「そうか、向こうから近寄ってきてくれるよな」 俺「お願いします...」 ギュイイイイイイイイイインッッッ 京太郎「うーん...」 ???『……』タラ 京太郎「ここは...」 ???『……だしっ』 京太郎「うわぁっお前は...」 池田「須賀だしっ!」 池田「コーチ...いやキャプテン呼んでくるしっ!」ダダッ 京太郎「コーチよりキャプテンが先とか...」 女子A「須賀くん!」 女子B「なんで須賀さんが!?」 京太郎「えっと...どちら様で?」 女子A B「!」 女子A B「まさか記憶喪失」 福路「京太郎さん!」 京太郎「美穂子ちゃ」 女子A「キャプテン!須賀くん記憶喪失で...」グス 京太郎「いやいや」 福路「そう...でも生きて戻ってくれて嬉しいわ」グス 池田「キャプテンが泣くからアタシまで...うえーん」 京太郎「ついていけねえ...」 【風越学園】 京太郎(まあ記憶もないわけだし...) 福路「よかった、本当によかった」 京太郎(今はこの状況よりも個人戦、果ては全国大会の結果が気になるんだ) 京太郎「あのー...福路さん?」 福路「本当に記憶を失ってしまわれたんですね」シク 池田「でも名前は覚えているみたいですよ」 ツンツン 京太郎「つつくな池田ァァァ!」 池田「ひっ」ビクッ 福路「京太郎さんっ」 京太郎「すみません...」 京太郎(一度でいいからやってみたかったんだよな"池田ァァァ!") 福路「ソレ、やめてくださいって言ったはずで...でも記憶を失くされたんですから怒っても京太郎に悪いですよね」シクシク 京太郎(俺、やっぱりやってたのかコレ...) ピーポーピーポー…… 京太郎「んっ?」 福路「救急車です。本当は発見した場所からも動かしてはいけなかったんですが」 京太郎(そうだよな、1ヶ月行方不明だったら心配もされるよな) 【病院・病室】 京太郎「とりあえず絶対安静、と」 バタンッ! 久「須賀くん!」 京太郎「部長...それに清澄の皆」 バッ 咲「京ちゃんっ!」 優希「京太郎!!!」 まこ「二人とも、嬉しいのはわかるか、相手は病人じゃけえ抱きつくのはよしぃ」 部長「お医者様の話だと健康そのものらしいけどね」 京太郎「皆...こんなに心配してくれてありがとう」 京太郎(はじめて会ったのにはじめてな気がしないなあ) 京太郎「……で、いきなりで悪いんですけど」 一同「?」 京太郎「俺の彼女って誰ですか?」 まこ「ぶっ」 久「フフフ、あーおかしいわ。さすが須賀くんね」 和「はじめての会話がそれですか」フフ 京太郎「あれー...どういう意味でしょうかその反応は」 優希「京太郎に彼女なんてありえないじぇ~」 咲「久しぶりなのに京ちゃんったら」 京太郎(この中にはいないのか...まあウケてるみたいだし今はこれでいいか) 京太郎「悪いないきなりこんな事聞いて」 入院生活は3日で終わったがその後も警察やらの事情聴取でしばらくはまともに家を出る事が出来なかった。 そして俺は家の中、自室のベッドの上で携帯とにらめっこをしていた。 京太郎「うーむ、番号リストを見るに大分他校の生徒とも繋がりがあったらしい」 京太郎「龍門渕メンバーのアドなんてどうやって手に入れたんだ俺...きっと何ヶ月もかかったに違いない」 京太郎「履歴は...おわっ」 京太郎「咲とタコスはわかるとして龍門渕のハジメにみはるん、文堂さんまで」 京太郎「おいおいどんだけだよ...」 京太郎「あれだな、なにが恐いって失踪前にやり取りしたメールが全部消されてるところだよな...」 京太郎「とりあえず明日から外を歩いて色々情報を入れていくか」 【ショッピングモール】 京太郎「なんとなくこっちから連絡もしづらいし、足で情報を確保するのは昔からの常識だろう」 ドンッ 京太郎「痛っ」 加治木「すまない、話に夢中‥お前は」 京太郎「おおー!加治木さんじゃないですか!」 加治木「清澄の須賀...そうか、もう出歩いて大丈夫だったんだな」 京太郎「いやーお騒がせしてすみません...そういえば加治木さんとはアドレス交換してませんでしたね」 加治木「あ、ああ」 京太郎「交換しましょうよ!」 加治木「……問題はないが...まて、他意はない。アドレスの交換くらい...それはお前の推測...」 京太郎「加治木さん?」 加治木「ちょっと待ってくれ...だからな、なんで須賀と会うとお前はいつも...」 京太郎(あぁ可哀想な人なんですね加治木先輩...) 京太郎「いやいいです、またの機会にでも」 加治木「そ...そうか」 京太郎「じゃあ僕はこれで」 加治木「またな京太郎」 ――…10病後 京太郎「おおっと桃桃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 桃「!」ビクッ 京太郎「いやーなんかビビッときたよ今!」 桃「……っス」 京太郎「おぉまだ見えねぇ声は聞こえるのに!不思議!」 加治木「……なんだ桃、お前は名前で呼ばれるくらい仲が良いみたいじゃないか」 桃「ちがうっス先輩!この人とはなにも」 加治木「……なあ京太郎、記憶を無くしているみたいだから言っておくが君は私をユミと呼んでいたぞ」 京太郎「マジっすか!やるな俺」 ???『ワッハッハ珍しいやつがいるなー』 京太郎「ワハハさん!」 蒲原「おっなんだいつも通りじゃないかー」 加治木「いや、一応これでも記憶を無くしているらしい」 京太郎「ワハハさん!」 蒲原「ワッハッハなんだ京太郎」 京太郎「俺って誰かと付き合ってたりしました?」 蒲原「ブッ」 蒲原「ワッハッハ面白い事言うなーお前は」 京太郎「またその反応ですか...」 加治木「京太郎」 京太郎「はい?」 加治木「誰も名乗り出なかったのか?」 京太郎「彼女...ですか?いえ」 加治木「……」 桃「先輩?」 加治木「ふむ、蒲原。私達も早くカラオケに行こう」 蒲原「おいおい待てよユミちん~」 京太郎「?」 京太郎「今日は土曜だったな」 京太郎「……誰かに電話してみるか...」 京太郎「こうしてみると見事に女友達のアドレス数が男友達と同じくらいあるって考えると凄いな...」 京太郎「じゃあどうしようか...衣たんのアドレスがない以上...」 ピッ プルルルルルプルルルルル ピッ 一「は、はい国広です」 京太郎「ええ...と国広さん?」 一「……はい」 京太郎「あの...携帯に結構履歴が残っていたのでそれなりに交友があったのかと思って電話したんですけど」 一「……はい、間違っていません」 京太郎「よかった!」 一「あの、電話先で話すのもなんなのでお合いしませんか?」 京太郎「!はっはい」 京太郎「では...はい、11時に駅前の...はい」 京太郎「失礼しまーす」 ピッ 京太郎「完璧営業先相手のトークだったぞ今の会話」 京太郎「会って衣の番号を聞くか!」 プルルルルルプルルルルル 京太郎「おっ」 ピッ 京太郎「もしもし?」 京太郎「ああお前か」 京太郎「んっ?なにがだよ」 京太郎「はあ」 京太郎「11時から予定があるな」 京太郎「お前も来るか?」 京太郎「ええと龍門渕の国h」 ブツ 京太郎「あっ」 京太郎「切りやがった...」 京太郎「まあいいか今度あった時にでも謝るなりすれば」 京太郎「出掛ける服装は……まあ別に意識するような相手でもないし普通でいいだろ普通で」 京太郎「おはようっ」 一「ふふ、時間的にはこんにちわ、だね」 一「ねえ須賀くん」 京太郎「んっ?」 一「記憶ってどこから無くしてるの?」 京太郎「ええ...と、君とアドレスを交換した記憶は忘れているかな」 一「初めて会った日の事を忘れているのか...」 京太郎「初めて会ったその日にアド交換したのか?すげえな」 一「まあ純のおかげだったりするんだけどね」 一「じゃあ改めて、」コホン 一「はじめまして須賀くん」 京太郎「はじめまして」 一「アタシは京太郎って呼ぶし君もハジメって呼んでほしいな」 京太郎「わかったよ...ハジメ」 一「うんっ」 京太郎(百合キャラと仲良くなってもあまり意味ない気がするなぁ) 一「じゃあどこにいく?」 京太郎「そうだな...って、透華は一緒じゃなくていいのか?」 一「……透華がいた方がいい?」 京太郎「いや意外だなぁと思ってさ、ハジメって透華好きだろ?ガチで」 一「!」 京太郎(初めて会った時の記憶もないのにこれだけの事を言って大丈夫なのか) 京太郎「ハジメとは仲が良い友達だって思って聞くけど、男と女どっちが好き?」 一「う...ぁ」 京太郎「"どっちも"は困るな」 一「……オト...」 京太郎「いいや無理しなくても!」 一「京太郎...」 京太郎「俺達は親友だろ?友達がレズビアンだろうが関係ないぜ!」グッ ガッシャーンガラガラ... 京太郎「さあ遊びに行くか!」 京太郎「ん?おいハジメ!はやく来いよ!」ニコッ 一「なんでこの場面で過去最高の笑顔作れるかな...」 京太郎「カラオケでもボーリングでもどんときなさいだぜ!」 一「あー...うん、やっぱりいいな」 一「今いくよ!」 京太郎「来いよ親友!後で天江の番号教えてくれよな!」 ガッシャーンガラガラ... 京太郎「さっきからなにかが折れる音が聞こえるなあ...」 京太郎「いやー楽しかったー!」 一「もうこんな時間...」 京太郎「そうだな、少し名残惜しいな...どうだ?家に泊まっていくか!」 一「えっ?それって...」 京太郎「ダメか?」 一「……」ブンブン 京太郎「良いのか?」 一「……」コクッ 京太郎「いぃよっし!今日はスマブラ大会だー!!!」 京太郎「そうと決まれば人数集めないと...あーそうかお互い知り合いが良いよな!」 京太郎清澄鶴賀風越は俺に任せてくれっ龍門渕はそっちに任せた!」 一「……」ハァ 一「そんなに人数集めるなら京太郎の部屋じゃ少し狭いと思うよ、透華に頼んでウチでやろうよ」 京太郎「おぅ!よく気が利くな!じゃあそっちの手筈も頼んだぜ!」 京太郎「また後でな~」ダダッ 一「……ふー」 一「かわいいなまったく」 【鶴賀】 津山「合宿とは久しぶりですね」 妹尾「半年ぶりです~」 桃「どうしたっスか先輩?」 加治木「いや...麻雀ならOBとしても喜んで参加するのだが、些か私はゲームというものに疎くてな」 蒲原「ワハハーユミちんはゲームなんてやった事ないだろう」 加治木「いや...」 蒲原「んっ?もしかしてあるのかー」 加治木「そうだな...上からスライムが落ちてくるゲームなら」 桃「今日集まってやるのはなんのゲームでしたっけ」 妹尾「たしかスマブラという格闘ゲームです」 蒲原「どうだユミちん?」 加治木「……」フルフル 妹尾「ダメですかぁ~」 桃「辞退しますか?」 加治木「ダメだ、引き受ける」 桃「どうしてっすか?」 加治木「津山を見ろ...」 津山「~♪」ホワ~ 桃「部長のあんな浮かれた顔初めて見るっす」 蒲原「むっきー...」 加治木「鶴賀は参加だ」 【風越】 福路「ゲーム大会...」 池田「麻雀じゃあキャプテンに勝てないからって...これが清澄のやり方だしっ」 深堀「私は指をカチャカチャやるのは苦手で...」 池田「関取の太い指じゃAもBも同時押しだしっ」 文堂「あたしもちょっと...」 美春「あ、あたしも...」 池田「じゃあ風越は...」 福路「……ええ、今回はすみませんが辞退、ということで」 【龍門渕】 透華「ウチでゲーム大会ですって?」 一「うん...駄目かな?」 透華「皆さんの寝室の確保には困りません、しかしお泊まり会というのは初めてですし...」 純「なにが"お泊まり会"だよ、ガキかお前は~」 透華「透華以外は全員参加のつもり、後は透華の意志次第」 衣「ゲーム!ゲーム♪」 透華「皆していじわるですわ」 透華「……わかりました。龍門渕透華はこの提案お引き受けいたしましてよ」 一「透華!」パァ 一「ありがとう!」 ダキッ 透華「あ、当たり前でしてよこるくらい」アセ 純「照れてる照れてる」 智紀「当たり前でしてよこ"る"くらい」 透華「ともきー!」 【――清澄】 久「ゲーム大会...」 まこ「キューブのじゃな」 和「私はやった事ないのですが...」 久「大丈夫よ和。鶴賀の大将も初心者らしいし現地で覚えればいいじゃない」 和「はぁ...」 咲「あたしもよくわからないし一緒に覚えようよ原村さんっ」 和「――ッ!は、ハイ」ニコ 優希「全国の高校生...いや、日本には私の敵はいないっ!」 京太郎「お前ゲームならなんでも得意そうだなぁ」 優希「京太郎がスマブラやるっていう事は64か?」 京太郎「よくわかったなそうです64スマブラです」 まこ「スマブラはキューブかXじゃろう、のう久?」 久「いや、スマブラは――64よね!」ビシッ まこ「誰に向かって言っとるんじゃ...」 【龍門渕邸】 透華「えー皆様、今夜はようこそ我が龍門渕邸にいらっしゃいました」 加治木「明日は休日だからといって就寝時間をあまり遅らせないようにな」 久「じゃあっ皆4チームに別れたわね?」 桃「現部長には悪いっすが鶴賀の代表は加治木先輩っスね」 蒲原「ワッハッハ別に気にしてないみたいだぞー」 津山「黒ファルコン黒ファルコン...」 久「それじゃあっ第一回龍門渕邸スマブラ大会はじめるわよー!」 一同「おー!」 ~ライフ3~ Aブロック 1.優希2.純3.津山4.智紀 Bブロック 1.まこ2.妹尾3.蒲原4.久 Cブロック 1.一2.和3.透華4.桃 Dブロック 1.咲2.加治木3.衣4.京太郎 【Aブロック】 1.優希2.純3.津山4.智紀 優希【リンク】「負けても吠え面かくんじゃないじぇー!」 純【ファルコン白】「まあ龍門渕メンバーはやりまくってるからな、正直俺かともきだろ」 智紀【ドンキー】「勝つ」 智紀(ファルコン変態スーツ乙ww) 【結果】 1.津山【黒ファルコン―撃墜数8―】 Bブロック 1.まこ2.妹尾3.蒲原4.久 まこ【ネス】「県大会の借り、ここで晴らしちゃる」 妹尾【サムス】「練習はしましたけど...」 蒲原【フォックス】「こいつ強いと思ったのアタシだけかー」ワッハッハ 久【ピカチュウ】「うーん、まあなんとかなるでしょう」 【結果】 1.久【撃墜数―6―】 Cブロック 1.一2.和3.透華4.桃 一【青カービィ】(練習を見る限り透華以外は素人だな) 和【ファルコン】「理論じゃスピードがある方が有利です」 透華【黄ネス】「目立ってなんぼですわっ」 桃【ピンクカービィ】「はー使い安いのはこの子っす」 【結果】 1.透華「途中でカービィが消えましたわ...」【撃墜数―5―】 Dブロック 1.咲2.加治木3.衣4.京太郎 咲【プリン】「皆上手いなあ」 加治木【赤プリン】「このモンスターの目はやる目だ」 衣【ピカチュウ】「ころものピカチュウが最強だ!」 京太郎【青カービィ】「ピカチュウ以外は初心者のプリンか...先にピカチュウだな」 【結果】 京太郎【撃墜数―6―】 1.津山【黒ファルコン】 2.久【ピカチュウ】 3.透華【黄ネス】 4.京太郎【青カービィ】 桃「麻雀の上手さなんて関係ないってわかるっスね」 蒲原「ワハハむっきーの試合は画面よりもコントローラー見てる方が面白いゾ」 加治木「――で、出来るやつらからするとこの中で勝ちそうなのは誰なんだ?」 一「ピカチュウとネスの当たり判定は鬼だけど...」チラ 純「ファルコンって上手いやつが使うと更に強いんだな...」 智紀「第二回開催の時はアイツを外すべき」 加治木「……はあ」 【実況省略――結果】 1.津山【黒ファルコン―撃墜数8―】 久「いやー...強いわね」 透華「ぜんっぜん目立ちませんでしたわ」 京太郎「井の中の蛙ですね、わかります」 蒲原「じゃあ優勝者には京太郎からの熱いキッスが...」 津山「ええぇぇぇ!」 衣「なにっ!?接吻か!」 透華「衣は見ちゃいけませんわっ」 津山「――」グルグル 蒲原「ちなみに譲渡可能です」 津山「!」ハッ 津山「はいっ!」 ポス 加治木「いや...肩に手を当てられても...」チラ 京太郎「初耳もいいとこだぞ」 加治木「いやー困るな」ニヘ 加治木「じ、じゃあこの権利はポケットに...」 桃「駄目ッス!」タッチ 桃「はいっ!」 ポス 透華「ええぇ嫌ですわっ」 透華「誰か!誰か...アラっ」 一「……?」 透華「タッt......いや、出来ませんわ」 ポス 純「おい俺かよぉぉ!」 ワーワーキャーキャー 京太郎「あー学生の頃も似たような目にあったなぁ...その時はウイルス源だったけど」 まこ「ほいっ」 ポス 優希「あっ」 京太郎「おっ優希か!もう観念するんだな」 優希「旦那の欲望を受け止めるのが妻としての役目だじぇー!」 ダッ 京太郎「うわっ!?」 ドスン ちゅー 久「アラ...」 まこ「悪ふざけも大概にしぃ」笑 加治木「おっと...」 加治木「……おっと...」 桃「はい二度見しても現実は変わりませんよ先輩」ニコ 透華「あっ...」 純「バカだなアイツら」笑 智紀(リア充ノキワミアッーwww) 一「……」 京太郎「おまっちょっ」 優希「若い性を堪能したか京太郎!」 京太郎「なに笑ってんだよ俺のファーストキスかえせ!」 久「えっ」 咲「京ちゃん...」 透華「だれかー衣の耳もふさいでくださいましっ!」 加治木「おやおや...」 シーン…… 京太郎「悪かったな童貞でぇェェェうわぁあぁぁぁん!」ダダッ 桃「逃げちゃったス」 まこ「皆露骨に引きすぎじゃあ」 津山「いや、貞操観念の緩い時代に見事な男です」 純「あーもうワタシお嫁にいけないってか」 一「じゃー誰かが貰ってあげないとね」 京太郎「なんだよSEXしてる方が偉いなら誰か漢にしてくれよ...」 『京太郎』 京太郎「……」チラ 京太郎「お前か、今は放っておいてくれ。俺はあそこの大きい池に入水じさ...いや、それだけは冗談でも言っちゃいけないな」 優希「京太郎!」 京太郎「……どうしたんだやけな真剣な顔しt」 バッ 京太郎「重い重いー...んっ」 京太郎「……なに泣いてんだよ」 優希「……」ヒック 優希「泣いてなんかない、じぇ」 京太郎「なにを強がってるんだよ、泣きたいのはこっちだよ大事なファーストキスを」 優希「はじめてなんかじゃないじぇ」 京太郎「?」 優希「さっきのは京太郎のファーストキスじゃないの」 一『……』 京太郎「なんだよソレ」 京太郎「だって実際さっきのが初め...」 京太郎「……」 優希「気付いた?」 京太郎「お前はそれを知ってるんだな」 優希「……」 京太郎「そうか、付き合ってたんだもんな」 京太郎「キス以上もしたわけで...」 スッ 優希「!」 京太郎「全然ダメだな俺は、あまりにも遅すぎだ」 ギュ 京太郎「わるいな優希...」 優希「……」ヒック 京太郎「泣くなよ、悪かったってこれから思い出していけばいい」 『そんな結末こそ全然ダメだね』 ガラッ 久「あらおかえり京太郎K...」プッ まこ「いやー災難じゃったn...ダメじゃ...」プッ 久「アッハッハ京太郎さっきのは気にしないで先に進みましょうよ!」 まこ「ガハハじゃけえ童t...いやなんでもないわ」ブブッ アッハッハ!ゲラゲラ! 京太郎「最悪じゃねえか清澄...先輩達だけだぞ爆笑してんの」チラ 純「うっ」サッ 京太郎「……」チラ 鶴賀一同「……」クッ 京太郎「んだよー!笑えよ笑いたきゃ笑えばいいだろー!!!」 アーハッハゲラワラwwwww 京太郎「なんか笑い屋につられて笑う客の気分がわかるくらい見事な爆笑っぷりだ」 京太郎「んっ」チラ 一「……」 京太郎「ハジメは笑わないのか?」 一「どうして?」 一「好きな人が綺麗な身体だってわかって嬉しいくらいだよ」 ―― 今のは、聞こえたぞ この場にいる全員に。 京太郎「んっ?ああそうだな」 一「うんっ」ニコ 久「さぁておトイレはどこかしら」 まこ「連れションじゃわしもいくわ」 純「じゃあ俺が案内する」 純「ホラ透華もだ」 純「皆いくぞー」 ゾロゾロ バタン キャーキャー ――さすがに年頃の女の子なだけあって恋愛話には弱いらしい、 きっと今も何人かはドアに耳を当てて聞き耳を立てているんだろう。 京太郎「あのぅハジメさん」 一「ボクはハジメって呼んで。そう言ったはずだよ」 京太郎「ああ、ハジメ――今のは」 一「好きだよ、京太郎」 京太郎「――」 一「愛している」 京太郎「――まあ、」チラ 優希「……」 一「あれ?どうして片岡さんは残っているのかな」 京太郎「……ええと」 一「返事を聞きたいな」ニコ 京太郎「正直、さっきまでだったら嬉しかったと思う」 一「本当?」パァ 京太郎「だから――さっきm」 一「記憶を失う前の事なんて関係あるの?」 京太郎「!」 一「ただ記憶を失う前は片岡さんの方が先に出会っていた分アドバンテージがあった」 一「で、記憶を失ってからはボクとこうして遊んでくれて――事実ボクに好意を持ってくれてる」 一「今の気持ちよりも過去の方が優先なんだ」 一「さっきまでなにも思ってなかった子と、繋がりがあったと分かったら一番になっちゃう。それでハッピーエンド。そうなんだ」 京太郎(――事実すぎる) 優希「……」 一「ボクは、悲しいよ?すごく、泣きたくなる」 加治木「ちょっと待ったー!」 バタン 桃(*1) 久(*2) 透華(*3) 加治木「ここは第三者の意見が必要だと思う」 加治木「当事者達は頭に血が上って冷静な判断が出来ないと見た」 加治木「私はそう――だな、どっちもダメだ!」 純「すげえなあの女」 智紀「のぼせる皆の目を醒ました彼女がある意味一番冷静なのかもしれない」カタカタ 京太郎「今日は……」 一「一旦中止にするよ。また二人で遊びにいこうね」 京太郎「はは、」チラ 優希「……」ムー 加治木「女に脅されてるから手を出せないという理由が一番不安定でダサい」 純「はい一2.0タコス2.5~」 透華「そこっ賭けないっ!」バンッ 桃「先輩~」ヒック まこ「誰じゃ酒を持ってきたのわー!」 久「いや~良い気分ね!」ヒック 和「これはひどいですね...」 咲「みんな楽しそうだし、良いと思うな」 和「宮永さんがそう言うなら...」 智紀「就寝時間に下着写メして2ちゃんにうpしよう」カタカタ 京太郎「あーどうしようか」 加治木「決着はキチンとつけろよ」ニッ 京太郎「一人部屋は寂しいなー!」 京太郎「旅館の部屋よりも広いところで布団を敷いてねるなんて寂しいなー!」 久「隣から声が聞こえてくるんだけど...」 透華「我が家の壁を通り抜けるなんてどんな大声で愚痴ってますの?」チィッ ウッフキャハハ 久「こっちはこっちで恋バナに花が咲いてるしね」 透華「みんなお子さまですわっ」 京太郎(真剣に考えると大変な事だよな、嬉しい悩みではあるけど) 京太郎(それに、俺が命を絶った理由ってのも謎だし...恐ぇななんか) 京太郎(部屋もバカ広いし余計恐い...) 京太郎(無理言って向こうに入れてもらおうかな) 京太郎「失礼しまーす」 ガチャ 京太郎「こっちで寝させてもらえないでしょうか」 シーン イイヨ 京太郎(なんでシーンとしてるんだ、そしてなぜOKだしたヤツは声色を変えて返事をする?) 京太郎「了承を得たので入りますね...後で怒らないでくださいよ」 オコラナイヨー 京太郎(だから誰だよさっきから) 京太郎「じゃあドア側の布団に入りますよー」 ダメー 京太郎(おぅふ、今度は以外と近くから聞こえてきた...暗闇でよく見えんがコイツからは拒絶されてるのだろう) 京太郎「じゃあドコなら良いんですかー」 マドガワー マンナカー ドアマエヒダリハジー 京太郎(腹立ってきた...) 京太郎「じゃあドア前の左側に入りますよー」 京太郎「失礼しまーす」ボソ 京太郎「んしょっと」ゴソ 京太郎「少し詰めてくださいねー」 グッ 京太郎(くそ...全然動く気無いなコイツ) グッ 京太郎「ちょっと、誰かわからないですけど少し向こうに寄ってください」ボソ ???「うーん」ムニャ 京太郎(寝とるー!?) 京太郎(どうしよう、考えるんだ...そうだ少し押そう) グッ、スポ 京太郎(あぁっ手が浴衣の中に...) 京太郎(相手によってはラッキースケベで済むんだが...) ムニュ 京太郎(この弾力はあの二人のどちらでもねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!) ムニュ...ムニュ 京太郎(こっこれはー!) 京太郎(経験があるとはいえ実質童貞の俺には刺激が強すぎる!) モニュ ???「ぁん...」 ザワザワ 京太郎(うぉーい!声を出さないでくれえー!) 京太郎(だが気持ちよすぎて俺の左手が止まらない) ???「……んっ...ぁ」 ザワザワザワザワ 京太郎(駄目だ俺!抜くんだ左手を!!!) スッ ???「……スゥ」 京太郎「ふぅ……」 ???「ん……ふわ~あ」 京太郎(起きたー!) ???「むにゃ...どうして須賀がここにいるんスか?」 桃「ふにゅ...というかアタシは...たしか先輩に胸を揉まれていて...」 京太郎(寝ぼけて全部口に出してる!) クスクス コラッ、モモー 京太郎(注意してるやつはなんとなく誰かわかるな...) 京太郎(ここは危険だな...どこかに入らないと寒い) 京太郎(後は真ん中と窓側だな) 京太郎(ここは入りやすい窓側に決めた) 京太郎(桃。一応お礼は言っておく、本当ごち...ありがとうございました) 京太郎(窓側...なんか変則的な配列だな) 京太郎「失礼しまーす」 スッ 京太郎(おっ誰もいない) 京太郎(一人分開けてくれたのか...優しいなあ。明日起きたら誰誰か確認しよう) 京太郎(これで大人しく寝r) サワ... 京太郎(んっ?) サワ ツー 京太郎(誰だふくらはぎから徐々に上へ触るやつは!?) サワ... 京太郎(いやっ声が出ちゃうっ) 京太郎(……じゃねえよ、痴漢にあった女性の気持ちがわかるな、おっかねえ) モミ... 京太郎(マジで誰だコイツ尻を触るなよ) 京太郎(左側だな...) 京太郎(悪ふざけだろうし少し無反応でいたら飽きてやめるだろう) サワ サワサワ ツー... ギュッ 京太郎「ぁっ」 ザワザワ 京太郎(チィィィ!声が出てしまった...つうかモロに触りやがったぞ) 京太郎(この野郎...いや女か) スッ 京太郎(浴衣の下側に手を...直接触る気か?大胆すぎるだろコイツ...!) 京太郎(いまだっ!) ガシッ ???(あっ...) 京太郎(捕まえたぞ...引っ張って誰か確かめてやる) ズッ... 京太郎(髪の毛が見えてきた...) ズッ... 京太郎(……) ???「……スマナイ」ボソ 京太郎(なにやってるんすか加治木さん...) 加治木「いや、その、な?これくらいの事をしていれば更に仲良くなれるとだな...」ボソ 京太郎(どんな超理論だよ...) 京太郎「じゃあ、逆にこっちが触っても良いってわけですね」ボソ 京太郎(まあこれで大人しく引き下g) 加治木「……」コクン 京太郎(なぜ斜め下を向いて頬を赤らめるー!!!) 京太郎(駄目だ...結構美人だから襲ってしまいそうだ) 京太郎(ここは大人しくこちらから引き下がろう) 京太郎「もうやめにしてくださいよ...」ボソ 加治木「……いやだっ」 京太郎(くっ、この女...) 京太郎(もうキレた) 京太郎(じゃあ触りますよ...) モミッ 加治木(んっ...)ピク モミモミッ 加治木(……んっ)ピク 京太郎(声を圧し殺して我慢とはなんて嗜虐心を煽るんだ) 京太郎(ひひ...じゃあ生で) スッ 京太郎(んっ?それにしてもやけにハッキリ見えるなあ) 京太郎(!) 京太郎「あっ...」 久「電気が付いてると良く見えるでしょう?須賀くん」 京太郎「これは...誤解...」 久「……ハァ、その浴衣に突っ込んで今にも揉みしだこうとしている手はなに?」 透華「龍門渕の屋敷内でこのような下劣極まりない行為...万死に値しますわ」ワナワナ 京太郎「加治木さん!貴女からも理由を説明してくれ!事実を!」 加治木「"いいのか...?"と聞かれたので"……コクン"と応えた」 京太郎(確かに事実だけどもー!その前らへんを詳しく!) 優希「ありえないじぇ……」 一「さっきの今でこれですか、言ってくれたらボクが応えてあげるのに」 京太郎(……ハッ!この二人よりも大きな殺気が後ろに...!) 桃「……」 京太郎「いやっこれは...ちがっ」 桃「いつまで入れてるんスかー!!!早くその手を抜くっス~!!!」 京太郎「ぬわーーーーーー!!!」 こうして、俺は朝日が昇っても起きる事が出来ないほど痛めつけられた。 京太郎「……もう昼か」 京太郎「まだ満足に体が動かない...」 一「もう起きても大丈夫みたい?」 京太郎「ああ...みんなは?」 一「大浴場、そこから上がったら帰るらしいよ」 京太郎「そうか...」 一「ねえ」 京太郎「?」 一「今なら誰もいないよ」 京太郎「……駄目なヤツだ俺は」 一「?」 スッ 京太郎「やっぱりかわいい」 一「あっ当たり前だし」アタフタ 一「……ありがとう」 京太郎「今はハジメの方が好きだよ」 一「……っ」グス 優希『……』 京太郎「よいしょっ...と」 ハジメ「ボク、なーなーの関係って嫌なんだ」 京太郎「はあ」 カチ 『今はハジメの方が好きだよ』 一「録音しちゃったよ」 一「ボク的には二股でも良かったんだけどー...」 一「心変わりしてさ。こうでもしないと納得出来る状況にならないんだよね」 京太郎「……」 京太郎(まあどちらかを選ばないといけないわけだし) 一「ボクを選んだから悪役。彼女を選んだからピュアな心の持ち主――そういうわけじゃないと思うな」 一「……好き?」 京太郎(……駄目だ大好きだ) 京太郎「言う、ちゃんと告白する」 久「ふー良いお湯だったわぁ」 和「本当、旅館の温泉に引けをとらないくらいでした」 優希「……」 和「優希?」 咲「そういえば、優希ちゃんお風呂で見なかったよね」 優希「……」ダッ 優希「き、京太郎」 京太郎「引っ付くなタコス」 京太郎(なんて言えねえよ) 京太郎「お、どうした優希」 優希「あの、さっきの話...」 京太郎「聞いていたのか」 優希「……好き?」 京太郎「あ、……好き、だ」 京太郎「……けど1番じゃ、ない」 京太郎「どっちかに決めるって決めたんだ優希、お前が嫌いになったわけじゃない...」 優希「……ぁぅ」 加治木「悪者を見つける必要はない、彼女には悪いが決断をした側にも傷は残る」 和「……」 京太郎(和が泣きそうな顔で睨み付けてくる) 京太郎(それはそうだよな他人事だったら俺も男を責めると思う) 京太郎(いっそ嫌ってくれ、なんてのは優希に悪い) 優希「じゃあアタシ頑張るよ!」 京太郎「!」 優希「頑張って京太郎から手を出すような女になってやるんだから!」 優希「その時は優しく迎えてあげるから感謝するんだじぇ!」 京太郎「優希...」 この子は俺が思っているより、ずっと強かった。 京太郎「優希」 優希「駄目!もっと後!もっと魅力的になってからだ!わかったか京太郎!」 京太郎「……ああ!」 優希「いよーっし!そうと決まればのどちゃん!」 和「はい?」 優希「のどちゃんの乳を飲んでアタシもおっぱい 京太郎「はあ」 大きくするじぇー!」 和「やめてよ優希~!」 久しぶりに清澄の笑顔が戻ってきたようだった。 京太郎「おーいハジメ!」 一「あっコッチだよ京太郎!」 京太郎「いやー少し電車が遅れて...」 一「もうっ...まあ今日は記念日だから特別に許してあげるよ」 京太郎「今日?――あぁ」 あれから俺は一と付き合い出し、一年の月日がたとうとしていた。 一「もう...忘れてたの?まあ、そこがキミらしくもあるんだけどねっ」 今でも一番は一だ。そしておそらくこれからも一番なのだ、 京太郎「よし!今日は俺がキチンとエスコートしますよお姫様」 一「うんっ」 京太郎「好きだよハジメ」 一「ボクも――大好きだよ京太郎」ニコ 二人の人生はこれからも続いていく。 おわり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364050545/ 京太郎「……あれ?」 京太郎「ない!ないない!アレがないぞ!」 京太郎「ちょっと待て!身長も低い気がする…、ってか胸」 ぷにょん 京太郎「……」モミモミ 京太郎「……俺、女の子の胸とか触った事ないけど多分これがおもちだ」モミモミ 京太郎「落ち着け落ち着け…。クールになれ須賀京太郎」 京太郎「昨日の夜までは…、普通だったよな?」 京太郎「確か…」 和『須賀君、クッキー作ってみたんですけど試食して貰えませんか?』 京太郎『和が俺に?何の冗談だ』 和『じっけ…いえ、たまたま作りまして。ほら、今日は咲さんがお休みじゃないですか』 京太郎『確かに咲は休みだが…。優希とか居るけど』 和『須賀君に食べて欲しいんです!ぜひ!ぜひぜひ!』 京太郎『い、頂くよ。和の手作りとか珍しいからな』カリッ 和(食べましたね!)ニヤリ 京太郎『結構美味しいぞ』ポリポリ 和(効果が出るのは12時間後。とある病院で開発された性別反転キノコを使ったクッキーです) 和(もし…、これが成功すれば咲さんから咲君になって、咲君は私の体の虜になるはずです) 和(男の子は大きいおもちが大好きですからね。須賀君の視線もいつもおもちばっかりですし) 和『えーコホン。明日は必ず部活に来て下さいね』 京太郎『風邪でも引かない限り行くつもりだが?』 和『風邪引いても来て下さい!お願いしますね!』ギロッ 京太郎『お、おぅ…。今日はいつになく優しいな』 和『須賀君は清澄麻雀部に欠かせない存在ですからね』ポッ 京太郎(これは…、脈ありなのか…。優希すまん!お前に悲しい報告をする日が来るかもしれねぇ) 須賀家のトイレ 京太郎「やっぱりチ○コないわ」cv井上麻○奈 シャアアアアア、ブリュブリュュ 京太郎「オシッコしようと思ったらウ○コまで出たぞ!?女の体って不便だなぁ」 京太郎「……」フキフキ 京太郎「あんまりグロいから見たくないな。ちくしょう!モザイクの向こう側はこんな世界だったのかよ!」 京太郎「とりあえず部長に相談してみるか。学校行こう」 33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02 17 18 ID 9roUFHEs0 部室 京太郎「ちわー」ガチャ 久「あら?見かけない顔ね」 まこ「もしかして入部希望者かの?」 京太郎「いや…、俺…」ゴニョゴニョ 久「一年生誰か!お茶と和菓子の用意を」 咲「は、はい。今すぐ用意して来ます」タッタッタ 咲「お茶もお菓子もどこに仕舞ってあるのかなぁ…。普段は京ちゃんが全部やってるからわかんないよー」ゴソゴソ まこ「困ったの。優希、買いに行ってくれるか?」 優希「ラジャー」 京太郎「あの…、お茶なら白糸台の渋谷さんが送ってくれた玉露がまだありますし」 咲「え?」 京太郎「そこの戸棚の左奥だよ」 咲「こんな所にあったんだ」ゴソゴソ 咲「ど、どうぞ粗茶ですが…」コトッ 京太郎「…どうも」 京太郎(やっぱり気がつかないのか) 久「それで貴方は何年生なのかしら?麻雀部は見学に?」 京太郎(いつもいいように使われてるし、たまには仕返ししてやるか…) 京太郎「い、一年生の山田花子と申します」ペコリ 京太郎「麻雀は点数計算とか出来ない素人で、初心者です」 久「うんうん、麻雀の点数計算は難しいものね。初心者とか全然気にして無いから」ニコッ まこ「そうじゃ、私らがいくらでも教えてやるわい」 京太郎「えー、お…私に出来るかなぁ~」 京太郎(女と男でなんでこんなにも態度が違うんだよ!) 京太郎、男の時 久「須賀君さー、まだ符計算覚えてないわけ?」 京太郎「はい。俺の練習相手ってネトマだから覚えなくても問題なくて」 久「そんなんで上手くなれるわけないでしょ!ほら、紙にでも書いてチャチャと覚える」 和「符計算くらい覚えて貰わないと清澄麻雀部の一員である資格なんてありませんよ」 京太郎「えぇ~」 京太郎「どうしようかな~」悩むふり 久「ね、ね、お願いよ。実は私が卒業して清澄麻雀部の部員が4人になるの」 咲(京ちゃん入れて5人ですが) 京太郎「そんな事言われても私には関係ないし~」 久「全国大会団体戦は5人居ないと出場出来ない。来年、新入部員が入って来る保証もない」ジリジリ 京太郎(女)との距離を詰める久 久「私で良かったら…、何でもするからさ…」サワッ 京太郎(なんか知らんが手を握られた) 京太郎「何でもですか?」 久「金銭的相談以外ならね」ウィンク まこ(あーあー、安請け合いしよってからに) 京太郎「コホン。じゃあ、おもちタッチいいですか?」 久「へ?」 京太郎「おもちタッチですよ。同性ですし、別にいいかなって」 久「うっ…、胸を触らせろって事ね///」 京太郎「はい、触らせて貰えたら入部を考えます」 久「胸かー。胸をねぇ…」ウーム まこ(一応、初対面なんじゃが…) 咲(でも全国大会にも居たなぁ…、そんな女の人) 玄『和ちゃん、お久しぶりですのだー』モミモミ 和『玄さん!?』 久『誰?和の知り合い?』 玄『清澄の部長さんですね?初めまして、和ちゃんの幼馴染の松実玄です』モミモミ 久『…触っていいって言ってないけど?』 玄『これは奈良式の挨拶でして』モミモミ 久『……ふーん』 玄『私のおもちも触りますか?』ズイ 久『結構です』 玄(Cカップですか…。清澄のおもち力は全国でも下から数える方が早いですね) 玄(後は…)チラッ 咲「それでね、そのドラマの女優さんが…」 優希「へぇー、ごり押しじゃないのか」 まこ「最近よくCMで見るのぉ」 玄(さて、次の学校に行きますか) 京太郎(女の人なら初対面でも胸を揉んでいいのか…。男なら即警察行きだからなぁ) 咲「そんな事があったな。後から聞いたら松実さんは大のおもちマニアだとか」 まこ「なーに一人でブツブツ言ってるんじゃ」 京太郎「で、どうしますか?俺、麻雀は初心者ですが料理、裁縫、日曜大工。雑用なら何でも器用にこなせますよ」 久「…うーん。欲しい」 久「ふ、服の上からよね?///」 京太郎「今日の所はそれでいいです」 久「減るもんじゃないし…、いいわよ///」コクン 京太郎「では、触ります」フニフニ 久「んっ…、んふっ…」 京太郎(うーむ、柔らかいけど大きさがなぁ…。俺の方が大きいかもしれん) 京太郎「……」モミモミ 久「あっ…、あん!た、タッチって言ったじゃない!?」 京太郎「失礼しました、つい考え事をして」ペコリ ガチャ 和「おはようございます」 久「で、これが入部届ね。約束は守って貰えるのよね?」 京太郎「はいはい、もちろ…」 和「須賀君ですか?」 京太郎「ぎくっ!?そそそそ、そんなわけあるか!俺は女だぞ」 京太郎「須賀君は男じゃないか!」 和「……」ジトーーー 久「入部届ありがとう。あら?山田花子さんじゃないの?」 咲「須賀京太郎って書いてますけど…」ジトー 優希「おい、山田。お前の持って来た鞄を見せるじょ」ヒョイ 勝手に京太郎の鞄を取る優希 優希「……」クンクン 優希「これ、犬の家の匂いだじぇ!?」 久「きゃあああああああああ!」 まこ「おぬし、京太郎か!」胸倉掴む 京太郎「マジすいません!ほんの出来心で…」ブルブル 咲「最低だよ、京ちゃん」 和「ホントに最低ですね」プンプン ・ ・ ・ 久「で、言い訳とかあれば聞くけど?」ムスッ 京太郎「来年も清澄の雑用係として末席に置いて下さい」ドゲザ 久「ったく。男の子に胸触られるのとか初めてだつーの!」 咲「ホントに京ちゃんなの?」 京太郎「信じられないかもしれないが、須賀京太郎だ。起きたら女になってた」 和(実験は成功ですね)ニヤリ 久「いくつか質問をしましょう。他校から送られてきたスパイかも」 まこ「まぁ…、わしらは仮にも全国大会で優勝したチームじゃしな」 優希「京太郎の事は私が一番詳しいじぇ。おい、花子。私の質問に答えろ」 京太郎「花子じゃねーよ!」 ・ ・ ・ 優希「あっ、間違いないじぇ。この花子は、京太郎だ」 咲「だよねぇ…。私と京ちゃんの中学時代の事まで知ってるなんて」 和(咲さんの中学生時代の話が聞けて貴重でした) 京太郎「信じて貰えましたか?」 久「次は本当に女になったかをチェックね」 咲(胸、どう考えても私より大きい!こんなのってないよ)ズーン 京太郎「ははは…、女の体って不便ですね。体力は絶対落ちました。筋力もですけど」 久「私は貴方の体を触る権利あるわよね?」 京太郎「た、多少は」 久「ふふっ…、少し楽しみね。さぁ、須賀君そこのロッカーに入りなさい」 京太郎「は?」 ギィィィィィ まこ「どうぞ、ごゆっくり」 京太郎「……」ビクンビクン 久「ふぅ、一仕事終えたわ」フキフキ 咲「部長、本当に女の子でした?」 久「間違いないわね。身長169cm、体重49kg、BWHは90-62-92」 久「清澄では和に次ぐナイスバディーよ」 優希「犬の癖に生意気だじぇ」 咲「京ちゃんいいなぁ…。私もバスト90とかなってみたい」シュン 和(咲さん、安心して下さい。私がもうすぐ咲さんをバスト(胸囲)90に変えてあげますからね) そして京太郎が女のまま夏がやってくる 県大会予選 まこ「いいか。優希で稼ぐ。そして次鋒の京太郎に繋ぐ」 京太郎「は、はい」 優希「私が他校を飛ばしてしまってもいいんだじぇ?」 まこ「もちろん。京太郎はあくまで防御にこだわるんじゃぞ」 京太郎「はい、ベタ降りの練習はずっとして来ましたから大丈夫です」 咲「京ちゃん、何点取られても気にしないでね」 和「私達が取り返せばいいんです」 京太郎「おぅ。お前らに任せた。俺は飛ばされない事だけを考えて打つよ」 優希「大丈夫だじぇ。半年間私と咲ちゃんの東場で練習して来たじぇ。もうちょっと自信持つじぇ」 パーン 京太郎の腰を叩く優希 京太郎「いてて…」 まこ(次鋒は火力が高い選手が少ないからの。大丈夫じゃと思うが…) まこ(久が居ない分、去年より確実に厳しい。しかし、京太郎が女になってくれたおかげで県大会出れたんじゃ) まこ(京太郎に感謝せんと) なお県大会優勝は龍門渕 10年後 京太郎「おっ…、動いた!」ドクン 優希「私も動いたじぇ。流石双子」 和「双子なんですかね?まぁ…、母体が違うだけで遺伝子は同じですからね」 京太郎「しかし、和には感謝してるぜ。iPS細胞での女性同士の妊娠。滅茶苦茶お金かかるからな」 優希「何年かかってもお金は必ず返すじぇ」 和「気にしないで下さい。私は須賀君にとても感謝してるのです」 京太郎「俺に?」キョトン ?「京ちゃんも優希ちゃんもお腹大きくなったねぇ~、久しぶり!」 京太郎「お前、咲か!?ヒゲ似合ってねーなー」 咲「むっ?厳つい感じを出したかったのに…」 優希「咲ちゃんはカワイイ男の子だから、ヒゲなんて辞めといた方がいいじぇ。イチローって言うかムネリンタイプ」 和「世界大会はどうでした?」 咲「ごめんね、負けちゃった」エヘヘ 京太郎「ニュースで見たぜ。監督の指示ミスなんだよな?」 咲「違うよ。私の責任。ちょっと焦ってリーチかけちゃったのが原因」 優希「ネットでは戦犯とか言われてるけど、気にする事ないじぇ」 和「当たり前です!咲さんは日本を代表して戦ってたんです、リーチかけて直撃振り込んだからって戦犯だなんて…」 咲「事実だよー。大将だからね、責任は取らないと」 咲「和ちゃん、ごめんなさい。坊主にして来ました」ぺっこりん 帽子を取って坊主頭を見せる 和「咲さん」ウルウル 咲「私の事、嫌いなった?」 和「……」フルフル 和「坊主頭くらいで嫌いになれるわけないです」 咲「良かった。そうそう、日本に帰って来たらね…。ホントは勝って言うつもりだったんだけど…」 咲「け、け、結婚しませんか?」 和「喜んで」ニコッ 京太郎「おおっ!ついに咲が…」 優希「明日の朝刊の一面は決まりだじぇー。染谷先輩や竹井先輩に報告しないと」 こうして女になった京太郎は末永く優希と暮らしました。 男になった咲さんも、末永く和ちゃんと暮らしましたとさ 終わり
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ぽつんと、取り残されてしまった。手元には、淡がなめていた飴だけがある。 「やれやれ……あいつの言うとおり、塩送ったことを後悔するかもな……しかし、これどーしろってんだ……」 手元の飴を見る。さすがに舐める気にはなれない。 もったいないけど、捨てちまうか…… と、考えていると、突然にゅっと湧き出した手に飴をかっさらわれた。 「うお?! ……て、え?」 「……」 するとそこにはなんとインハイチャンプ宮永照。口にはすでに棒付きキャンディを咥えている。 「……え、えーと」 「激励に来た、つもりだった」 ぽつりと呟いた。そして、こちらを見上げてくる。 「……役目は横取りされたけど、ね……ありがと、淡の友達さん」 そういって彼女は去ってしまった。 飴の処理はすんだが、どうにも……釈然としない。 「……帰るか」 トイレにしては長く出すぎただろう。大の方でしたといいわけでもするか。 俺は、もうすっかり静かになった廊下を、清澄の控え室に向けて歩き出した。 対面に座った淡を見て、咲は思わず眼を見張る。 (……さっきまでと全然違う) 一回目の半荘が終わる頃には淡はすっかり憔悴しきっていた。 それもそのはず、自分ら3人に徹底的にマークされていたのだ。 (それでも、削りきれなかった) 咲からすれば、完全に想定外であった。それほどまでに大星淡の防御力は圧倒的だった。 京太郎のいう『急所』を見つけてなお、咲は淡を抜き去ることができなかった。 (ここからは他の二人も、敵になる) 残りの半荘、点数を稼ぐため、協力していた二人も問答無用で咲から点を奪いに来るだろう、厳しい戦いになる。 (それに、なにより……) 淡の、眼が違う。覚悟を決めた、強く輝く、星のような瞳。油断も慢心も一切ない、全身全霊でもって、『護り』にきている。 (それでも……負けたく、ない) 起親穏乃が牌をきった。続けて咲もツモり、切り出す。 (私は……勝つ。皆と一緒に!) 大星淡は考える、どうすれば勝てるか。 無論、相手より点数が高くなくてはならない、それは大前提。 そして淡は7000点のリード……これは、あまり大きくない。 3900の直撃、場合によっては5200のツモで捲られるだろう。 しかし淡はこの7000点が、とてつもなく頼もしい防壁に思える。チームが稼いでくれた、私に繋いだバトンだ。 手を眺める。少しだけ考えて、淡は牌を切った。リーチはしない (リーチしてこない……) 先ほどまでも見受けられた傾向だ。手を組み替えて、高い手を作るのだろうか。磐石ではない点差を穴埋めするためか。 (でも、そこが弱点!) そここそが、淡に食らいつくための急所だ。遅れたスタートダッシュ『六向聴』を補うため加速せんと、咲が喰らい付く。 「ポン!」 穏乃の切った牌に鳴く。鳴いて、少しでも早く。 咲は素早く不要な牌を切り出した。 「ロン」 背筋が、凍りつく。 「30符一飜だけ、だけどね。1000点」 黙聴だ。理解して、咲は思わず冷や汗をかいた。 これは、強敵だ。 京太郎は滝のような冷や汗をかいている。 別に、先ほどの淡との会話が誰かにばれたとかではない。知ってるのはおそらく宮永照だけだ。 では、なぜかというと画面内の淡の恐ろしさに、である。 大星淡はテンパイを維持したまま、リーチをかけず黙聴という手を取り、放銃率の低い咲から直撃を奪った。 点数こそ低いが、驚異的なのは速度とその隠密性だ。 (手が遅くなるハンデを背負って、あんなのと打ち合わなきゃいけねーのかよ) 今更ながら京太郎は恐怖した。淡を焚きつけるべきではなかった。まさかこれほどまでの魔物だとは夢にも思わなかった。 (これ咲が負けたら完璧俺のせいじゃねーーーか!!) なんとも情けない話だが京太郎は自分の保身を考えていた。ばれたらやべーなとか、土下座の美しいフォームとか、ハラキリセプクの作法を学ぼうとかだ。 しかし、画面に映る、淡の顔を見て、その煩悩も露と消えた。 (いい顔しやがって) そこには、覚悟を決めて、しかしあの独特の愛嬌も失わない美貌が映っている。とても、いい顔だ。 (頑張れよ……二人とも) 咲に心の中で謝る。この戦いはどちらかの応援ではなく、一人の麻雀うちとして見学させてほしい。 この試合は、きっと素晴らしい試合になるだろうから。 ーーー ーー ー (あぁ……気が遠くなってきた……) 頭をフル回転させすぎて淡は顔がぼんやりと赤くなってきた。知恵熱を初めて実感している。 とにかく、とにかく早上がりを目指し続けた。他家は五向聴以下自分は聴牌というハンデを最大限活かして、とにかく早く流した。 全て安手であったが、相手のアガるチャンスを潰し続けた。 そして、ついに、オーラス。 (……ちくしょー) 手元を見る。配牌は確かに、聴牌、しかし役がない。 (黙聴は無理かー、でもなー、咲だっけ?相手に手を組み直してる余裕あるかなー) 対面をちらりと見る。咲の方も相当余裕がなさそうな顔をしている。じかし向こうはささっと鳴いて、ついでにリンシャン牌を掴んで五向聴を早ければ3巡で聴牌まで持ち込んでくる。なんの冗談かと思うが、自分は人のことを言えないか、と苦笑する。 (リーチ棒出したくないなー) 二位清澄との点差は、わずか2300まで迫っている。1000点の直撃ならまだギリギリで勝てるが、リー棒を出してたらもうアウトだ。 (怖いなー) 頭がボンヤリする。勝負を仕掛けるのが怖い。やはり手を組み替えるべきではないか。しかし、しかし、だがしかし…… (いや、迷うな、逃げちゃダメだ) さすがに今ここで逃げられない、どっちみち黙聴はバレているのだから、先にアガったほうが勝ちというシンプルなルールで行こう、そうしよう。 淡、一世一代の大勝負、点箱から千点棒を取り出し、宣言。 「リーチ!」 場が張り詰める。他二校も、点差は1万程度まで迫っている。誰にでも勝機がある。 (この渾身のダブリー、振り込んでよね) あぁ、手を伏せた後にドッと淡の背中から冷や汗が吹き出てきた。 怖い、ちょー怖い。こんなに緊張した麻雀はいつ以来だろうか。テルーに初めて順位で勝つかどうかの卓でも、これほどの緊張はなかったと思う。 (……この一勝負で考えれば私は20000以上く削られてるよね、ダメだなー、私) しかし、しかし今自分は勝っているのだ、仲間の稼いだ点のおかげで (よし、きめた、とりあえず控え室戻ったらみんなに謝ろう。とくに菫に……いや、菫部長って言ったほうが今はいいよね?多分) 牌が切られてゆく (とにかく早くみんなにあって、謝ろう、そうしよう) 牌をひく、あたり牌ではない。 (で、そんでもって、うちが勝ったら、その後すぐに清澄の控え室行こう。そんでもって、きょーたろーが出てくるの待って、どうだーかったぞーって自慢してやろう、そしてすぐにアイスクリーム食べに行こう) ツモ番が、咲へ回る (……負けたら、そうだな、その時は) 「……カン!」 (あーーーーー) 大星淡は負けを悟った。 ……… …… … あぁ 脚が重い 己の脚はこんなに重かっただろうか まるで、足首に10キロのバーベルをくくりつけているようだ あぁ でも 戻らなくては 控え室に ドアノブに手をかける。 ……決心がつかない。 みんなに、どんな顔をして会えばいいんだろうか 全てを、台無しにして、私はどんな顔をすれば、いいんだろう。 手が動かない、ドアノブを回せない、まるで杭が打ち込まれなように手首が動かない。 だめだ、ダメダメ、だめなんだ、謝らないと 不意にドアが開かれた。 「あっ……」 「……ん?」 その先には、テルーがいた。 あれ?戻ってきてたんだ、と言いたげな顔だ。 あぁ……心臓が潰れてしまいそうだ。 「……ほら、こっち」 「あう……」 手を握られて、引かれるがまま、控え室の真ん中に連れてこられた。 みんなが、私を見ている。 「……ぁ……そ、の……」 謝ろう、そう決めたはずだ。 負けたら謝ろう。精一杯謝ろう。土下座してでも、謝ろう。 そう、決めたんだ、最初の一言は、言い出しにくいけれど。 みんな、私を見ている、と、思う。 私が顔を伏せてるから、表情は、わからない。 怒ってるのか、悲しんでるのか 「……ご……ごめん……」 精一杯口にした それで限界だった。 すいませんでした、とか、申し訳ありませんでした、とか、丁寧な口調を意識したけど、結局出てきたのはこの三文字だけ あぁ、菫部長に怒られるなーって、おもった。 とたんに、何か温かいのに包まれた 「ぇ……テルー?」 「……」 テルーが、私を抱きしめてた。あったかくて、やわらかくて、お菓子の優しい香りがする。 「……いい麻雀だった、淡。私の、自慢の後輩」 「っ」 ずるい そんなこと、いわれたら がまんできるわけないじゃないか 「うっ……ふぇ……うえぇぇぇぇぇん……ごめんなさい……ごべんなざぃ……ごべんなざぃぃぃぃ……みんなの、みんなが、取ってくれた点数……全部、私が、私が……」 強くテルーの体を抱きしめると、強く、抱き返してくれた。 また、後ろから何かが覆いかぶさってくる。 「馬鹿……あんないい麻雀見せられて怒れるものか。チームのために、己を捨てて……頑張ったな、淡」 右から 「淡ちゃんは頑張ったよ……みんな知ってる」 左から 「私の尻拭いで大変だったろう? ……もっと、お前に楽させてやれなくて、ごめんな」 あぁ、やさしくしないで 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!!」 泣き止みどきが、わからなくなっちゃうじゃないか そのまま、みんな、私が泣き止むまで、ずっと抱きしめててくれた。あぁ、一生分の借りを作っちゃったかもしれない。 ー夜ー 「ではーーーーーーーー!清澄高校の団体戦で優勝を祝ってーーーー!!」 { ` /,ヽヽ \ _, -‐ ´ ∟_ \ ヽ / \ /λ ヾ 、 \ へ / |iミ V.彡} l } ヽ 、 ー 、 j |l ノ j| | ゝ 〉 >、 ` ヽィュ_ |i ハ ゝ, {| ヘ \i / \ \``ゝ, }. / ヾ、ヽ ヽゝ `, ヽ / | , -‐ ` ヽ \ ノ. ∠`へ, ' ノ x弋 ヾミ 、 \ 〈 ',. | } } \ }´`ゝ~ ュ _ . 〃 i'〈弋 リ` ´{テ } 〉ヽハ , 乾っ!杯っ! ヽ }. | ´ / ,,_ ゝ,,._ \ゝ 从 ,, , ` ,,, / 从 / ですわーーーーーーーーー!!!!!! ′. ヽ ヘ.__, -‐ ト _ >、  ̄ ` ヽ .\ ', ヘ ャー― , . /ヘ ゙,ソ /j ゝ ゝ ー,,ュ, -‐ ´ ー´,, ` ー- , } ヘ ` ヾ , ヽ ノ , ´{| ゝ /ノ\ `ゝ、  ̄ ゝー‐< ,, _`` ‐- ´ } ヽ ー < | f メ ⅳ \ \ `\ , -‐ `>ー- ェ 〉 \ /V ,ヘー- ュ ゝ ゝ、 ` ,, / /´´ \ \ .` ひ二つ ∧ `ヽ } ー 、 \ , -‐ ´ / ' / ヘ 〉 \ | 、 ノ ヘ ヽ } / ノ ノ 〉、 / i \ ', { 〉 \ \ 「「「かんぱーーーーーーーーーい!!!!」」」 「うるせー……」 マイクによってより煩くなった龍門渕透華の乾杯音頭で、宴会場に寄り集まった長野勢が一斉に飲み物を喉に流し込む。 なんとかアルコールにしてくれと透華は必死にハギヨシに頼み込んだが、流石に無理だと突っぱねられていた。 代わりというか、宴会場を盛大に貸し切ったこの優勝おめでとう会は、どこから持ってきたのか海の幸山の幸詰め込み放題の超豪華宴会である。 「ちょっと!私より目立たないでよ!なんで優勝校の部長の私よりあんたの方が目立ってんのよ!」 「やかましいですわ!こうでもしないとこのssの私の目立ちどころがないではありませんですこと!?」 「ssってなに!?」 やかましく言い争う清澄部長と龍門渕部長を捨て置き、部屋の隅で、京太郎は静かにオレンジジュースを喉に流し込んだ (……いずれぇ) 女三人よらばなんとやら、それならば20人近く集まったこれはなんなのか。阿鼻叫喚か、地獄絵図か、少なくとも男の夢とは言い難い。 (どうしようかな……) そんなことを京太郎が考えていると、ぽんぽんと、肩を叩かれた。 「須賀くん、よければご一緒しませんか?」 そこにはごく最近龍門渕の執事さんだったと知ったハギヨシが、グラスとワインを手ににっこりと笑っていた。 「さ、どうぞ」 トクトクトクと、手にしたワイングラスに濃厚な色の液体が注がれてゆく。 「いや、いいんすか?俺が飲んじゃって」 「お気になさらず、男同士の話には酒がつきものでございます」 そういいつつ、優雅にくいっとワインを喉に通すハギヨシ。 動作のひとつひとつが様になっていてまるで映画の俳優のようだ。 それに倣い、京太郎もグラスの中身を喉に流し込む。 家で親の目を盗んで飲んだビールよりも、幾分か熱く感じる。 「くぁっ熱……でも、うまいな」 「そうでしょう、なかなかいいワインでして」 笑顔を絶やさずワインを口にするハギヨシ。 結構度数が強いはずだがためらいなく飲み込んでゆく。 執事は酒にも強いのかと、京太郎は内心畏れを抱いた。 「あのような女性の花園、須賀くんには辛いでしょう」 「あはは……五人は慣れてるんすけど、あの人数はさすがに、女子校に迷い込んだみたいで」 「心中ご察しします」 暗い部屋で、ワインを交わしての話し合い。 なんとも大人っぽくて、京太郎は静かに胸躍らせた。 「さて……せっかくの人目に触れない酒の席……年の差は4歳程度ですが、須賀くんは何か悩み事はございますか?」 唐突に語り出したハギヨシの質問が京太郎の胸を深くえぐった。 「悩みというものは人に打ち明ければ幾分か軽くなるもの、あわよくば解決策がわかるかもしれません。須賀くんの年の頃、私は多くの悩みに打ちひしがれていまして……相談できる大人がいれば、何度もそう考えました。須賀くんが、同じような目にあっていなければ、と思いまして」 全くもっていつもの調子でハギヨシが訪ねてくるが、全くもってその通りで京太郎は悩みを抱えていた。 この悩みは、自分一人で解決すべきではないか、京太郎は、なんとなくそう考えている。少なくとも、そう考えるを得ない性質の、悩みであった。 ふと、数日前を思い出す。 『何かに迷ったときは、身近な大人を頼ること』 白い髪の女性の言葉を思い出す。今思えば、あの言葉は今この瞬間を、予期していたのではないか。 「じつは……」 京太郎は、ポツリポツリと、胸の内をハギヨシに明かし始めた 「最近、一人の、同い年の女の子と知り合ったんです」 「最初見たときはなんだこの妖怪とか思ったんですけど……まぁ、なんやかんやで、交流ができまして」 「一回、一緒に遊びに行って、それ以外にも、なんかの縁で出会ったりして、それ以外にも、LIMEで話をしたりして……」 「……なんでだろう、俺は、今日そいつがピンチで負けそうってときに、自分の高校の麻雀データをそいつに見せちまったんです」 「そんな気はなかったんですよ、ただ、そいつが負けて打ちひしがれてるから、俺がもっとボコボコにされてる記録見せれば元気になるかなって……」 「でも、冷静に考えれば、なんでそんなことをしたかわからないんです」 「少し考えれば相当やばいことって分かるはずなのに、俺はいつの間にかそいつのところに行って、頑張れって言ってたんです」 「そいつを応援するようなそいつを励ますような、そいつを支えるようなことを、LIMEとかでいろいろ、行っちゃったり、して」 「それで、いまは……」 「清澄が優勝して、すげー嬉しくて、でも……頭の片隅で、いま、あいつは、どうしてるんだろうって考えてる自分が、いるんです」 「これがなんなのかよくわかりません……それが、俺の悩みです」 一通り語り終わった京太郎はワインをやけになったかのように飲み込む。ハギヨシは微笑ましげにそれを眺めている。 「……そうです、か……須賀くん、時に、今LIMEには何か連絡は来ていませんか?」 「え?」 京太郎はそう言われて、慌てスマホを取り出して電源ボタンを押す。なんだ、何も通知はない…… とたんに通知が届いた。新着メッセージが届いたようだ。 「……」 京太郎は化け物でも見るかのような目でハギヨシを見つめるが、ハギヨシはただニコニコと笑うばかりだ。 とにかく、その通知を開いて見ると、何の因果か、件の淡から届いたメッセージのようだ。 『今、旅館の外にこれる?』 文章からして、京太郎が泊まっている旅館の外のことだろう。無論、行ける。 「須賀くん」 ハギヨシが、京太郎を呼ぶ。 「皆様のことは、私にお任せを……君は、自分の迷いを断ち切るために、自分の信じた道を行きなさい」 京太郎は、すっと立ち上がった。少なからず酒を飲んだ体はしかし、少しもふらつきを見せない。 「ありがとうございました、ハギヨシさん」 京太郎が体を翻し部屋を出て行く。 それを見送った後、ハギヨシはグラスとワインを何処へやらと片付けた。 「頑張ってくださいね、須賀くん」 そして、ハギヨシはゆっくりと立ち上がった…… 懐から執殺と書かれたメンポを取り出しながら 「……」 「……」 二人とも、無言だ。 京太郎はなんとなしに空を見上げる。この辺りな東京にしてはまだ空気が綺麗な方らしく、空にはぼんやりと星が見えたりしたのだが、今日は雲が厚く、見ることは叶わない。 「負けちゃった」 唐突に淡がぽつりと呟いた。 「あの後さ、控え室に戻ったら……みんな、私のこと慰めてくれたんだ」 下を向いたまま、淡は言葉を紡ぐ。 「私が全部のリードを台無しにしたっていうのに、みんな、私は悪くないって、自分たちがもっとリードをって、無理させて、済まなかったって……」 声の調子は変わらないが、少しづつ、途切れることが多くなってきた。 「っ……あはは……こん、な……悔しい黒星、初めてだよ……白糸台の……大星、淡なのにね……笑えないや……」 なんとか声の平成は保っているが、ノイズのように混じる嗚咽で、もう、ごまかしようはない。 「っ……悔しい……!こんなの、悔しくて……みんなに申し訳なくて……!悲しくて、情けなくて……!」 一度決壊すれば、後はもうたやすい。きつく閉じた目からホロホロと大粒の涙が流れ出し、地面の色をポタポタと濃くしてゆく。 「みんなそれでも、優しく……!それで余計辛くって……!!」 隣でただうつむいて涙を長く淡を、どうすればいいか京太郎にはわからない。ただ、なんとなく、不器用に、淡の頭を優しく撫でてやった。 サラサラでツヤツヤの金髪が指をすり抜けてゆく。 そのまま、しばらく京太郎は淡の頭を撫で続けてやった。 やがて、淡の瞳から溢れる雨が止む。 こてんと、倒れるようにして京太郎の肩に、頭を預けた。 甘く柔らかい香りがして、京太郎の鼓動が少し早くなる。 「なぁ淡」 ぽつりと、京太郎が言葉を漏らした 「空を見てみろよ。ひでー曇天だな」 言葉を受けて、淡がゆっくりと、腫れぼったい目を空へ向ける。その先には今にも降り出しそうな黒い雲が浮かんでいる。 「俺って、あんなんだ」 京太郎の言葉の意味がよくわからず淡は首をかしげた。 「いやな、俺の麻雀の戦績ってさ、あの曇り空に似てるんだ……」 「俺の一位率って、部内で一割を超えることないんだよ、三位以下が7割くらいだ、一位取れた日なんかもう、飛び上がって喜ぶね、そんくらい負け込みで、それがなんとなーく、あの空に似てるんだ」 淡は少し笑った。あの清澄メンバーにボコボコにのされてうめく京太郎の姿が脳裏に浮かんだからだ。 「でもな、どんな曇りでも、ほんの少しの風が、その雲を吹き飛ばしてくれるんだ」 「風?」 「うん、風。とっさの閃きとか、運とか、そう言うのだ。そういう要素で麻雀って勝敗が変わるんだ」 「お前は今日たまたま風向きが悪くて、雲に覆われちまった……でもな、きっとそんな雲、すぐに風が吹き飛ばしてくれる、万年曇り空の俺が言うんだ、間違いないぜ」 ポンっと、改めて京太郎は淡の頭に手を置いた。無抵抗のまま頭を撫でられる淡は黙って、京太郎の言葉を聞いていた。 「そっか……今みたいな曇り空でも……ちょとした風が吹けば……」 「雲の切れ間に」 「星が輝く」 「……ま、つまり麻雀なんて運ゲーってことだからそんな落ち込むなってことだよ!あー、夜更かしして眠いぜーったく……」 自分のセリフが恥ずかしくなったのか、京太郎は顔を赤くしてポンポンと淡の頭を軽く叩き、態とらしい伸びやあくびをする。 そんな京太郎をみて、淡はクスリと笑った。 「……うん、やっぱ、きょーたろーに、相談してよかった」 「なんかいったかー?」 ハンドボール仕込みの無駄にアグレッシブな柔軟体操を披露する京太郎に、淡はいよいよ頬を緩ませ、それこそ、満天の星空のような笑顔を浮かべた。 「きょーたろーに、ありがとーっていったの!」 「は、はは!礼を言われることなんてしてないぜ!お、俺そろそろ旅館戻るわ!じゃなー!」 「あ、まってよー!ウラ若き高校100年生を送ってかないつもりー!?」 思わず走り出し公園から飛び出す京太郎を淡が慌てて追いかける。 そんな、二人は気づかない。二人の真上に位置する雲が、ちょうど揺らいで切れ間を作り、そこに、輝く夜空が広がっていた。 須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所である。 この驚きというのは実に多彩な意味を持つ。 まさかの40℃越え、まさかの迷宮地下鉄、まさかの出会い、まさかのetcetc…… そんなこんなを体験しつつ、個人戦第1日目の朝、京太郎は新聞を読みながら朝食を喰らっていた。 「はー、『またも襲撃!?マフィアボスの執事がボコボコに……』なんかんだこの執事を集中的に狙った事件ってのは、ハギヨシさん大丈夫かな」 「あの人ならば暴漢に襲われても余裕で返り討ちにしそうじゃのう……」 「で、あるか」 同じく朝食をかきこむ先輩二人よりも早く、朝食のフレンチトーストを胃に収めた京太郎は、試合に出場する咲と和の荷物を肩にかけた。 「じゃあいってきまーす」 「はい、咲のお守りよろしくねー!」 「わしらも後で行くからのー」 「お待たせしました、須賀くん」 「京ちゃん、よろしくね」 「おう、じゃあいくぞ」 蒸し暑い日差しの中、三人は旅館の外へと踏み出した。 今日は2人の個人戦第一試合がある。京太郎は2人の荷物を運ぶ兼咲のお守りだ。ちなみに荷物運びはついでであり本命は咲の見張りである。 「あっつい~……」 早くもグロッキーになりかけている咲の頬に冷たい麦茶の入ったペットボトルを押し付けて、会場へと向かう。和はその暑さにはもう幾分か慣れたようで、うんざりしつつも順調二歩を進めていた。 「2人とも頑張れよ、今日の個人戦」 「はい!1位2位のトロフィー、両方清澄に飾ってみせますよ!」 「どっちが金かは勝負だね、和ちゃん!」 2人の満面の笑みを見て頼もしくなった京太郎は、気合を入れて会場へ到着足を進めた。 そして、試合会場に到着した。会場内には初日に勝るとも劣らない観客が詰め寄っており、その盛り上がりはいろんな意味で団体戦を上回るかもしれない。 「じゃあ、私たちは控え室に入ってます。須賀くん、荷物ありがとうございました、重くなかったですか?」 「あんくらい軽いもんだよ!じゃあ、部長たちの席確保してくるわ、頑張れよ!」 2人から離れて、京太郎は巨大モニターの設置されたルームの中の椅子4つほどに確保を示す荷物を置いた。 そのうちの一つに腰掛けて、ふうと一息、モニターを眺める。 「部長たちが来るまで30分くらいか……」 その間、暇だ。 暇つぶしに自分の荷物から麻雀の教本を取り出し、パラパラとページをめくる。 そしてしおりを挟んでおいた『牌の透視方』の項目を開き、いざ読みふけようと気合いを入れた 「きょーたろ!」 「おわ!」 その途端、柔らかい何かが後ろからぶつかってきた。 「あ、淡か?」 「せーかーい!むー、つまんない」 首だけで振り返るの、ぷーっとむくれているのは見間違えようもない、星のような瞳を持つ大星淡である。 「あー、お前も個人戦出場枠か?」 「そう!こっちでは雪辱をハラハラしてやるんだからー!」 メラメラと燃え上がる闘志を瞳な携える淡は傍目から見ても相当気合いが入っている。 「そうか、俺は清澄の2人の応援だけど、お前も頑張れよ」 「そんなこと言っておきながら私のことも応援してくれるきょーたろーが好きだよ~!」 「好きってお前……」 呆れたような口調ながらも頬を少し染める京太郎をニヤニヤとチェシャ猫のような笑いで眺める淡は、すっと姿勢を正し、京太郎にビシッと指をさした 「そう、実は今日は個人戦以外にも一つ大事な用事があったのさ!」 「大事な、用事?」 「そう、きょーたろーに一つ、挑戦状を叩きつけに来たのだー!」 「挑戦状?」 意味がわからない。強い側から弱い側に挑戦状というのは意味がわからない。 頭にクエスチョンマークを無数に浮かばせる京太郎をくすくすと笑い、淡は、告げる。 「私こと大星淡は優勝してみせます!テルーよりも!咲よりも強く!優勝してみせます!」 なんと、と京太郎は思った。こういうことを臆面なく言えるのは淡の大きな強みだと思う。 「だから、一つ京太郎に約束してほしいことがあるの」 「え、それ強制?」 「モチのロン!」 「マジかよ」 京太郎はうなだれた。この元気っこが突きつけてくる無理やりの約束が、まともなものとも思えない。 「その約束ってのは、なんだー?」 「それはねー……京太郎、今年の冬までに、個人戦、長野枠で出場できるくらい強くなって!」 「……は?」 また、無理難題を押し付けられたものだ。第一、それで淡になんのメリットがあるのか 「私もネトマで協力するからさ!ね!頑張ろうよ!」 「なんでお前にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」 「だって、そうじゃないと季節ごとに絶対に会えるって保証、ないじゃん?」 「……は?」 にこやかに告げる淡に、京太郎は少し、固まった。 会えるって保証。つまり、会いたいって、こと? 「おまえ、それ、どーゆー」 「はい!約束したからね。それじゃ、これは契約の証!」 ぼーっとしてる京太郎の頬に、淡は唇を寄せて…… ちゅっ♪ 「……は?はぁ!?はぁーーーーーーーーーーー!?!?」 椅子から飛びすさり尻餅ついて無様に交代した京太郎は声にならない声を上げた 「アハハ!キョータロー面白い!」 「おま!おま!だって!おま!!」 幸い周りに人は少ないが、その少ない人多々は全員こっちをガン見していた。 「いまのは、この淡ちゃんとの契約の証、約束破ったら、承知しないんだから!!」 そして淡は振り返り、まったねーと、去っていった。耳が、真っ赤だ。 しばらくへたり込んでいた京太郎は、顔は真っ赤のまま立ち上がった。周囲の人間の視線が、痛い、死ぬほど痛い。 「はぁ……やれやれ」 また面倒ごとが増えてしまった、と、京太郎は首を振った。 取り敢えず、今日個人戦が終わったらみんなに麻雀の指導を頼まなくてはいけない。 カンッ!! ーーー京ちゃんが好きだと自覚したあわいーーー 「はいはい、呼ばれて飛び出て即参上」 たったいま、数秒前、LIMEを送ったばっかり。 それなのに、すっかり見慣れた金髪の京太郎は、そばの物陰から姿を表した。 なんでもうここにいるんだろう。 呼んだらすぐ来てくれた、まるでヒーローみたいな登場に、少しだけ、ほんの少しだけ、胸が高鳴る。 「ほれ」 何かを差し出された。 麻雀ダコだけではないその手には、チュッパチャプスくらいの棒付きキャンディーが乗っている。 「脳みそってスゲー大食いな器官でさ、しかも甘いもんしか受け付けねーらしいぜ」 「……そうなんだ」 なんとも、どうでもいい豆知識を聞かされた。 私のことを気遣って、甘いものを、持ってきてくれたのかな? 胸が高鳴る。 「……びみょー」 気恥ずかしさを隠すように、すこしだけ、尖らせた口調で言う。 「ははっ、まぁもらいもんの飴だからな、文句はその人に」 「もらったものを誰かにあげる?フツー」 何が楽しいのか、にこにこと、京太郎はわらっている。気楽そーな顔してさ。 「……なんで、送ってすぐに来たの?」 「こりゃ呼ばれるなって思って。紳士たるものレディの呼びかけには5秒以内に応じるもんだぜ」 「ストーカー?」 「ちげーよドアホ」 「アホだと~?」 あぁ、全く、こっちの気分も知らないで ずいぶん前から、まっていてくれたんだろう。 すこしだけ、ほんの少しだけ、罪悪感が募る。 「なぁ、麻雀で勝つって、なんだと思う?」 すこしだけ話をして、不意に京太郎が問うてきた。 「……そんなの、点数が少しでも高ければ勝つでしょ」 「そおーだそのとーりだ!たとえ百点棒一本でも多い奴の、勝ちだ。100点でも低けりゃそいつの負けだ」 何を、当たり前のことを。京太郎は真剣な顔だ。 「そのルールのせいてで俺の部内の一年生四人の中では、トップ率はダントツドベの0.95だ。わかるか、10回やって1回目トップになれるかどーかだ。そりゃそーだ、何もかもが劣ってる俺があいつらに容易に点数合戦で勝てるわきゃないからな」 「何その自虐情けない」 「やめろ死にたくなる」 えらそーに語ってたかと思えば途端に顔を曇らせる。 ……私にだって、わかる。それは私を励まそうとしてるんだ。 不器用に、どう慰めればいいかわからなくて、自分の情けない姿を見せるくらいしか、方法が思いつかないんだ。 なんだろう、そんな姿が、すこしだけ、可愛い 「まぁともかく麻雀ってのはそういうゲームだ……で、淡、聞くぜ。いま、この麻雀で勝ってるのは誰だ?」 「そんなの……私だよ。7000点、上にいる、けど……」 「そーだお前はまだ勝ってる!お前の仲間たちが、稼いでくれたおかげでな」 その言葉に、四人の顔が思い浮かぶ。 まったく、生意気だ。京太郎のクセに きっと、私に足りないものが何かわかっててそれで、厳しい口調で私に教えてくれてるんだ。 思い込みじゃあない。その顔を見れば、真剣そのものな顔を見れば、そのくらいわかる。表情を読むのは、麻雀打ちの基本だし。 そんでもって、京太郎に励まされた私は……まぁ、なんというか、結論から言うと負けちゃいまして。 おまけに何が悔しいって、そのあと、控え室で大泣きしてしまったことだ。 あぁ、あぁ、思い出しただけで、あぁ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁもおおおぉぉぉぉぉ!!! 「ふっはははははは、どうした淡、普段の態度が影も形も見当たらないぞ」 「やめて!スミレやめて!忘れて!私泣いてないもん!高校100年生は泣かないもん!」 「ふふ、淡ちゃんの泣き顔、写真撮っちゃった」 「タカミー!?」 「あっはははは、淡~、ちょっとイケてないんじゃなーい?」 「うわああぁぁぁぁぁ!!」 もうダメだ、私はこのメンバーにこのネタで一生からかわれ続けるだろう。想像するだけで頭の中がすっからかんになる程に恐ろしい。 でも、まぁ、いやじゃ、ない。 「淡」 そのあと、珍しくテルーが気を使って私を控え室の外に連れ出してくれた。 テルーは私をからかってこないからなんとかかんとか、一息つくことができた。 「あぁ……ありがとテルー……あー……はずかしー……」 「気にすることはない」 テルーは何やら口に白い棒を咥えてピコピコと揺らしている。みたところ棒付きキャンディーの棒の部分か。 先程きょーたろーからもらった、ベトつく飴を思い出す。 「淡、あの男子は、清澄の生徒?」 ビクッと、思い切り体が震えた。 この状況からして、あの男子、というのはどう考えても…… 「テルー……見てたの?」 「うん」 「……どの、あたりから?」 「脳みそってスゲー大食いってあたり。彼のおかげで私のお菓子好きが間違いではないことが証明された」 「ああぁぁぁぁぁほぼぜんぶじゃぁぁぁぁん!!」 またも撃沈、もうやめて、とっくに淡ちゃんの点棒はゼロだ。 つまりボロボロ泣きながらつぶやいたあのつぶやきもこのつぶやきも……あああわあわあわあわぁぁぁぁぁぁぁ!!! 「彼のおかげで、淡は変われた。本当は私たちの役割だっただけに、ちょっと悔しい」 ポンっと頭に手を置かれた。そのままなすがままに撫でられる。抵抗する気はない、気力がない。 「淡、あの男子の前では素直だったね」 「ちがうもーん……あの時だけだもーん……気の迷いだったんだもーん……」 「淡」 テルーは、ポンっと私の頭を軽く叩いた。 じっと、目を見つめてくる。 「ちょっとゴメンね」 「え?」 「照魔鏡!!」 「アワァァァァァァァ!!!??」 突然なんだと言うのだ、慌てて壁にもたれかかっていた体を起こすと、テルーはこちらを見て、にっこりと笑った。 「うん。うんうん。淡、青春だね」 「なにそのよく雑誌で作る作り物笑顔!?」 「大丈夫、私は全部わかってる」 「覗いたからでしょ!なに!?なにを覗いたの!?」 「淡の淡い恋心、彼への」 「……へぇ、恋心、へぇ……へえあ!?」 「ふぅん、淡はあの彼に抱きしめて欲しいんだね、それで……あれ、それだけだ。それ以上は想像できない?キスとか浜辺で追いかけっことか××××とか『イリアステルに削除されました』とか歯磨きプレイとか」 「なにいってんの!?何言ってんの!?」 もうテルーの大暴走は止まらない、超絶営業スマイルで私も知らない私の心の内を暴くだけだ、もう絶対楽しんでる。 「ふふ……淡」 「ぎぎぎぃ……なによぉ……」 もうスクラップ寸前の私の肩を、ポンっと叩くと、やっと普段通りの無表情……に、少しだけ笑みを浮かべた。 「叶うと、いいね」 「……ふんっ」 散々からかわれた私は、ツンっとそっぽを向いてやった。それでもクスクス笑うテルーが鬱陶しい。 でもまぁ、そのテルーのおかげで、私は京太郎への想いに気づくことができた。 でもやっぱ納得いかないのでそのあとテルーのお菓子を奪って食べてやった。バレた。これは……面倒なことになっちゃった…… おまけ(時系列を気にしたら敗け)- 「海に行こう!」 「……うん?」 唐突であった。 本当、本当に唐突であった。 第1巡目で不要牌を切ったら人和されちゃいましたーってくらい唐突だった。 りんりんらんらんと真横で鼻歌を歌っている淡をスルーし麻雀指導本『これであなたも神域の打ち手』を読みふけっていた京太郎は思わず聞き返してしまった。 「あ、いまうんっていったね!いいましたね!はい、確かに言いました!」 「まて、何もかもをお前の中で進めていくな」 とうっと、淡の頭にハエも殺せないチョップをかます。いった~いと、オーバーなリアクション。 「だって、せっかくの夏だよ!?麻雀だけで終わらせたらアラフィフになっちゃうよ!」 「お前その麻雀だけで終わらせる奴がこの東京に今何人いると思ってんだ」 「そいつらは全員アラカンになればいーの!私とキョータローは違う!」 ミャーミャーとやかましい猫のように騒ぎ立てる淡を前に、京太郎は深く、深海より深く、地球のコアくらい深くため息を吐いた。 短い付き合いだが、こう言い始めた淡が頑固だというのは重々承知している。ちうしれ、にもらずいぶん困らされたものだ。 「はいはいわかったわかったいってやるよ」 「やたー!じゃあ早速水着買いに行こう!」 「え?」 「だって持ってきてないでしょ?買わなきゃじゃん」 「あー……うん、そうか、そうだよな、変なことないよ……な?」 「ないない、ないよ、全然ない。すごく自然!」 というわけで、二人は仲良く連れ立って近くの水着専門店へとやってきた。 「水着、専門店……か。長野にこんなものはなかったな」 「え?マジ?」 「長野は内陸の土地だぞ」 「あっ……」 何かを察した淡はそれ以降何も言わず、そのまま店内へ徒歩を進めた。男女合わせて置いてあるらしく、カップルも少なくない…が、金髪コンビの二人は結構目立つ。 「じゃあ先に京太郎えらんじゃってよ!」 「そうか?じゃあ……予算的に……うん」 京太郎はどんな水着を選ぶのか、と目を輝かせる淡を背に、京太郎はドンドンと買い物カゴの中に商品を放り込んで行く。 「こんなもんかな……」 麦わら帽子 サングラス アロハシャツ 真っ黒なトランクスタイプ サンダル ボディタオル 「……キョータロー……」 「な、なんだよ」 「ヤクザ?」 「ちがわい!」 しかしすでに淡の頭の中には浜辺のレディ達に恐れ慄かれる金髪長身でサングラスをかけた威圧感満載の筋肉モリモリマッチョマンしか浮かばなかった。 さて、今度は淡の番……となって、焦るのは京太郎である。 淡に手を引っ張られるままに連れてこられたが、女性用水着が木々のように辺りにそびえる女性水着コーナーは、なかなか近寄りがたいものがある。 これどうかしらとか彼氏に聞いてたりしてる人もいるから問題はないだろうが…… 「あ、これかわいい!どうどうみて!」 と、声のほうを向くと淡は一つの商品に目をつけたらしく京太郎に見せびらかしている。 「あー……首の後ろで結ぶ奴か」 「そうそう!ホルターネックって奴!ビキニだよビキニ!」 どうどう~?と胸の辺りに水着を当てて見せびらかしてくる淡。その涼しげな水色の水着は淡によく似合うように思える。特に、こう、なかなかに豊満な淡のバストを持ち上げるように強調するビキニ姿を想像すると…… 「ふふーん、これ気に入ったっぽいね、じゃあとりあえず保留!」 おもわずぼーっとしてたら悟られたらしく、淡はそれを買い物カゴに放り込んでしまった。どうやら好みを悟られたようだ…… 「じゃあこれは?どう?真っ赤なパレオ!」 次に取り出されたのは、やはりというか、なかなか大胆に胸を露出するパレオタイプのビキニだ。下半身には長めのスカートのようなものがついているため、必然的に肌色の多い上半身に目がいってしまう。情熱的な赤色もまた、淡には似合うだろう。 「なるほど~、きょーたろーは正直さんだね!じゃあ次は~」 と、ドンドンと淡は水着を漁る。 ふと、淡の買い物カゴに大量の水着が積み重なった頃、ふと京太郎の視界に白い水着が目に映った。それを見逃さなかった淡はその視線の先の水着をバッと手に取る 「ふんふん、モノキニかぁ~」 取り出された純白のモノキニ。 ヘソの辺りにレースで編まれた花弁のような部位があり、そこから四方向に花弁が開いたようなデザインだ。胸の谷間、脇腹など、なかなかに挑発的なデザインをしている。 「ふふ~ん……こういうの、好きなの?」 「どうだか」 ニヤニヤと笑いながらたずねる淡に京太郎はそっけなく顔を背けた ……耳まで真っ赤だが 「ふふふふ~ん……ほんっとーに嘘つけないねーきょーたろーはさ!じゃあこれに決めた!サイズは~……」 「い、いや別に好きとは」 「あれ?嫌い?」 「いや、別に、どっちでも……その……」 「あ~もーかわいーなー!」 んーっと背伸びして淡は京太郎の頭を撫でてやった。 「ななっな、なにすんだよっ」 「うんうん、かっこいいきょーたろーもかわいーきょーたろーもいいね!じゃあ買ってきまーす!」 そのまま、選考落ちした水着を一瞬で元の場所に戻すと、他の幾つかの商品と一緒に淡はレジへとかけて行った。 「……知られてはいけないことを、知られた気がする」 周囲の生暖かい視線をこらえながら、よろよろと京太郎もレジへと這っていった。 淡のお買い物 モノキニ ラッシュガード 麦わら帽子 そして、そのまま淡に引っ張られるがままに電車を乗り継いで、ついに二人は海へと到着した! 「海だ~~!やったーーーー!!ジャカジャン!」 「せーかい中をぼーくらのー……何言わすかこら」 すでに体力をほぼ削られた京太郎は、元気よく飛び跳ねる淡についていくのがやっとである。 暑い、すんごく、暑い。午後1時くらいだろうか、もう日差しは生命ある全てを焼き尽くさんとするほどサンサンと降り注いでくる。いや、惨々と言うべきか。 「じゃあ早速着替えてこよう!海の家の前で待っててね!」 元気よく更衣室へ飛び込んでいく淡を見て、まぁ、せっかくなら楽しむか、と、苦笑いしながら京太郎も男性更衣室へと足を運んだ。 「……」 海の家の前のベンチの一つ。一人の男が腰かけている。 その長身は、どうやら足の長さが理由らしく腰の低いベンチのせいでなかなかに窮屈そうだ。 短めの金髪は麦わら帽子に収められ、鋭い眼光は真っ黒なサングラスに隠されている。 アロハシャツの隙間から覗く分厚い胸板や割れた腹筋、トランクスタイプの水着から覗く引き締まった太もも。 それは、誰が、どう贔屓目に見ても、近寄り難いくらい、怖かった。おまけにそれがはるか虚空を眺めているのである。尚更だ。 「おっまたせ~~~!」 すると、そんな人々が思わず振り向くくらいかわいらしい声が響く!男どもはその声の主人を見て鼻の下を伸ばし、女どもは嫉妬に目を細めた! その恐ろしい金髪男とお揃いの麦わら帽子からは、しかに長く、艶やかに、きらめく金色の髪が揺れている。 顔は喜色に染まり、クリーム色のラッシュガードに覆われた体躯はしかし、でるとこは出て、締まるところは締まったボディを隠しきれていない。 肌は日本人離れして白く、シミ一つもない。そして、それより何より、帽子の影に隠れているはずの瞳が、何よりも魅力的に輝いていた。 だれだ!!?この美女におっまたせ~と言われたのは誰だ!?と男たちが視線を走らせる!果たしてその美少女の向かった先には…… 「きょーたろー!」 「ダアアアバカ!!抱きつくんじゃぁねえ!!!」 「イージャンイージャン!役得でしょ!」 「こっちは命がけなんだ馬鹿野郎!!!」 あの、おっかない男であった。 男たちは血の涙で砂浜を染めた。 「えっへへへ~、じゃあ早速泳ごう!」 「はいはい……」 淡にひかれるがまま、海辺の方へと向かって行く。砂浜を濡らして、引いてまた濡らし、を繰り返している浅瀬へと足首をつからせる。 「ひゃーつめたい!」 「あぁ……すずしいな……」 アロハシャツと帽子はベンチの近くに置いてきた。もう濡れるのは怖くない。だんだんとテンションが上がってきた京太郎は、手首を掴む淡の手を外すと、ぐっと身をかがめ、そして跳ねた! 「わ!」 「イヤーっ!」 そのまま、ダッシュ、そしてバク転、派手に着水。周囲に盛大に水しぶきが飛び散った。 「す、すごーいきょーたろー!」 「へへ、昔取った杵柄ってな」 頭の先まですっかりずぶ濡れた京太郎は、警戒心なく駆け寄ってくる淡に、一気に水をかけた! 「ひゃっ!」 「どうだ!お前も濡れろ!」 「やったなこの~!どりゃー!くらえすたーすぷらっしゅ!!」 「ただの水かけじゃねーか!」 そのままギャーギャーと、色気も何もないまま二人は盛大に水を掛け合う。 ついた当初感じていた疲れは、すっかり京太郎から消え去っていた。 「むぐむぐ……ぷはっ」 「どうだ」 「ちょっとはやいよー……」 暫くはしゃいだ後、少し離れた場所で二人は泳いでいた。淡は浮き輪装着、京太郎は立ち泳ぎである。 「お前がそんなのつけてるからだろ」 「むー、きょーたろーにはレディーを待つっていう精神がないんだね」 「お前以外にはあるよ」 「なにそれ!」 ギャーギャーと喚いてくる淡におもわず京太郎は笑ってしまった。それにつられて、少し遅れて淡も笑いだす。 「あははははっ!……ふー。ねー、京太郎」 「ん?」 急に真面目トーンになった淡に、京太郎も少しだけ真剣になる。 「……来年の夏も、その次の夏も、こうやって、二人で遊びたいな」 「……」 「もちろん夏だけじゃないよ。春は桜、秋はもみじ、冬は……雪、ないんだよなぁ……でも、インハイ出れば、こっちに来れるんだから……その……」 「……頑張って、麻雀」 「……おう」 こっぱずかしくなって、京太郎は浅瀬の方へとくるっと向いた。 「さあさあのろまな大星さん。浅瀬まで競争と行こうぜ。買った方がコーラ奢りな!」 「え、ちょ!」 「ヨーイドン!」 「ま、まってよー!きょーたろーのばかー!」 後ろで喚く淡を放って凄まじい勢いで京太郎は泳ぎ始めた。今日は散々やられっぱなしなのだから、このくらいの仕返しは、許してもらいたい カン! エピローグ 須賀京太郎にとって東京という土地は、憧れと、驚きと、そして若干の嫌悪を抱かせる場所であった あった。過去形であって、もちろん今は違う。 須賀京太郎にとって東京という土地は、もはや長野についで二番目に長い時間を過ごした場所であり、もはや憧れや驚きなどとっくに枯れ果て、いまや臭い空気と濁った空と、蒸し暑い温度に嫌悪を抱くばかりである。 だが、それでも、ここには魅力がある。 「春のIH以来だな……」 去年の冬の頃に買ったキャリーバッグをどかっと地面に下ろし、京太郎は一息ついた。 予算を節約するために、交通手段は深夜バス。本来なら新幹線でひとっ飛びなのだが、個人的な理由により、夏休みに入ってから速攻で課題を終わらせた京太郎は一足早く東京入りしていた。 そのため、大会期間に入るまでは安ホテルで節約生活だ。財布の中にはバイト代が詰まっているが、無駄遣いは避けたい。 「……さて、あいつは……」 バスの止まる場所は教えてあったはずだ。 人で賑わう辺りを見回してみる。すると、見当違いの方向を向いてピョンピョンと跳ねている見慣れた金髪が目に映った。 ばれないよう、そろりそろりと近づいてみる。 「うーどこだろどこだろ……」 「……あーわい!」 「あわわわっ!」 後ろから、そいつを抱きすくめてやった。一瞬身を縮ませたものの、こちらの正体に気づいたそいつは、パアッと顔を明るくして無理やり振り向きこちらに抱きついてくる。 「きょーたろー!」 「春以来だな」 「うん!うん!長野県一位おめでとう!」 「おう!」 須賀京太郎。清澄高校二年生。 長野県男子個人一位である。 そのまま近くのカフェになだれ込んだ二人は、テーブルを挟んで、淡は紅茶を、京太郎は珈琲を口に運んでいた。 「いやー、本当に京太郎はすごいよ!」 「お前に散々叩き潰された成果が出たな」 「ふふーん、高校101年生の淡ちゃんのおかげだね!」 「お前それまだやってんのかよ」 苦笑いとともにブラックコーヒーを啜る。その好みだけは理解不能だと淡に突っ込まれた。眠いのだから仕方がない。 「で、京太郎……次の目標わかってるよね」 「おう、勿論……」 少し溜めて、宣言。 「次の目標は、俺とお前、揃って個人戦で優勝すること」 「そのとーり!二位なんてちゃちいことは言わないよ、やるんなら優勝!」 「そしてその後に……」 「エキストラマッチ!」 そう、今年の夏は、昨今さらに加速した麻雀旋風に乗るように、インターハイに新たな目玉が追加された。 それは、男子女子個人戦の1.2位を集めたエキストラマッチである。 「そこで戦うのが私たちの目標!忘れないでよね!」 「あったりまえだろ!お前こそ咲にやられんじゃねーぞ」 二人は、お互いの目標を再確認し、そして、お互いを激励しあった。 / / | | | | | l l | | | | | / / | |__ | | | | | l l /| | | | |. /// | |\ |‐\八 | | | |__,l /-|‐ リ リ | | / / - 、 | x===ミx|‐-| | `ー /x===ミノ// / ∧{ / | .八 _/ { { 刈`| | l /´{ { 刈\,_| イ /ー―‐ ..__. / / | |/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } / . . . . . . . . . . `「⌒ .. // /| l、 ー‐ \{ | / ー‐ j/ /}/ . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . / _,/ . ..| | \ ! j/ ′/ . | . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . . . / . . . . { |\ハ_, ノ ,___/{ . .| . . . . . . . . . . . . . . .| . . . . .∧ がんばろーぜ、淡!. / . . . . . . . ′ | . .|\圦 / j/l/. . ′ . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . .∧. /. . . . . . . . . . ′_,ノ⌒ヽ | 、 、 _ -‐' / . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . / . . / . /\ . . . . . . r‐ ' ´ ∨\/ ̄ )  ̄ ̄ / /. ./ . . . . . . . . . . . . . . / . / . . ./ . . / . . . . . .\ . .ノ ----- 、 ∨/ / 、 / ,/ . / . . . . . . . . . . . . . . / . / . / . . . . . . . . . . . . . / ‘, ‘, ./、 \ / /. . / . . . . . . . . . . . . . . ./ . // . . . . . . . . . . / . . . . .{ ---- 、 ‘, } / . . } ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ / .{/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . -<⌒ . . . . . ./ . . . . ./ ‘, ‘,「l /⌒^\________/}/ . . . . . . 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【合宿二日目】 京太郎「眠い……限界まで出し切ったんだからしょうがないよな……」 京太郎「朝だしなんかするかな」 京太郎「まだ時間あるし寝よ」 京太郎「……押し入れって狭いな」 良子「京太郎、好きだ!」 憩「いえ、ウチの方が好きですーぅ!」 良子「いや!私の方が好きだ!ラブだ!」 憩「京太郎くん!」 良子「京太郎!」 憩良「「どっちを選ぶ!」」※二人とも裸です 京太郎「うわああああああ!」 真佑子「あっ、須賀さん、おはようございます」 京太郎「おはようございます!」キリッ 京太郎(何だ今の夢……) 京太郎(いい夢だったな……)ポーッ 朝 京太郎「あ、良子さーん!」 良子「きょ、京太郎?」 良子(よくよく考えたら何やってたんだ私!) 良子(京太郎と混浴なんて……) 京太郎「どうしたんですか?」 良子「どうもしてないどうもしてないノープロブレムだよ、今日も特訓?」 京太郎「はい!よろしくお願いします!」 良子「ここは……こう……」 京太郎「……なるほど、でこう、と」 良子「そうそう、そんな感じだ」 良子(京太郎、いつも真面目だな……) 良子(今日の夢にも……///) 京太郎「次はどうするんですか?」 良子「」ドキッ 良子(真剣で、色々と私のことを考えてくれていて……) 京太郎「良子さん?顔真っ赤ですよ?」 良子「そ、そうか?すまなかった」 良子(……理屈じゃないのかもな) 良子「次は――――」 京太郎「ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~」 京太郎(夢のことを考えたら全然わからないんだぜ!) 昼 照「ロン、48900」ギィン 照「……ふぅ」 京太郎「よっ、対局終わったのか?」 照「うん」 京太郎「じゃあ暇つぶしに何かしゃべるか」 照「いいの?」 京太郎「いいって何がだ?」 照「京、戒能さんとばっかり話してるから」 京太郎「ああ……特訓してるだけだよ、うん」 照「そうなんだ、よかったぁ」ホッ 京太郎「?何がいいんだ?」 照「ううん、なんでもない」 京太郎「次、俺と打たないか?」 照「えっ?」 京太郎「この前言っただろ?私に勝てたらって」 照「あ……うん」 京太郎「じゃあ勝ってやるよ、今この場所で」 京太郎「五か月前みたいに!」ゴッ 照「…………」 照「わかった、受けて立つよ」 照「全力で捻る、前とは違う」 開局 憩「よろしくお願いしますーぅ!」 菫「よろしく」 京太郎「よろしくお願いします」 照「……よろしく」 照(憩と菫……か) 京太郎(良子さんから教わったコピー術……) 京太郎(他人の打ち筋を真似するものだけど、良子さんは「降ろす」とか言ってたんだよな) 京太郎(よくわかんねえけど、今回は……怜さんを意識してみよう) 同コンマのため、流局 京太郎(照相手には東一局が鍵、まずは温存しつつ和了りにいく!) 菫(……よくわからないが、個人戦上位者と戦えるんだ、存分に射抜く!)ギィン 京太郎「ノーテン」 憩「ノーテン」 菫「テンパイだ」 照「ノーテン」 京菫(全然ダメだった……) 照「…………」ゴッ 【照魔鏡】発動! 照(菫……憩も変わらない) 照(……京) 照(また見えなくなってきてる……?) 東二局 京太郎 24000 親 憩 24000 菫 28000 照 24000 同コンマのため、流局 照「…………」 京太郎(……!)スチャ 京太郎(なんだ、この感じ……照に和了られる?) 京太郎(これは出さないでおくか……)トン 憩「ノーテン」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「ノーテン」 京太郎(二連続流局って幸先悪くねえか?) 東三局流れ二本場 京太郎 22500 憩 22500 親 菫 29500 照 25500 照(憩が使うのは極端な支配) 照(その後の自分の流れを悪くする代わりにその局に和了りにいく) 照(そしてその流れを徐々に回復する) 照(それともう一つ、厄介なのがある……) 照「ロン、1900」 照(和了した人の流れを悪くする) 憩「…………」 照(でも、もう何回と視てきた) 照(その支配も菫の射抜きも、私には通じない) 東四局 京太郎 22500 憩 20600 菫 29500 親 照 27400 憩(照ちゃんに和了られてもうたか……) 憩(そういえば、照ちゃんと京太郎くんと打つのっていつぶりやったっけ……) 憩(……まあええ) 憩(今は京太郎くんの手伝いや!) 憩「リーッチ!」ピキィィィン! 照「っ……」 菫「……」 京太郎(やばい、何もできてねえ……) 憩「ツモ、リーチ一発三暗刻」 憩「裏2で3000・6000や!」 南一局 親 京太郎 19500 憩 32600 菫 26500 照 21400 京太郎(……!)ビクッ 京太郎(憩さんが……振り込む?) 憩「……」トン 照「ロン、1000」 憩「はいはーい」 京太郎(何だったんだ……今の) 京太郎(ってかそんなことより……) 京太郎(テンパイできてるのに……どうして和了れないんだ……) 南二局 京太郎 19500 親 憩 31600 菫 26500 照 22400 同コンマのため、流局 憩「テンパイ」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「……ノーテン」 南二局一本場 京太郎 16500 親 憩 32600 菫 27500 照 23400 照「ツモ、400・600」 京太郎(照……連続で和了れてないな) 京太郎(ってことはアレも出しにくいはず……) 京太郎(……あれ?アレって何だっけ?) 京太郎(何かが……引っかかってる……?) 南三局 京太郎 16100 憩 32000 親 菫 27100 照 24800 照「カン」 照「カン」スチャ 照「……」トン 菫(暗槓二つ……少なくとも70符か) 菫(……ここか?) 照「ロン、2600」 菫「……はぁ」 オーラス 京太郎 16100 憩 32000 菫 24500 親 照 27400 憩(オーラス……) 憩(ここで和了れば、ウチは勝てる) 憩(照ちゃんに……京太郎くんにも!) 憩(……絶対に和了る!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「……カン!」 憩「リーチ!」 京太郎(…………) 京太郎(オーラス、それももう終盤なのに、なんでテンパイできないんだ……) 京太郎(体にまとわりついてた変な感じもなくなったし) 京太郎(このまんまで照に勝てるのかな……) 照(憩がリーチしたときは注意が必要) 照(それも特に役無しテンパイ) 照(だから多分今回も……) 照「…………」スチャ… 照(……今回は私の負け、か) 照「……」トン 憩「ロン」 憩「リーチ一発河底、裏6」 憩「16000や!」 結果 憩 46500 菫 24000 京太郎 18600 照 10900 京太郎「」チーン 照「」チーン 菫「」チーン 菫(焼き鳥二位、っておかしくないか) 菫(男女のチャンピオンに勝ったとは言えど……) 京太郎(焼き鳥でこの順位で照に勝ったって……) 京太郎(ちっとも嬉しくねえ……) 京太郎「照!」 照「何?」 京太郎「次だ!次こそお前に勝ってやる!」 照「……わかった」 京太郎「首を洗って待ってろよな!」 京太郎「何もしてないのに疲れた……」 京太郎「昼飯食いに行くか」 京太郎「……勝ちたいなぁ」 京太郎「遊んでるだけじゃダメなのかな……」 良子「京太郎、どうかした?」 京太郎「あ、お疲れ様です」 良子「そっちこそ。さっきの対局見てたよ」 京太郎「そうなんすか……恥ずかしいです」 良子「……ドントマインド」 良子「私だって高校生に負けることはあるし、それこそ小鍛治プロ以外のプロは誰だってそう」 京太郎「小鍛治プロって何なんですか一体……」 良子「誰だって負けるし焼き鳥にだってなる、それで落ち込んだら――――」 良子「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!」 良子「こうやって食べたり、笑い飛ばしたりすればいいんだよ」ニコッ 京太郎「……そうっすね、ありがとうございます」 良子「ふふっ、どうってことないよ」 恒子「あ!須賀くんこんなとこにいた!」 恒子「さーさー!お姉さんたちのところに来ようか!」ズルズル 京太郎「えっ、ちょっ、何なんですかもう!」ズルズル ガララ ピシャッ 良子「…………」 良子「……今日も一人か、ふふっ」 昼 京太郎「まさか……」 恒子『量が多すぎて食べられないから代わりに食べて!』 京太郎「なんて用事だったとは……」 京太郎「あー腹いっぱい、この後どうしよ」 臨海監督(以後臨)「また暇なのか?」 京太郎「お察しの通りですよー」 臨「ふむ、じゃあ私が稽古をつけよう」 臨「須賀も勝ちたいだろ?」 臨「まずはこの手牌……何を切る?」 京太郎「そうですね……これでしょうか」 臨「む……正解だ」 臨「ではこれは?」 京太郎「これですね」 臨「これは?」 京太郎「これです」 臨「……これは?」 京太郎「これですね、考えるまでもありませんよ」 臨「……正解だ……」ズーン 京太郎(あれ?監督さんがなぜか落ち込んじゃったぞ?) 臨(せっかく集めてきた問題なのに……)シクシク 夕 臨「リベンジだ!」 京太郎「何ですかいきなり」 臨「このまま負けるわけにはいかない!さあ特訓だ!」 京太郎「えぇ……休ませてくださいよ」 臨「No fight, no life!」 臨「休む暇など与えないぞ!」 京太郎「嫌だー!」 臨「一問目!」デデン! 京太郎「はい」トン 臨「さて点数は!」 テテッ テレテレッ テレレレッ! 京太郎「おおっ!高得点!」 ヒューゥン… 京太郎「ダメだった……」 京太郎「ってなんで仮装大賞風なんですか!」 臨「余計なオプションを付けることで気を逸らす!」 京太郎「気を逸らさせたら特訓の意味ないですよ!」 臨「うぐっ……た、確かに」 京太郎「それじゃあ二問目お願いします」デデン 臨「……はい」 臨(なんか立場逆転してる……) 京太郎「ただいま帰りましたー」 郁乃「お帰り~」 真佑子「お帰りなさい」 京太郎「二人とももう帰ってきてたんですね、何してたんっすか?」 郁乃「ん~京太郎くんの呼び方についてな~」 京太郎「呼び方?」 真佑子「ゴミ虫とかフンコロガシがお似合いですねって話してたんですよ」ニコッ 京太郎(さらっとなんつーこと言ってんのこの人) 夜 郁乃「まあ今のは冗談やから~」 京太郎「冗談なんですか……」 真佑子「まさかそんな(冗談な)わけないじゃないですか」 京太郎「ですよね、そう(冗談)ですよね!」 真佑子「はい、勿論です」 真佑子「あ、私お風呂行ってきますね」 郁乃「行ってらっしゃ~い」 京太郎「行ってらっしゃーい」 ガチャ バタム 京太郎「さて、二人になったわけなので何かしましょうか」 郁乃「ええな~何しよか?」 郁乃「京太郎くん、イメチェンとかせえへん?」 京太郎「イメチェン……ですか」 郁乃「せやで~」 京太郎「……」ハッ! 京太郎「女装はしませんからね!」 郁乃「女装か~それもええけど~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ i。i | \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ } 郁乃「だいじっこ!」..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 京太郎(片目がやたらキラキラしてる!?) 郁乃「ふふっ、驚いたやろ~」 京太郎「これを俺にしろ……と」 郁乃「せやで~」 郁乃「あ、その前に……今のどうやった?」 京太郎「今の……ですか」 京太郎「好きです」 郁乃「せやろ~」 郁乃「……」 郁乃「へっ?」カァァ 郁乃「す、好き……?」 京太郎「なーんてね、ウソですよー」 郁乃「京太郎くんが私のことを好き……いやでも私はこんな体やし、それに照ちゃんや憩ちゃんやって……」ブツブツ 京太郎「聞いてないや」 京太郎「でもイメチェンか……やってみよっかな」 京太郎「目をキラキラさせて……」 真佑子「ただいま帰りましたー」 京太郎「試してみよう!」 ,.. / ヽ ´⌒> 、 / \ / | }! \⌒. / / ! | | ヽ \ /ィ | \∧ | /| |! トー― | _|VT示r ∨j/示rx/ V( 京太郎「だいじっこ!」 レ1( 弋,り 弋り {ソ V __ |/V{ ___ 从|>ー―――r―――/ / ___/ 、 V / イ7 / /――-、 \ ___/ | | ー 77 / / / ー― ノ ( | | / / / / / \| | | / / /´ ̄ ̄ ̄ / ! ∨∨ / /( _/\ /|/ ∨ / / / ⌒ヽ ー / \ / 人 〈 / / | し′  ̄ , >==≠ | /⌒ ト{_ | | |/ |/| | }! | \| {___/ /| | / 真佑子「……」 京太郎「だいじっこ!」 真佑子「……」 真佑子「部屋間違えましたー」 京太郎「ちょっと待ってー!」 京太郎「時間になったし風呂に行くか」 京太郎「昨日みたいなことは……ないだろうな」 カポーン 京太郎「ふぅ……」 京太郎「いいお湯だなー」 京太郎「月も綺麗だし、さいっこーだなー」 京太郎「……はぁ」 京太郎「誰か来ないかな……」 ガララ 京太郎「!」ビクッ えり「はぁ……」 えり「福与アナは全くいつもいつも……」イライラ えり「お風呂に入ってリラックスしましょう」 えり「というかなんでお風呂リポートまでしなくちゃいけないんですか、翌朝……」 ガララ えり「あぁ……月がきれ……い……」 京太郎「……えっ」 えり「」 京太郎「」 恒子『そーそー、23時以降は須賀君がいるから入っちゃダメらしいよー』 えり「……」 えり「はわわわわ!」 京太郎「見てません!何も見てませんから!」フリッ えり「し、失礼しました!」ダダッ 京太郎「あ、足元!石鹸!」 えり「えっ?」ツルッ 京太郎(やばい!風呂場で転んで頭打ったらシャレにならない!) 京太郎「間に合え!」 京太郎「ッ!」ダキッ ドンガラガッシャーン えり「……ん……ぅ」 京太郎「大丈夫ですか?」 えり「は……い」 京太郎「ふぅー良かった良かった、頭打って仕事ができなくなったりしたら大変ですからね」 えり「すみません……」 京太郎「いいっすよ、立てますか?」 えり「あ……」 京太郎「あのー?」←えりの下敷きになっている えり「あっ!すみません!」ガバッ 京太郎「だから大丈夫っすよ、いつつ……」 えり「あ、足が……」 京太郎「壁にぶつけちゃっただけなんで大丈夫ですよ」 京太郎「それじゃあ俺上がるんで、針生アナはゆっくりしていてください」ニコッ ガララ ピシャ えり「………… 」 えり「須賀くんはケガをしてまで私を……」 えり「…………」 えり「ありがとう、って言ってませんでしたね……」 えり「今度お礼をしないと……でもどうすれば?」 えり「男の人はどんなものがいいのでしょうか……」 えり「…………」ウーン えり「…………」コクッ えり「…………ふぁ」 えり「寝てはいけません!しっかり考えないと……」コクッ えり「…………」コクッ えり「何も思いつかないです……」 【二日目】終 【合宿三日目】開始 京太郎「んーまだちょっと痛いな……」 京太郎「天気もいいし、朝もまだ早いし、何しようかな」 真佑子「むにゅ……」 京太郎「多治比さん……幸せそうに寝てるな……」 京太郎「親睦を深めるために、久しぶりにやるか!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part12】デデーン! 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はですね、この、多治比真佑子さんにですね」 京太郎「寝起きドッキリをしかけたいと思いまーす」 京太郎「まずは多治比さんのですね、ほっぺたをつまんでみたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しますねー」ムニッ 真佑子「うみゅ……すぅ……」 京太郎「まだ起きないみたいなのでもうちょっと強めに……」クニクニ 真佑子「むにゃ~~~~」 京太郎(あ、なんか可愛い) 真佑子「……」ガシッ 京太郎「あっ」 真佑子「……須賀……さん?」 真佑子「えっと……何を?」 真佑子「私の上に馬乗りになって、顔をのぞきこんで……///」カァァ 京太郎「あ……」 真佑子「…………」 真佑子「女性の寝込みを襲おうとするとか、さいってーですね」ジトッ 京太郎「す、すみませんっしたー!」 真佑子「とりあえず黙ってくださいこのカス虫外道が」 京太郎「はい……」 真佑子「なるほど、寝起きドッキリですか」 京太郎「……すみません」 真佑子「いえ、私も勘違いして汚い言葉を言ってしまったので……おあいこ、ということで」ニコッ 京太郎「あ、ありがとうございます!」 真佑子「だからうっせーつってんだろ」 真佑子(頭を上げてください) 京太郎「えっ……」 雅枝「合宿最終日は何をしてもええ」 雅枝「部屋で休むのもええし、誰かと打つのもええ」 雅枝「ゆっくりと羽を伸ばすことやな」 雅枝「ほな今日も頑張っていこか」 「「はい!」」 京太郎「何でもしていいって言われてもな……」 京太郎「何しよう……」 照「京、また暇なの?」 京太郎「またって何だよまたって」 照「じゃあ……何か話さない?」 京太郎「話?そうだな、するか」 京太郎「じゃあ、今回の合宿、どうだった?」 照「……楽しかったよ」 京太郎「ってかよく考えたら照だけ一回合宿行ってないんだよな」 照「白糸台合宿のこと?」 京太郎「うん、またみんなで合宿とか旅行とかしたいよなー」 照「……そう」 照「…………」 照「京は、この合宿どうだった?」 京太郎「俺か?楽しかったぞ」 京太郎「まあまだ終わってねえけど、特訓したり喋ったりそれに風呂だって……」 照「お風呂?」 京太郎「いや!何でもないぞ!」 照「?」 照「私も……楽しい」 京太郎「この合宿が?ってさっきも言ってたじゃん」 照「……ううん」 照「私も、京と喋ったりするのが楽しい」ニコッ 京太郎「!……そ、そうか俺もだぞ」 照「ふふっ、良かった」 京太郎(照が笑ったとこなんて最近見てなかったよな……) 京太郎(なんで照なんかにときめいてんだ俺……) 昼1 京太郎「適当に卓を回ってみるかな……」 淡「ふっふー容赦しないよー」 咏「へへっ、お前は私にゃ勝てねえよ!」 泉「私を嘗めてもろたら困りますね」 恭子(何やこの卓……) 京太郎(面白そうだな、見てみるか) 【東一局】 咏「ロン!32000!」 恭子「メゲるわ……」 咏「私の勝ちだねぃ~」 淡「ぶー!開幕数えなんてずっこいずっこい!」 咏「実力なんだからしょうがねえだろー」 恭子「うっ」グサッ 淡「次面子変えてやろー」 恭子「あうっ」グサグサッ 泉「末原先輩……」 恭子「ええんや……私は所詮凡人……ふふ、あはは……」トボトボ 京太郎「末原さん、どっか行っちゃったな」 京太郎「追いかけてみよう!」 恭子「……はぁ」 京太郎「末原さん、暇ですか?」 恭子「えーっと、須賀くんやったっけ……」 京太郎「はい、俺今暇なんで何か話しませんか?」 恭子「……うん、ええよ」 京太郎「とりあえずお茶でも」 恭子「ミルクティーか、嫌いやないで」 京太郎「それならよかったです」 恭子「それで、何話そか」 京太郎「そうですね……「魔物」について、とか」 恭子「魔物……宮永姉妹とかみたいな人種か」 京太郎(やっぱりあの二人は相当なんだな……) 京太郎「全然勝てないですよね、あいつら」 恭子「……そっか、須賀くんはあの二人と幼馴染やったっけ」 京太郎「ええ、一応」 恭子「せやったら須賀くんも相当の打ち手なんやろ?男子個人戦チャンピオンやし」 京太郎「いや全然ですよ、照と咲に勝てたのなんて両手で数えられるくらいですし」 恭子「……須賀くんは、どう思うんや?」 恭子「宮永姉妹に荒川憩、神代小蒔に天江衣、大星淡とか三尋木咏、高鴨穏乃……あの次元を」 京太郎「んー……凄いとは思いますけど、勝てない相手ではないですよ」 京太郎「大体、勝てないって最初から思ってたら何もできませんよ」 恭子「……やっぱり、せやな」 京太郎「だから諦めないでもう一回挑戦すればいいんですよ!」 恭子「……うん」 恭子「よし、もう一回やったるわ!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 照「ロン、1000」 照「ロン、2900」 照「ロン、6100」 照「ロン、8400」 照「ロン、12900」 照「トビですね」 恭子「メゲるわ……」 恭子の好感度がぐぐぐーんと上がった! 京太郎「末原さん頑張ってるといいな」←京太郎は上の結果を知りません 京太郎「よっと、食堂到着」 京太郎「今日は何食べよっかな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「ん?ラーメンが宙に浮いてるぞ?」 淡「もーなにそれー!」 京太郎「ラーメンが喋った!?」 淡「いい加減にしないと怒るよ」ゴゴゴゴ 京太郎「あいよ、お前も今から飯か?」 淡「そだよー」 京太郎「淡は何食べるんだ?」 淡「んー今日はちょっと暑いからそばにしようかなー」 淡「京太郎は?」 京太郎「俺はカツカレーだな」 淡「へー」 淡「おいしー!」ズルズル 京太郎「食べながら喋るんじゃありません」 淡「京太郎はつまんないなー」 京太郎「ちゃんとしないお前が悪い、そんなんじゃ誰も嫁にもらってくれないぞ」 淡「いいもん!私がお婿さんになるから!」ズルズル 京太郎「何言ってんだこいつ」 淡「それにどうせ京太郎が貰ってくれるし……」チラチラ 京太郎「はぁ……」 京太郎(なんか期待した目で見てるけど、なんて返せばいいんだ?) 京太郎「そういえばiPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」 淡「へっ?」 京太郎「淡が嫁にもらうんだったら渋谷さんとか大人しい人の方がいいんじゃねえの?」 淡「……京太郎のバカ」 淡「ごちそうさまでした!」 京太郎「えっおい淡!」 ガララ ピシャッ 京太郎「……どうしたんだあいつ?」 京太郎「飯を食べ終わったら眠くなってきたぞ……」 臨「須賀!須賀!手伝ってくれ!」 京太郎「なんですか?」 臨「ちょっと昼飯を作ろうと思っていたんだ、その缶詰を開けてくれるか?」つ缶切り 京太郎「別にいいですけど」 臨「じゃあ頑張ってくれ」ササッ 京太郎「なんで屋外?なんでそんなに離れるんだ?とりあえず開けてみるか」カチッ 缶詰「どもーシュールストレミングでーす」モワッ 京太郎「くさっ!なんだこれ!」 臨「よくやったぞ須賀!」 京太郎「滅茶苦茶くせえ……」 臨「まあまあ、これあげるから」 京太郎「サルミアッキ?」 臨「なかなかいい味だよ」 京太郎「それじゃあ……」パクッ 京太郎「まずっ!なにこれ!おえっ!」 臨「そうか?おいしいんだけどな」モグモグ 京太郎(味覚と嗅覚大丈夫なのかこの人!?) 臨「昼飯も食べ終わったことだし、特訓しようか」 京太郎「この状態でですか……」 臨「準備はいいな?」 京太郎「はい……」プーン 臨「今回の課題は私から和了ること!一度でも振り込んだらその時点で失格だ!」 京太郎「めんどくさそーですね……」 臨「それでは始めよう」 京太郎「ロン」 京太郎「ツモ」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 臨「」チーン 京太郎「課題クリアですね!」 臨「……ああ、そうだな」ガクーン 京太郎「もう夕方か……あとは都会に戻って打ち上げして終わりだな」 京太郎「最後、何をしよう」 咏「遠き山に~♪」 京太郎「おっ、何やってんだ?」 咏「ちょっとネト麻をねぃ、やってみる?」 京太郎「まだ途中じゃねえの?」 咏「いや……」 『ロン、16000』 咏「これで終わり」 京太郎「こえーよお前……」 咏「んじゃ、やってみそ」 京太郎「よっと」ポチッ 咏「はぁ?何切ってんの?」 京太郎「こっちの方がはやく和了れね?」 咏「いや今のはそっち切るべきだろ、ほらさっきの有効牌」 京太郎「げっ、マジだ……ツモ切りっと」 咏「あっバカ!」 京太郎「えっ?」 『ロン、24000』 京太郎「と、とんだ……」 咏「言わんこっちゃない、次私の番な」 京太郎「おう……」ショボーン 【叙○苑】 京太郎「ただの合宿の打ち上げになんつーとこ来てんすか……」 良子「費用は府と都が持ってくれるからね、それにガールばっかりだし」 京太郎「だからってこれはもう……おかしすぎるでしょう」 照「京」 京太郎「んっ、照か」 照「とりあえずこっち来て」グイッ 淡「サンチュだけ食べまくる!」 菫「ちゃんと冷麺とかも食え」 照「カルビ頂戴」 京太郎「はいよ、ピートロは?」 照「……いい」 菫「照もクッパとかしっかり食べろ」 照「焼肉は楽しまねば焼肉に非ず、カルビはやく」 菫「もう肉は頼まないぞ」 照「あうっ」 淡「京太郎!ハラミ頼んで!」 京太郎「はいはい」 菫「須賀……お前からも言ってやってくれないか」 京太郎「えー……だって肉を焼かないと意味ないじゃないですかー」 菫「……むぅ」 淡「スミレは太るのが怖いんだよ」ヒソヒソ 京太郎「そういう淡はどうなんだ?」ヒソヒソ 淡「私は食べても太らないタイプだからね!」ババーン 照「同じく」 菫「くっ……須賀ァ!ただちに供給を停止させろォ!」 京太郎「えぇ……」 京太郎「とりあえずこれでも食べててください」<ピートロ 菫「むぐっ」 淡「京太郎ってば大胆!」 京太郎「何がだ」 照「でも菫はピートロが一番好きだったはず」 菫「…………」 菫「須賀!どんどん焼くんだ!」 淡「あ!ハラミとカルビとピートロくださーい!」 照「満足満足」ホッコリ 「お待たせしましたー」 京太郎「よーしじゃんじゃん焼くぞ!」 京太郎「まずはナスからだ!」ジュージュー 照「えっ」 淡「え」 菫「は?」 京太郎「な、ナスくらいいいじゃないか……」 照「……まあいっか」 淡「だね!」 菫「言いだしっぺは私だしな」 京太郎「よし焼けたな、みんな取ってけー」 照「……おいしい」モグモグ 淡「この火加減、京太郎はわかってるなー」モグモグ 菫「うむ、おいしいな」モキュモキュ 淡「やっぱり京太郎は私のお嫁さんになるべきだね」 照菫京「「「ぶふぉっ!」」」 京太郎「何て事言い出すんだよいきなり!」 菫「けほっ、二人はそういう関係なのか?」 照「あり得ない……うん」 淡「なにそれ酷いよ!」 京太郎「とりあえず黙って食べなさい」ペシッ 淡「いったーいぃ……」 京太郎「ようやく解放された……」トボトボ えり「あ……」 京太郎「は、針生アナ!?」 えり「こん、ばんは……」 京太郎「その、昨日はほんとにすみませんでした!」 えり「そんなことはないです、須賀くんに助けられたんですから」 京太郎「でも……ちらっと見てしまいましたし……」 えり「見……///」カァァ えり「忘れてください!///」 京太郎「すみません!」 えり「……とりあえずあっちの部屋に行きましょう」 京太郎「……はい」 えり「顔を上げてください、ね?」 京太郎「……」 えり「須賀くん、悪いのは私の方だったんですから」 えり「お詫びと言ってはなんですが……その……」 えり「一つだけ、なんでも言うことを聞きます」 京太郎「……えぇぇぇぇ」 京太郎(どうしよう……針生アナに命令ができるって結構夢みたいだけど……うむむ……) えり「……挿れますね」 京太郎「お願いします……んっ」 えり「ここが膜……でしょうか」コツン 京太郎「はい、おそらくは……いたっ!」 えり「ごめんなさい!……初めて、ですから」 えり「もう……動いていいですよね」 えり「いっぱい……出ましたね」 京太郎「なんかすみません……針生アナ気持ち良すぎですよ」 えり「ありがとうございます、あとお互い初めてなんですからいいですよ」 京太郎「そろそろ動きますね」ゴロッ えり「あー……こっちもたくさん溜まってますね」 えり「頑張って出しましょうね」 京太郎「……お願いします」 恒子(いやー針生アナと須賀くんがここにいるっていうから来てみたけど……) 恒子(ナニしてるんだあの二人!) 京太郎「あーすっきりしたー」 京太郎「針生アナの膝枕も堪能できたし実に満足だ!」 臨「須賀じゃないか」 京太郎「つかぬ事をお伺いしますけど……トイレで一体何を?」 臨「日課のレーションとプロテインをな」 京太郎「マナーだけはしっかり守るんですね」 臨「そろそろ戻るか、須賀も来ないか?」 京太郎「はい、よろこんで!」 京太郎「一人だったんですね」 臨「サトハたちが他の場所に行ってしまったみたいでな……はぁ」 京太郎「俺で良ければお付き合いしますよ」 臨「センキュー、でもあらかた食べたからそろそろデザートにしようかな……」 京太郎「じゃあ何か持ってきますよ」 臨「よろしく頼むよ」 京太郎「うーん……今並んでるのがないな……」 「お客様、アイスでしたら個室までお運びいたしますが?」 京太郎「そんなサービスが!」 「はい、ご利用なさいますか?」 京太郎「ぜひお願いします!」 臨「それで来たのがこれ……と」 京太郎「迂闊でした……」 臨「スプーン1本か……まあいい」 臨「須賀、食べさせてくれ」 京太郎「食べさせてくれって……はぁ」 京太郎「はい、あーん」 臨「あ、あーん」カァァ 臨「っ」モグッ 京太郎「おいしいですか?」 臨「うむ、なかなかだな」 臨「次はお前の番だ、あーん」 京太郎「い、いや!俺はいいっすよ!」 臨「私だって恥ずかしかったんだ!お前も同じ目に遭うべきだ!」 京太郎「でもこれじゃあ間接キスになっちゃいますよ!」 臨「あ……ぅ……///」 臨「うるさい!とにかく食べろ!」 京太郎「ちょっ」モグッ 京太郎「あ、おいしい」 臨「よし、次は私の番だな」 京太郎「……はぁ」 京太郎「あれ?そもそもスプーンもう一本頼めばよかったんじゃ……」 臨「あっ……」 雅枝「これで近畿・関東合同合宿は終わりや」 雅枝「次会うときは国麻の卓や、それまでに各々精進するように」 雅枝「それでは……解散!」 「「お疲れ様でしたー」」 臨「須賀」 京太郎「何すか?」 臨「これが私のメールアドレス、大阪に戻ったら連絡してくれ」 京太郎「はい、お疲れ様でした」 臨「うむ、お疲れ」 真佑子「あ、須賀さん」 真佑子「これ、私の連絡先です。よければメールくださいね」ニコッ 京太郎「それはどうも」 真佑子「それではまた!」 京太郎「さようならー」 【清々荘】 京太郎「部屋に帰って来たぞ」 京太郎「寝る前に何かするかな」 京太郎「監督さんにメールしてみよっかな」 京太郎「あんまり当たり障りのない感じで……」 京太郎『こんばんは』 京太郎『早速メールしてみました』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『おお!学校関係とか仕事関係以外で初めてメールを出した!』 臨『ありがとう須賀!』 京太郎「なんだろうすっごい既視感」 京太郎「つまりプライベートではメールしたことがない……」 京太郎「恋人とかもいなかったのか?」 京太郎『突然ですが、以前に恋人がいたことはあるんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『……まさか』 臨『恥ずかしながら、彼氏いない歴=年齢の生き遅れだよ』 臨『自分で言ってて傷つくな……』 京太郎「やり手のキャリアウーマンって感じなのに意外だな」 京太郎『きっといい人が見つかりますよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『そうだな』 臨『須賀とも出会えたことだし』 臨『そのときはよろしく』 京太郎「えっ、よろしくって何!?」 京太郎「まあ確かに監督さんスッゲー綺麗だけど……」 京太郎「……こんな会話淡としなかったか?」 京太郎「時間もあるし他の人にもメールしてみるか」 京太郎「そうだな……」 京太郎「針生アナに送ってみようかな」 京太郎「そういえば耳掃除と膝枕……よかったなぁ」ホッコリ 京太郎「さて何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『初めてのメールですね』 京太郎『針生アナは国麻にも来るんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『こんばんは』 えり『一応最終戦の実況を任されているのですが、私にできるのかどうか不安で』 ヴーッ ヴーッ えり『すみません、こんな情けないメール送ってしまって』 京太郎『そんなことないですよ』 京太郎『針生アナなら大丈夫です』 京太郎『頑張ってくださいね』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『ありがとうございます』 えり『私も須賀君のこと応援していますから』 えり『そちらこそ頑張ってくださいね\(^o^)/』 京太郎「何故か俺が終わってる……」 京太郎「顔文字とか使い慣れてないのかな?」 京太郎「そう思うとなんか既視感が……まあいっか」 京太郎『それではまた今週末、ですね』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「さて寝るかー」 【10月第3週 休日】終